T町ハウスの車庫拡張計画(2) – 基本設計とビルトインガレージについて

祖父母が暮らしていた家(T町ハウス)に住むようになってDIYや工事を重ねてきましたが、ただいま「車庫拡張計画」という規模的には過去最大(と言っても大したことはないんですが、あくまで我が家にとって……)となる工事の計画が進行中。

計画を簡単に表現すると、現在の車庫に1台ぶんの駐車スペースを追加して合計2台ぶんにするというもの。こう書くとごくシンプルなのですが、我が家の車庫は住宅の1階部分に設けられているビルトインタイプのガレージ。建物にがっつり組み込まれているので、住宅の一部(本件の場合は車庫に隣接する和室)を解体して車庫を拡張するという、やや手の込んだ工事になるわけです。

設計は台所・食堂のリフォームに引き続いて、キャンプ仲間であり古くからの友人でもある建築家夫妻にお願いしています。

今日はその進捗状況と、ビルトインガレージ(インナーガレージ)について思うことを書いていきたいと思います。

事の発端については、前回の記事をどうぞ。

T町ハウスの車庫拡張計画




基本設計ができた

要望を建築家の友人に伝え、それを反映した図面をつくってもらって確認し、要望に修正を加えて伝え、また図面を確認し……という工程を何度か経ること3か月、ついに基本設計が完成しました。

T町ハウスガレージ拡張工事基本設計

最初に考えていた「こうだったらいいな」「こんなのあったらいいかも」といった要素について、図面を見ながら使うシーンを具体的に想像し、本当に必要なのかじっくりと検討。今後何十年も暮らす新築の計画ではなく、おそらく長くても10年ほど、仮住まいと言えなくもない我が家に対して実施する工事だけに、やや厳しめに査定していきました。

結果、ガレージには照明無し、ガレージと居室を隔てる壁に設けるつもりだった採光・通風のための窓も無し、土間部分の拡張を考えていた玄関も基本的には変更なし(入口の位置のみ変更)など、ひたすら「絶対に必要なものだけ」に整理しました。吝嗇家(りんしょくか)の本領発揮です(笑)。

これからこの基本設計をもとに費用を見積もってもらい、その後、工事へと進んでいく予定です。できれば梅雨入りする前に完成させたいですね〜。

カタログよ、もうちょっと頑張れ

見積もりへと進むうえで、玄関のドアや壁紙など、具体的にどの製品を使うかこちらで指定するべき箇所があったのですが、これについて少し感じたことがあるのでコメントしておきたいと思います。

今回、僕たちは引き戸(引き違い扉)タイプの玄関で設計を進めてもらいました。現在もそうですし、自転車の出し入れなどを考えると左右どちらからでも出入りできる方が便利かなと思ったからです。


引き戸タイプの玄関、こんなヤツですね(画像出典:リフォームガイド

で、どのような引き戸にするかメーカーのカタログを見て決めるわけですが、そのカタログ、製品の写真があまりに小さい……。200cmのサイズの製品の写真が5cm(1/40の大きさ)しかなく、質感とか細かい部分が全然分からない。

CAMP HOUSE - TOSTEMのカタログ
WEBサイトを見てもこれ以上の情報は見つけられませんでした…

これ、数千円の商品じゃないですよ。何十万円、高いものだと100万円以上する製品なのに……これで「よし、これに決めた!」ってできますかね?(汗)

今は数千円のものでも、製品そのものの大きな写真はもちろん、機能説明や使用イメージなどたくさんの写真が併載されているのが一般的な時代。メーカーにはもう少し頑張ってほしいですね!

ビルトインガレージ

ところで、ビルトインガレージという言葉、これから連想される住宅ってこんなクールな感じじゃないですか?


画像出典: SUBLIME HOME

カッコいいですねぇ……。我が家の車庫はこれとは正に真逆、全く違う雰囲気のものですから、下の写真でイメージをすり合わせておいてください(笑)。


車庫内のマンホールを修理した話

さて、我が家の車庫は最初から(引っ越してきた時から)今の状態なので、自分たちが困っていること—今回の工事で解消したいと思っていること—はあれど、ビルトインガレージの一般的なメリットやデメリットについて考えたことなどありませんでした。

本計画を進めるにあたって幾つかの住宅情報サイトを閲覧したのですが、ビルトインガレージのメリット・デメリットが掲載されており、読んで考えることがあったので、僕の感想を述べてみたいと思います。

ビルトインガレージのメリット

愛車を雨や風、紫外線から守れる

最近現役引退した僕の古くてボロいジムニーも見た目だけは綺麗な状態で維持できたのはビルトインガレージの功績が大きかったと思います。ただ、我が家のメインカーであるVOLVO XC40だとガレージからはみ出してしまってシャッターが下ろせないので、完全に風雨や紫外線から守れているわけではなく。とはいえ、青空駐車場と比べれば圧倒的に保護された状態であることは間違いありません。

