CHROME DIMA 3.0を履いてみた
最近、ちょいちょい「案件」のご相談をいただくことが増えてきました。キャンプ系ブログとしては道を踏み外しているアウトローですが、こうして注目し、何かしら期待していただけるのは、自分勝手に運営しているブログではありますが嬉しいものです。
今回はCHROME INDUSTRIES(クローム インダストリー)というGoogleぽい?名前のアパレルブランドからお声がけがありました。
CHROME INDUSTRIES
クローム インダストリー(以下、クローム)は、1995年にメッセンジャーバッグの製造からブランドをスタートさせ、現在はシューズやウェアなども展開するアパレルブランド。そのコンセプトは、
プロのメッセンジャーやピストバイクでトリックを楽しむアーバンアスリート、自転車で通勤するクリエイティブな都市生活者のために、便利で耐久性のあるプロダクトを作る
だそうです。
壮大ではあるが掴みどころのない社是を掲げる会社が多い昨今、シンプルで分かりやすいコンセプト、僕は好きです。
が、メッセンジャーでもアーバンアスリートでも、クリエイティブな都市生活者でもない僕が紹介していいの? と少し不安な気持ちでこの文章を書いております(笑)。
CHROME DIMA3.0
今回、クロームから送られてきたシューズは「DIMA 3.0」というスリッポンタイプのスニーカー。
特徴のあるインソールなので、たくさん靴のある玄関でもすぐに見つけられますね(笑)
踵部分にある反射パーツがいかにも自転車乗り向けアイテムという感じですね
スリッポンタイプの靴は、高校生の時に履いていたJ.PRESSのコインローファー以来(笑)。
これまでスリッポンはほとんど忌避していたと言っていいくらいなんですが、理由は短くて太くて筋肉でゴツゴツしている自分の脚のカタチには似合わないと思っているからです。
ところが今回、クローム側からは「商品はこちらで選んで送ります」と言われていたので、「僕の名前にも似てるし、KURSK AWが届くといいな〜」と心の中で願ってたんです。
KURSK AW(画像出典:CHROME INDUSTRIES)
そして届いたのが、スリッポンタイプのDIMA3.0。
箱を開けた瞬間、天を仰ぎましたね。「人生で二度目のスリッポンを、僕はレビューできるのだろうか」と(笑)。
気を取り直して、しばしDIMA3.0を手にして眺めていました。
自転車に乗っている時に靴紐が解けてしまうとペダルやチェーンに絡まってしまって危険なのですが、スリッポンにはそのリスクはありません。足首の動きを妨げないローカット、自転車を漕ぐ足の運きを邪魔しないスリムでシンプルなデザイン。
今でこそ僕の生活に自転車はありませんが、東京在住時は江東区から渋谷区までの通勤に自転車を使っていましたし、帰郷後も自転車をメインの移動手段にしていた時期があり、その頃のことを思い出しながらDIMA3.0を眺めていると、確かに自転車には良さそうだな〜と思えてきます。
そして、以下で紹介する2つの特徴もさらにそれを裏付けるものでした。
ソールはパナレーサーとのコラボ
DIMA3.0は、1952年創業の自転車用タイヤ・チューブ専門ブランド、Panaracer(パナレーサー)とのコラボで生まれた、通常は相反する機能、“グリップ力”と“耐摩耗性”を両立させたソールを採用しているとのこと。
このソールの説明については、クロームの方の言葉をそのまま拝借したいと思います。
地面との転がりを重視するタイヤの特性を、シューズに求める特性に振り切った配合のバランスへと追求した結果、ソールラバーにおいて相反すると考えられてきた“グリップ力”と“耐摩耗性”を高次元で両立させることに成功しました。事実、研究段階で実施したソールラバーの性能テストで、名だたるサイクリング向けスニーカーを凌駕する数値を叩き出しております。
加えて、シューズ内部やソール構造にはCHROME FOOTWEARの強みであるPowerPlateテクノロジーを搭載。クッション性の高いフットベッド、通気性と屈曲性を併せ持つインソールボード、防滑性と耐久性に優れたアウトソールなどの機能が、歩行でもライディングでも極上の履き心地を実現しております。
後半部分を図にするとこんな感じですね。
画像出典:CHROME INDUSTRIES
“ペダルを踏み外すと危険”なため、サイクリング用シューズにはDIMA3.0のように高いグリップ力が求められるようです。
