鳥取砂丘柳茶屋キャンプ場がリニューアル

数年前に鳥取市が公開プロポーザル方式で新しい管理者を公募、ワケあって一度決まったコンソーシアムが資格取り消しとなり、二度目の公募が行われてようやく次の管理者が決まった旧鳥取砂丘柳茶屋キャンプ場。この春(2024年4月)から営業がはじまっています。




資格取り消しとなったためにお蔵入りした「鳥取砂丘ムーンパーク(TOTTORI SAKYU MOON PARK)」プランは対象となった3施設に対して大々的な変更を加える案でしたが、このたびオープンした「ヤマタ鳥取砂丘ステイション」は、既存の3施設に対して、1)現状維持、2)若干変更、3)ゴッツリ変更と分けて手を入れ、リニューアルしています。

見ていきましょう。

CAMP VILLAGE 砂育(さいく)

上記のうち、1)現状維持プランを適用されたのが、以前は鳥取市が管理していた無料のキャンプ場、鳥取砂丘柳茶屋キャンプ場。もともとあった設備に最小限の改修・更新を加え、「CAMP VILLAGE 砂育」として生まれ変わっています。

Googleマップにも「有料化されたのに、何も変わっていない」というコメントが入るほど(笑)、一見して何が変わったかは分かりません。しかし、トイレがウォシュレットになったり、調理棟の壊れていた(かまど) やBBQ台が修理されていたりするようです。水回りが綺麗になると顧客満足度は高まりそうです。

他方、運用面にはしっかりメスが入れられています。その一番のポイントが有料化。とはいえテント1張(4人まで)で2200円(税込。1人追加になるごとに250円)と非常に手頃な価格です。またキャンプ場全体の貸切りも可能なようです。僕とトム(妻)がゲリラ的に行ったウェディングキャンプも堂々とできますね。

もう一つが、予約制の導入。当日飛び込みでの利用もできるようですが、利用者が上限数(25サイト)に達している場合は利用ができません。

有料化と予約制、そして利用者の上限設定は混雑緩和、なによりマナー向上に計り知れない効果があると予想します(これについては後述)。

GUEST HOUSE 砂縁(さえん)

2)の「若干変更」が適用されたのは、サイクリングターミナル砂丘の家と呼ばれていた施設。昭和53年に「青少年の健全育成と福祉の増進に寄与することを目的」※1として設立された同施設は、研修室や広い食堂を備える簡易宿泊施設でした。

これが、「GUEST HOUSE 砂縁」としてリニューアル。

ヤマタ鳥取砂丘ステイション ゲストハウス 砂縁
画像出典:ヤマタ鳥取砂丘ステイション

この建物が砂縁や前述のキャンプ場(砂育)、次に紹介するグランピング施設の受付を兼ねています。グランピングの客に供される食事も、ここの調理場でつくられているようです。

聞いた話によると、すでに訪日外国人など多数の利用者がある模様。特に1泊2000円台で泊まれるドミトリースタイルの部屋が人気なのだとか。

ゲストハウス 砂縁はキャンプ場(CAMP VILLAGE 砂育)の隣に位置するので、キャンプ自体は一緒に楽しみ、テントで寝るのが苦手な人はこちらで就寝、といったやり方もできそうです。

グランドーム 砂優(さゆう

最後の3)、ゴッツリ変更となったのは、もともと「鳥取砂丘こどもの国」内で運営されていたキャンプ場。こちらが6棟のドームを備えたグランピング場「グランドーム 砂優」となっています。

ヤマタ鳥取砂丘ステイション グランドーム砂優
イラストかと見紛うような写真ですが(AI作?笑) 画像出典:GRAMPDOME砂優

上の写真を見ると分かるように、宿泊するドームとは別に食事専用の建物があり、トイレもこの中にあるようです。どうやらドーム+食事専用棟の組み合わせは、グランピングのデフォみたいですね。

またビールや酎ハイなどのアルコール、コーラなどの炭酸飲料も飲めるフリードリンク、シャワー棟も用意されています。

ここは先述のとおり、こどもの国の中にあるので「日中はこどもの国でしこたま遊んで、夜はここでのんびりまったり」みたいな過ごし方もできますね。

小学生くらいのお子さんのいる家庭には良き週末を過ごせそうです(僕のようなアラフィフ親父にとっては体力的に厳しい週末となりそうですが笑)。

有料化はマナー改善の切り札、か

さて、先ほど「有料化と予約制、そして利用者の上限設定は混雑緩和、なによりマナー向上に計り知れない効果があると予想します」と書きました。

鳥取市が無料キャンプ場として管理していたころの無法地帯状態からの改善が期待されるわけですが、では果たして、僕が言うように有料化することで利用者のマナーは本当に良くなるのでしょうか。

ゴールデンウィーク前に営業を開始した「ヤマタ鳥取砂丘ステイション」。キャンプ場やグランピングは連休期間中、大盛況で満サイト(?)、満室だったとか。しかし、以前のような問題はほとんど見られず、気持ちよく使える状態だったよう。このあたりを評価する利用者のコメントがすでにGoogleマップでも読むことができます。

同目的で有料化されたキャンプ場は多い

三密を避けることができるアクティビティとして、コロナ禍にブームのピークを迎えたキャンプ。全国に点在する無料キャンプ場に、にわかの利用者が押し寄せました。たくさんの人が集まればとんでもない人も混ざってしまうもので、設備の破壊やゴミの放置、ボヤ騒ぎなどが相次いだわけです※2

結果、ナウマン公園キャンプ場(北海道)、大柳川渓流キャンプ場(山梨県)、滝沢キャンプ場(静岡県)、大津谷公園キャンプ場(岐阜県)、粟島浦村キャンプ場(新潟県)、大野アルプスランド(兵庫県)、潮井崎キャンプ場(長崎県)などなど、無料で運営され市民やキャンプ好きの利用者に愛されていたキャンプ場が次々に有料化されていきました。

とはいえ有料化で万事解決、ではない

有料化によって利用者の質が上がったかどうか、結果まで共有されていないキャンプ場も多いですが、良い結果も出たところもあるようです※3

一方で、有料化はマナーは改善しないという声もあります。

われわれのような有料キャンプ場にも、マナーの悪いお客さんは一定数います。中には“お金を払って使っているのだから、利用客が出したゴミの処理や、共用スペースの清掃などは、当然管理者がやるべきだ”といった声もありますし、有料だからこそ多少のワガママも許されると思ってしまう人は増えている気がします。
—出典:週刊女性PRIME「キャンプ場が有料化してもマナー改善はムリ!汚物放置や野外行為、意外と多い“高齢のトンデモ客”

当然ですが、万能薬というものはありませんね。個人的には、以前からSNSのアカウントなどと連携させてキャンプ場と利用者がお互いにに評価できるような仕組みが良いのではと考えています

・・・

いろいろとエラそうに書きましたが、運営主体が変わってからの利用はまだなので、近いうちに家族で利用してみたいと思っております!

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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