最初に書いておきますが、もし新たに家を建てるとしたらビルトインガレージ(または母家と接続された専用の建屋)にしたいと思うぐらい、有用な設備かなと思っています。

好きな時に好きなだけ、愛車のお手入れが楽しめる

我が家のガレージには現状それだけのスペースがないですし、改修後(拡張後)も洗車やメンテナンスをここでするかと言われたら、どうでしょうね。タイヤ交換、車内の掃除ぐらいなら問題なくできそうではありますが。

いろいろやりたいなら、作業や道具を保管するのに十分なスペース、照明その他設備(防水の壁や床、排水口など)、空調も必要になりますが、そうした要素は本計画から一切排除したので、我が家のガレージは「お手入れを楽しむ空間」として今は機能していないし今後もしないだろうと思います。

趣味のスペースとしても使える

趣味のスペースとして使う……こんな感じでしょうか。


画像出典:(上)アサヒグローバルホーム、(下)DETAIL HOME

いいですなぁ……が、前項でも伝えたとおり我が家のガレージは今も改修後もそれほど余裕がないので、趣味のスペースとしての活用は無理そうです。

ちなみに、どこかの記事で「DIYの作業場としても」といった記述を見かけましたが、丸ノコなどで木材を切ったりすると猛烈な粉塵が出るのでガレージ内はとんでもないことになる可能性があり、注意が必要です。


ジムニー(JA11)で車中泊、を実装してみた

雨に濡れずに乗り降りできる

個人的にはこれがビルトインガレージの最大のメリットかなと思っています。

しかし我が家の場合、玄関その他出入り口に繋がっていないため、恩恵を全く受けられていません。

今回の計画でこの点は概ね改善される予定ですが、XC40の運転手(僕)だけは、車から玄関に向かう時に一度屋根のないところを歩く必要があります。これは構造上の問題なので仕方ないんですが。

CAMP HOUSE - T町ハウスのガレージのうち屋根のある部分
図内の青い部分が屋根のある部分。青線は雨に濡れない動線、赤破線が雨に濡れてしまう動線

夏に車内が蒸し風呂にならない

真夏、炎天下に車を停めていると中が蒸し風呂状態になりますよね。乗り込んだ瞬間に汗が吹き出すので、エアコンをつけて車内の温度が下がるまでしばらく待機する必要があります。でも車外も暑いから結局汗だく(笑)。

一方、ビルトインガレージは日陰になっているので比較的涼しく、そこに停めている車の内部もそれほど暑くなることがありません。むしろ日なたとの温度差で涼しいと感じるくらい。前項の「雨の日に濡れずに乗り降りできる」に匹敵するメリットではないかと考えています。

固定資産税を安く抑えることができる

ということらしいのですが、逆に高くなる可能性があるという別の記事もあり。

安くなる場合。

ビルトインガレージの面積が住宅の延べ床面積の5分の1であれば、固定資産税の緩和措置が適用されます。たとえば、延べ床面積100㎡の家を建てて、20㎡以下のビルトインガレージを作ったとしても、延べ床面積に含まれないため、延べ床面積80㎡が固定資産税の対象となります。
出典 — ELK HOMES

高くなる場合。

ガレージ部分の面積が住宅面積の5分の1を超えると、固定資産税が高額になってしまいます。逆に5分の1未満であれば安くなりますので、家計と相談して広さを決める必要がありそうです。
出典 — アサヒグローバルホーム

我が家のビルトインガレージは何度も繰り返してますが超狭小ゆえ、前者に該当すると思われます。

続いてデメリットについて見ていきます。

ビルトインガレージのデメリット

ガレージ部分が狭くて選べる車種が狭まった

これは正に我が家のこと! 現在のガレージのサイズに何とか停められる車ということでかなり限定された選択肢の中から悩みに悩んで購入したのがVOLVO XC40だったわけですが、もしもう少し広い車庫だったら、違う車にしていたでしょう。

が、結果としてXC40には非常に満足しているので、制約が全て悪いわけではないとも感じています。

エンジン音やシャッター音がうるさかった

我が家の場合、ふだん家族が過ごしている場所=食堂がガレージが離れていること、早朝/深夜に車の出入りがないことなどもあり、ガレージから出る音に困ったりしたことがありません。

新築やリフォームなどの場合、生活の中心となる部屋、寝室はできるだけ離しておくのが無難だろうとは思います。

排気ガスがガレージ内に充満した

この点についても気になったことはないです。理由としてはおそらく、シャッターを使わない(使えない)ため前面が常時完全開放されている、庭に通じる通路があり通風性が良い、長時間エンジンをかけたままにしない、といった感じですかね。

シャッターを下げたまま内燃機関車のエンジンをかければ、排気ガスはガレージに充満しますよね……。

間取りが制限されため生活しにくかった

我が家においては、ビルトインガレージがあることで生活に支障が生じたことは何もないので、この点についても特に言及することはありません。でもこれは、設計段階での検討が不足していたということになるんじゃないでしょうか。

費用が想像以上にかかった

我が家の場合、最初からビルトインガレージだったので費用については分かりませんが、今進めている拡張工事については正にこれから見積もりが出てくるところなので、分かりましたらまたブログで共有したいと思っています(当初の概算から大きく上がりませんように……祈)。

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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