気候変動とキャンプ
イギリス・スコットランドのグラスゴーで開かれていたCOP26(Conference of the Parties – 締約国会議)が閉幕。キャンパーにとっても、非常に関心のあるイベントでしたよね。
詳しい報告はさまざまなメディアが出しているのでそちらを見ていただくとして、その内容に個人的には強い危機感を抱きました。議長国イギリスのジョンソン首相が「人類のターニング・ポイント(turning point for humanity)」と表現しましたが、転換するのか、破滅に向かって直進するのか、僕たちは今、正に転換点に考えるべき時に立っているなというのが率直な感想です。
画像出典: OSCE(Organization for Security and Co-operation in Europe)
現在は意識高い系と揶揄される人たちだけがコトの深刻さに気づいて個人で行動を起こしているという状況ですが、環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの「個人の変容よりも社会システムの変革が必要だ」という発言のとおり、社会システムという大きな枠組みでの変化、そしてより大きな、正に地球規模で、明確な共通の目標に向かった動きが必須になってきています。
“And yes, I know we need a system change rather than individual change.
But you can not have one without the other.”
A part of my speech at the Brilliant Minds conference. Full speech here: https://t.co/rMPQZ50xfO#ClimateJustice #ClimateBreakdown #EnvironmentalBreakdown pic.twitter.com/gRQZ7SVUe2— Greta Thunberg (@GretaThunberg) June 23, 2019
COP26での合意内容(グラスゴー気候合意/Glasgow Climate Pact)によって、これから日本が国として具体的にどのような対策を講じていくかはまだ分かりませんが、SDGsも気候変動もファッションやマーケティングの具になりがちなここ日本では、国が行う何かしらの決定に対してきっとみんな不満を感じるはずです。しかしそれを僕たちが受け入れられなければ(そして受け入れたとしても期待した効果が出なければ)、これまでと同じ社会生活を送ることができない、支障が生じるレベルの対策が必要になるとも言われていて、不満を表明している場合ではなさそうです。
僕は環境問題には少しばかり関心があり、できるだけ歩く(自動車に乗らない)、電気や水道の使用量を抑制するといった生活の中で無理のない範囲でできることはやっていますが、時に「自分だけが行動を変えたとしても、その影響はあまりに小さい。きっと何も変わらない」と考えてしまうことがあり、強い無力感に支配されてしまうこともしばしば。
しかし、グレタさんが2018年の夏、毎週金曜日にたった一人でスウェーデンの国会議事堂前に座り込みをはじめたことがたった1年で全世界で400万人のデモへと発展した事実を見ると、ささやかな行動が全てささやかな行動で終わることはないと勇気づけられます(僕はグレタさんの完全な支持者ではありませんが、自身の信念に基づいて行動を起こす彼女をとても尊敬しています)。
何より、自分の子どもたちの世代にできる限り良い状態の地球を引き継がなければいけないという気持ちが非常に強いです。
気候変動を意識したキャンプ
さて、急に話が小さくなりますが、気候変動問題を意識したキャンプについて考えてみたいと思います。
できる限り、近場でやる
首都圏、都市部に暮らしている人たちには無理だとしても、自然が山ほどある地方都市に住んでいる僕たちは、車を2時間走らせて到着する場所ではなく、その半分の移動時間で済む近場をサイトに選ぶことはできます。
友人宅の裏庭などでキャンプしました(「友人の土地(PCS)でキャンプしてきた)」
近場なら自転車キャンプ、ハイクキャンプも無理なく楽しめそうです。
自動車は乗り合わせて使う
僕らのグルソロキャンではたいてい1人1台の車で現地に向かうのですが、これも1台に2人乗るとか、大きな車なら4人乗るとか、乗り合わせることで使う車の数を減らせますね。
焚き火の燃料は倒木や枯れ枝を
自然に生えている木は、成長している間は大気中の二酸化炭素を取り入れ、枯れて朽ちるまで内部に固定します。
まだ若い木、成長している木を伐倒して薪にすることは、そしてそれを燃やすことは、固定されている二酸化炭素を待機中に開放することになります。
倒木や枯れ枝、立ち枯れている木などから薪をつくって燃やすのが理想的ではありますね。僕たちが山林キャンプでやる焚き火で使う薪は、たいていこのようにしています。
灯りは最小限に
充電式LEDランタンにしろ、ホワイトガソリン/灯油を燃料にするランタンにしろ、灯りは最小限にするのはどうでしょう。
キャンプサイトを煌々と照らすのではなく、危なくない程度に、手元や足元が見える程度に灯りを点ける。焚き火があれば、他に灯りは不要かも知れません。
暗さも楽めたらいいですね。
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その他、思いついたらこの記事に追記していきたいと思っています。
先に環境について関心があると書きましたが、ニュース、新聞や雑誌を読む程度の浅いものなので、今後はちょっと真剣に勉強していきたいと思っているところです。
- SDGs ACTION! 「【読み解き IPCC報告書】執筆者の江守正多氏が解説する、これだけは押さえておきたいポイント4点」
- 東京大学 「地球環境危機を救う猶予は10年 12月3、4日 東京フォーラム2020オンラインで専門家が警鐘、「社会経済構造の変革」訴える」
- SUSTAINABLE BRANDS 「早まる温暖化:IPCC、20年以内に1.5 度上昇と予測 脱炭素化の加速が不可欠に」
- 経済産業省 資源エネルギー庁 「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について」
- HUFFPOST日本版 「グレタ・トゥーンベリさん、国連で怒りのスピーチ。「あなたたちの裏切りに気づき始めています」(スピーチ全文)」
- 国立開発研究法人 国立環境研究所 「世界の一酸化二窒素(N2O)収支 2020年版を公開」
- JPOWER 「もっと知ってほしい石炭火力発電 世界最高水準の発電効率」