雪中キャンプに行ってきた
2月28日(土)から3月1日(日)にかけて、鳥取県智頭町の芦津渓谷にてキャンプ仲間と雪中キャンプに行ってきました。
芦津渓谷は鳥取市街地から車で約1時間。「本当にこの先に何かあるの?」とやや不安になるような道をひたすら進みます。
茅葺屋根の風情ある建物で山菜料理が食べられるお店「みたき園」から、さらに10分ほど上がったところにある芦津発電所近くの空き地が、今回の会場です。
雪上でのテント固定
雪中キャンプは何度かしてきましたが、今回の積雪は約1メートル。浅いところでも50センチ以上はあったので、テントの設営(固定)にかなり苦労しました。
上の写真にあるトンガリタイプ=ワンポールタイプのテントは、構造上ペグでしっかり固定しないとちょっとした風でペグが抜け簡単にテントが崩れますので、丁寧に固定していく必要があります。実際、写真の白いテントは、翌朝の強風でテントが煽られてペグが数本抜け、あわや倒壊するところまでいきました。
雪上にテントを固定する方法はいろいろとあるようですが、
- 雪をかいて地面を露出させて固定する
- 雪を踏み潰して圧縮し、長いペグを使って地面に直接固定する
- スノーペグを使って固定する
- アイスクライミング用のアイススクリューで固定する(雪面が凍っている場合)
といったやり方が主流のようです。
僕のように、雪山でのキャンプは年に一度するかしないか程度のキャンパーは、その日のためだけに道具を買うのは少し躊躇してしまいます。命に関わるのでケチってはいけませんが、代用品を作れるなら。ということで調べてみたら、こういうものを自作で作っている方が多いようです。
出典:夢の地図
雪を掘ってこれを埋め、その上にしっかりと雪を載せて圧雪すればかなりの強度で固定されます。十字なので、一文字タイプが主流のスノーペグよりもしっかり固定されそうですね。
事前情報では、今回の積雪はそれほどでもないということでしたので、上記の1か2でイケるかなと、snow peakのソリッドステーク40(cm)を持っていきましたが、撃沈…。
ちなみに僕が使用しているテントはドーム型(写真内、手前の黄色いテント)。
構造的に完全に自立しますのが、フライシート*はペグで繋ぎ止めているだけなので、朝起きたら「フライシートがない」なんてことも起こりうるんですよね。なので、せっせと雪を踏み固めてペグでかなり入念に固定しました。
Bonfire Camper
さて、僕たちは冬でも夏でも焚き火を囲みながらキャンプするため、自分たちを”Bonfire Camper”(焚き火キャンパー)と呼んでいます。
メンバーは10名ほどですが、冬季でも集まるキャンプ好きは4〜5名。今回の参加者も4名でした。僕のようにただノンビリと過ごすタイプもいれば、冬山に登って雪洞でビバーク*してしまうような猛者まで、いろんなタイプのキャンパーがいます。仕事も建築家に洋服店経営者、公務員など実に様々です。
ふだん、なかなか仕事で接点を持つことのない仲間が、一つの趣味(=キャンプ)で集まって語らう時間。ふだん自宅でひとりで仕事をしている僕にとって、とても有意義なものとなっています。
Bonfire Campでは基本的に、参加者全員がテントを含むキャンプ道具を自分で用意します。つまり、ソロキャンパーが集まって遊ぶ、みたいな体(てい)なのですが、冬場は外で食事するのが厳しいので、大きなテントを宴会場として使用させてもらい、就寝時はそれぞれが自分のテントで眠る、というスタイルになります。
今回の宴会場となったテント、「Nordisk Alfheim 19.6(ノルディスク・アルフェイム)」。真っ暗な中にほわっと白く浮かぶように光っていて、とても美しいです。
内部はこんな感じ。
「冬にキャンプするなんて寒いでしょ。絶対ヤダ!」と良く言われますが、このテントの中はストーブが3台あり、室温は20度以上。熱々のおでんと日本酒で身も心もポカポカなのです。
キャンプの道具、スタイル
Bonfire Camper、特に今回集まったメンバーはそれぞれ個性あるスタイルを持っていて、道具一つひとつに反映されています。なぜコレを選んだのかという、大げさに言えば哲学のようなものが垣間見えるのです。
家族と一緒に選ぶインテリアや家具、生活道具と違って、100%「自分の好き」を投入できるキャンプ道具は、その人を表していて本当に面白いです。またこちらのブログでおいおい紹介できればと思っています。
ちなみに僕はまだそのスタイルを模索している段階で、非常にダサい感じになってしまっております(涙)。
特にテント内はヒドイ状態です。
テントの中にカーペットを二つ折りで敷き、大きなダンボールを厚さ15cmくらい積み重ね、さらに銀マットを敷き、最後にモンベルのシュラフ(封筒型#1とマミー型#4)を二重に使用するというダサさ。
寒さとは無縁で暖かく眠れるんですが、これを持ち運ぶ姿もダサいし、「これが俺の雪中キャンプのスタイルだよ!」なんて絶対に言えない…。
というわけで、次回に向けて、キャンプのスタイルと道具を抜本的に改革することを心に誓ったキャンプとなりました(笑)。
帰りの道で鹿に出会った
夜が明けて今朝、残念ながら雨。コーヒーを飲んで少しだけゆっくりしたあと(先にも書いたとおり、突風が吹いて宴会場となっていたNordiskが吹っ飛びそうになってテンヤワンヤでしたが)、手早く撤収して帰路につきました。
さすがに奥深い渓谷だけあって、
道路脇で野生の鹿が何かを食んでいました。
* フライシート:防水や保温を目的として、テント本体を覆うカバー
* ビバーク:登山やキャンプなどにおいて緊急的に野営することを指す