snow peakのチタントレックで米を炊いてみた(1)
新しい年がやってくると、頭の中のかなりの部分を「雪中キャンプ」という文字が占めるようになります。
これまでの雪中キャンプの記事を読んで振り返り、何が良かったか、何がダメで何が準備不足だったのか、などを考えるわけです。
そんな幸せな妄想・思考タイムのなか、「来年は自分もそうしたい」と熱く考えていた去年の自分に出会いました。
「来年は自分もそうしたい」の「そうしたい」とは、朝食をほかほかの朝ごはんと味噌汁にしたいというものです(笑)。
そのためには当然、お米を炊く必要があり、キャンプ仲間たちも飯盒(はんごう)を持参して、各自がお米を炊いています。
じゃあ僕も飯盒を検討してみるか!と思ったのですが、もしかしてと調べてみると、僕の愛用するsnow peakのチタントレックでお米を炊いているキャンパーがたくさんいることが判明。
以前、キャンプ用のケトルを検討した時も、いろいろ調べて結局チタントレックで十分、という結論に達したこともあり、今回は僕でもチタントレックでお米が炊けるかどうかを確認して、もしやっぱり飯盒が必要ということならそれからあらためて検討しよう、ということに。
そんなわけで、snow peakのチタントレックでお米を炊いてみることにします。
チタントレックでお米を炊いてみる
キャンプと同じ状況をつくるため、熱源にはPRIMUS P154S(ウルトラスパイダー)を使用します。
キャンプ当日、自分ひとりで食べるお米の量は多くても1合なので、シミュレーションも同量で。
炊き方は、以前自宅で鍋でお米を炊いていた時の時間、手順を目安にして、以下の流れで実施。
炊き方(想定):1)1合のお米(*1)と200ccの水をチタントレックに投入して、沸騰させる。 2)沸騰したら弱火にして10分ほど炊く(沸騰したかどうかはフタを開いて確認)。 3)10分経ったら火を消し、さらに10分待つ(蒸らし)。
工程の2や3の時間など、細かいところは実際に炊いてみて必要があれば修正していきます。
そして、重要な点ですが、暖かい部屋の中(*2)でやるのと氷点下に近い屋外でやるのとでは調理時間に影響が出るはずなので、今回も屋外で実施します。
が、この日は気温が10度ほどあってとても暖かく、屋外でやる意味があまりない感じでした(笑)。
チタントレックでお米を炊いてみた
研いだお米をチタントレックに投入し、200ccの水を流し入れます。
お水の量が計れない場合は、チタントレックの内側にある目盛りを参考にします。1合=200cc=10oz、2合=400cc=20ozという感じのようです。
沸騰するまでは強火、沸騰したらぶくぶくしている状態を維持する程度の火力に調整して、およそ10分ほど待機します。
いちおう、フタが飛ばないように水を入れたカップを置いておきます
この火力の調整が難しいんですよね。
チタンは熱しやすく冷めやすい性質を持っており、且つ金属の中でも熱伝導率が低い(*3)ので、火が当たっているところはすぐに熱くなりますが、火が当たっていないところは熱くなりづらく、温度差が生じます。
つまり、内部の水は沸騰状態を維持してグツグツいっているものの、火の当たる一点に熱が集中するため、米が焦げやすいわけです。焦げないようにと火力を弱め過ぎると沸騰状態を維持できない、というジレンマに襲われます。
これに対してどのように対処したかというと、極力火力を弱めてギリギリ沸騰している状態にし、水分が残っている間は時々フタを開けて箸でかき混ぜ(!)、そして加熱時間を気持ち長めにしてみました(13分)。
しばらくすると気のせいか香ばしいにおいもしてきて、今すぐ火を消したい衝動にかられながら待つ時間は、実に長く感じましたね。
その後、火を止めてチタントレックをウルトラスパイダーから下ろし、タオルで巻いて保温しながら10分ほど蒸らします。
フタを開けてスプーンでかるく混ぜて炊き上がりを確認。
うまく写真に撮れませんでしたが、少し柔らかめな感じで仕上がっているようで、米と米が癒着している箇所が多い印象。
ごはんをロッキーカップに移してチタントレックの底を見てみると、案の定、しっかりと焦げ跡が。
ごはんの焦げはと言いますと……、ガッツリと!