しかしこの性能は自転車を降りている時にも嬉しいものですよね。雨の日なんかにツルッと滑って危うく、なんて経験は誰にもあると思いますが、それを回避できるわけですから。
そのソール、外観自体は奇抜なわけでもなく、ごくふつうのものに見えます。
が、室内で履いてみると床に吸い付くような感じで、歩くとギュ、キュポと吸盤のような音がします。とはいえ吸い付いて足が離しづらく、歩きにくいといったことは当然なく(笑)、ふつうに歩けます。
今年の夏は本当に雨が多いですが、ふだん注意して歩いている滑りやすい路面でもしっかりグリップ力を発揮していましたし、後述するアッパー素材の撥水機能もあって安心して履くことができました。
じゃっかんソールの硬さを感じましたが、履いてくうちに柔らかくなってくると予想(この点については、しばらく履いてみないと分からない耐摩耗性と合わせて追記していきたいと思います)。
アッパーは1000デニール!の強靭な撥水ナイロン
アッパーに使用されている素材は見るからに強靭な感じ。
スキューバダイビングで使うダイビングブーツぽくもあります
踵付近にひっそりとシンボルマークが刺繍されてます
それもそのはず、1000デニールというかなり厚手のハイドロフォビック(撥水)ナイロンが使われています。雰囲気としては、吉田カバンのHEATシリーズに使われてるバリスターナイロン(*3)に似てますね。
実際に履いて歩いてみてもアッパーのゴワつきや硬さは感じられず、履き心地はいたって良好。
重さも片方で400g弱と、僕が持っているジャック・パーセルのスニーカーとほぼ同じ。最近めちゃ軽いジョギングシューズをよく履くので、それと比べると重く感じますが、履いていて特に重いと感じることはなかったですね。
・・・
全体として、スニーカーではあるものの(当たり前)、ワークブーツに通じる現場のための道具といった存在感は僕の好みです。
道具は現場でプロが使ってる時が一番輝きます。メッセンジャーがこれ履いて自転車に乗ってたらカッコイイんでしょうね。
僕はいたってふつうのスニーカーとしてしか履けませんが、人生二足目のスリッポン、楽しみたいと思います。
*1 CHROME INDUSTRIES STORY
*2バルカナイズ製法とは、スニーカーの最も基本的な作り方と言われています。スニーカーは足の甲部分の布地であるアッパーと、靴底のゴム素材であるソールでできています。基本的に布とゴムは全くの異素材のため、くっつけて十分な強度を出すのは大変難しいのですが、それを可能にしたのがバルカナイゼイション技術です。生ゴムが硫黄と熱を加えると硬化する化学変化に注目したのが技術の基礎で、アッパーとソールを定位置にセットしたのち、その間に固まる前の生ゴムを流し込んで接着。硫黄で満たした釜で熱と圧力をかけることでアッパーとソールを隙間なく圧着するという技術。それが、「バルカナイズ製法」です。100度以上の釜で1時間以上加熱した上、冷ますために長時間大型扇風機の風に晒したり、工場内は煙と薬品の匂いで充満するため高額な設備が必要になるなど、大変手間とコストがかかる製法です。(出典:Sneakers NAVI「バルカナイズ製法とは?その特徴と歴史|スニーカー基礎知識」
*3 バリスターナイロンは、エアバッグや防弾チョッキにも使用されている、耐摩擦・引裂き強度に優れる素材です。
*4 僕のサイズ 25.5cmでの実測値です。
スリッポンかー、俺らの世代はドリフ靴、一歩間違えば学校の上履きだからなー。。VANSのカラフルなスリッポンなら子どもに履かせたら可愛いなぁと思うけどなー。クローム自体は嫌いじゃないんだけど、イメージが自転車一筋の硬派なアメリカンって感じだからな。。ピストに乗る時には本当に良さそうだけど。
タカフジ、コメントありがとう。
まさにドリフのイメージだね。さすがに上履きはデザイン的に違うけど、ドリフは対して変わらないし、今もホムセンに売ってるしね笑
クロームインダストリーというブランド、俺は全然知らなかったのだけど、このようなブログにも記事の依頼があるということなんで、タカフジがいうような自転車一筋的な固まってしまったイメージを広げたいとのかなと思ったりしたよ。とはいえ、ローカットのスリッポンタイプを「キャンプにおすすめ」とは言い難いし、でも普段履きにはかなり良さそうな印象だったよ。
まあ、俺のようなファッション下級者じゃなかなか難しいけどね〜