雑巾のススメ
祖父母が暮らしていた、築50年以上を数える古い家に暮らしはじめて3年半。
DIYで改修したり、風呂や台所、食堂などプロの力を借りて全面的にリフォームした部分もあり、一見してかなり変わったように見えますが、実は多くが祖父母の住んでいた時のままです。
さて、どんな家で暮らしていても掃除は大切なものですが、古い家での暮らしにおいては特に重要だと感じています。
古くてくたびれたモノは、それだけで不潔に見えることがあるからです(実際、汚れていることも多いですが)。
古い家だからこそしっかりと掃除、整理整頓しておかないと、親族や友だちを招待したりできませんし、そもそも僕たちが気持ちよく暮らせません。
そんなこんなで、僕は毎朝、トム(妻)と娘を送り出したあと、仕事前の30分間に掃除(や洗濯などの家事)をしているわけですが、3年半ほぼ毎日掃除をしているなかで、気づいたことがあるんです。
雑巾は最高の掃除道具だと。
雑巾で掃除するメリット
僕は雑巾を使った掃除が好きです。
もちろん、我が家でも掃除には一般的な掃除機やクイックルワイパーのようなペーパーモップ、箒(ほうき)も使いますが、仕上がりの良さや扱いやすさ、汎用性といった点で、雑巾の右にでる掃除道具はないと感じています。
以下に、僕が感じている雑巾の凄さを幾つか列挙してみます。
とても綺麗になる
掃除機やペーパーモップは非常に手軽で、さっと掃除するのに最適ですが、床の表面に落ちているゴミや埃を吸い取るだけ。床を磨き上げることはできません。
そう。
これら掃除道具と雑巾との決定的な違いは、対象を磨き上げることができるか否かなのです。
磨き上げるわけですから、当然、めちゃくちゃ綺麗になります。
お寺の廊下があれほどピカピカなのは、掃除機やモップで掃除しているだけでなく雑巾掛けで、床を磨き上げているからではないかと考えています。
雑巾掛けは数年後、十数年後の自宅の美しさに繋がるわけです。
扱いやすい
水に濡らして絞る。あとは対象をゴシゴシするだけ。3才の子どもでもできます。
とはいえ、子どもは雑巾を絞るのが苦手。最初は絞り具合もなかなか分からないものです。
が、経験を重ねていけば、対象が何でどんな状態かによって、乾拭きから濡れ雑巾まで、水分含有量を考えて絞り具合を調整できるようになるでしょう。
それを考えて自分で調整できることも、雑巾の面白いところですね。
掃除する対象との距離が短くなる/目線が変化するため掃除漏れが減る
掃除機で床を掃除する時の目の高さは、ふつう、立っている時と同じです。
しかし雑巾で床を掃除しようとすると、たいてい四つん這いのような姿勢になるので、目線が掃除する対象=床に近づきます。つまり、床をかなり近距離で見ることになります。
すると、立っている時には気づかなかった汚れや、床や家具の傷みなどに気づいたりするんですよね。
また目線が変化するため、ふだんは目にしない部分も視界に入ってきます。
床を雑巾で拭いてる時はこういう視界になります(写真は台所の流しの下)
立っていると気づかず掃除しない部分でも、雑巾ならその汚れに気づき、綺麗にすることができるわけです。
どんな場所でも掃除できる
古い家の建具って、こういう意匠のものがなぜか多くないですか?
細かい凸凹がたくさんあるので埃が溜まりやすいんですよねー
埃が溜まって仕方ないのに、なぜ昔の人はわざわざこんな建具にしたのかよく分からないんですが、雑巾でしたらこういうところでも拭けちゃいます(ハンディクリーナーを使うことも多いですが)。
他にも階段や柱、ドア、ガラス戸、テーブルや椅子の脚……乾拭きも組み合わせれば、雑巾で拭けないものはないくらいでしょう。
椅子の脚を綺麗にするのは、僕の好きな作業の一つです
自分でつくれる
雑巾最大の特徴と言えば、自分でつくることができる、ということです。
箒もつくろうと思えばつくれますが、きちんと掃ける箒をつくるのは簡単ではありません。
でも雑巾なら、使い古したタオルをミシンで縫うだけで作れます。古タオルをそのまま使ってもいいかも知れません。
・・・
ふだんの掃除に毎回、雑巾掛けするのは確かに大変です。僕も当然、毎日はしてません。
我が家では、天気の良い週末の朝、時間に余裕がある時に、家族みんなで雑巾掛けをするようにしています。
みんなでやると雑巾掛けも楽しいんですよ。