上手に炊けたら、ごはんに味噌汁、お漬物と、キャンプの朝ごはんを想定したシンプルな構成でいただこうと思っていましたが、香ばしく仕上がったお米をごまかすべく焼き豚丼に。
実際に食べてみたお米は、若干ベチョっとしつつもやや芯が残っているという、ダメな炊き上がりの典型例のような感じで、点数をつけるとすれば100点満点で20点といったところ。お米単体で食べるのは、非常に厳しいと言わざるをえない仕上がりでした。
多めに岩塩と黒胡椒を振った豚肉と一緒に食べたので、なんとか完食しましたが……。
チタントレックでお米を炊いた感想まとめ
まだ一度しか試してはいませんが、感想まとめ。
先に書いたような特性を持つ金属、チタンでできたチタントレックと、局所的に熱してしまうウルトラスパイダーの組み合わせでお米を炊くのは、かなり難しいことのような気がします。気温や風の影響を強く受けてしまう屋外では、より困難度はアップしそうですし。
もちろん、何度も何度も繰り返して熟練していけば、できないことはないでしょうし、上手に炊けるようになったらちょっとカッコいいなとも思いますが(笑)。
今冬実施する雪中キャンプまでそれほど日がないので、一旦この組み合わせで炊飯を繰り返して熟練する道は置いておき、熱源をウルトラスパイダーからチタントレックの底面全体を熱してくれるものに変更するのはどうだろう。例えば、僕が雪中キャンプに必ず持参する石油ストーブ、フジカハイペットとか。熱量(火加減)さえコントロールできれば、ウルトラスパイダーよりも上手に炊けるかも知れない……。
というわけで、次回はチタントレック×ハイペットの組み合わせを試してみたいと思います。
*1 お米は事前に自宅で研いだものをナイロン袋に入れておきます(by料理研究家・土井善晴先生)
*2 家の中もめっちゃ寒いんですけどね(笑)
*3 株式会社名取製作所 チタンで作ると、ちょくちょく触りたくなります。
はじめまして、同じ鳥取の方のブログという事で楽しく見させていただいてます。
チタントレックとコールマンの550Bストーブ使って炊飯やった事ありますが、やはり焦げとの戦いでした。
ウチではユニフレームのバーナーパッド、これを使う事でいい感じに炊けるようになりました。
熱の分散という点でいい仕事します。
加えて、550Bもそこそこ弱火にできるので、調整はやりやすかったです。
いろいろ試行錯誤するのも楽しいですよね。
びっとさん、コメントありがとうございます 🙂
鳥取にお住まいなんですね〜。いつもお読みくださっているとのこと、ありがとうございます。
ユニフレームのバーナーパッド、これ良さそうですね!
実は下調べしている中で、多くの方がストーブの炎をいかに分散させるか腐心されていて、このバーナーパッドのような製品を使われている方もいらっしゃいましたね。
今回はストーブ(バーナー)だけの直球勝負にしてみましたが、やはり必要なんだなぁとあらためて感じた次第です。次は石油ストーブで挑戦してみますが、何をするにせよ、バーナーパッドのようなアイテムはあったほうが良さそうですね。
有用な情報をありがとうございます!
炊き方は本当に人それぞれだと思いますが、参考までに私の方法を。
機材はEVERNEWTi U/L クッカーとオプティマス ベガを使う事が多いですが、炊飯量によって毎回まちまちです。
小一時間浸水
お米と同量の水を入れる
強火で炊き蓋が暴れ出したら弱火に
そのまま4分
最後に数十秒強火で水気を飛ばす
適当に蒸す
こんな感じで今のところ(10回も炊いてませんが)失敗知らずではありますが、逆に焦げが欲しいのに出来た試しがありません・・・。
因みにお米はナルゲンに適当に入れて持参、現地で水を入れてシェイク(米とぎ代わり)、その後水を替えてナルゲンの中で浸水、米だけ鍋に移したら、同量の水をナルゲンで計量してIN。という感じです。
JKさん、いつもコメントありがとうございます。
オプティマスベガのバーナーヘッドは、いい感じの炎を出しそうですね。
JKさんの炊飯方法を見るに、僕のやり方だと加熱が長すぎた可能性もありそうですね。アイテムの見直しに加えて、調理の方法も様々なので、なかなか難しいところですが、そんななか、JKさん、失敗しらずとはスゴイ。。僕もそんなふうに言ってみたいものです(笑)。
いつも素敵な情報をありがとうございます 🙂