フィカス・ウンベラータの取り木 [準備編]
友だちが自宅を新築し、11月くらいに竣工するとの話を聞いてはや半年以上。何か良い贈り物はないかなと思案してきましたが、僕が大切にしているウンベラータから取り木して、鉢に植えて贈ることにしました。
フィカス・ウンベラータは寒くなると葉を落とし、暖かくなると再び芽を出して枝や葉を広げてきます(暖かい室内に置いておくと大丈夫なようですが)。
この「冬眠期間」がけっこう長く、5月の連休が終わる時期になってもうんともすんとも言わないので、「枯らしてしまった…」と勘違いするケースが多い木です。ウンベラータを贈る友人は勘違いではなく「確実に枯れた」とのことで、購入した翌春に廃棄してしまったそう。大きさにもよりますが比較的高価な観葉植物ですので、友人のショックはいかばかりか……ということで、我が家のウンベラータを取り木して贈ることにしたわけです。
aw家のウンベラータ
これが現在のうちのウンベラータ。高さは2メートルを超えています。
ちょっと大きくなり過ぎたので、ちょうど中間点くらい、うちにやってきた時の高さに切り戻してやり、そこから上を友人にプレゼントしようというわけです。
ウンベラータの取り木
取り木とは、植物を増殖させる方法の一つ。僕にとっても初めての取り木となりました。作業は観葉植物販売の専門店「暮葉暮葉」さんを参考にさせていただきました。
準備するもの
まず、以下を準備します。
水苔、透明なビニール袋(小)、被覆されている柔らかい針金(ふつうの紐でもOK)、剪定バサミ(今回はマルチツールを使用)。
水苔は「高級」じゃなくてもOKです(笑)。
皮を剥ぐ
この分岐から少し上の部分から切り分けたいので、その部分の幹の皮を剥ぎます。
剥ぐ部分に、刃が深く入り過ぎないよう、かと言って浅くなり過ぎないよう(この木の場合は2mmくらいでした)、表皮の部分にナイフでぐるりと切り込みを入れます。上下2か所に切り込みが入ったら、縦に一本切れこみを入れ、包帯を剥がすように剥いでいきます。
こんな感じです。剥いだ部分は高さ3cmほどでしょうか。
このように、白っぽい部分が出るように皮を剥いてやりましょう(剥きが浅いと緑色の部分が現れるようです)。
ビニール袋を幹に通す
皮を剥いだ部分に水ごけを巻いていく前に、あとで作業しやすくするため、ビニールを幹に通しておきます。
ビニール袋はキッチンの生ゴミを処分するような、チープなもので良いと思います。底の部分を切り取ってトンネル状にし、葉を傷めないようにして上から通していきます。
枝や葉を大きく広げているウンベラータの場合、この方法は難しいかも知れません。その場合はビニール袋を切って広げ、巻きつけるようにして使用すると良いと思います。
ビニール袋が通ったら、下の部分だけを針金で固定します。
水苔を巻く
剥いだ部分が覆われるように、両手で水苔を幹に押し付けて貼り付けていきます。ポイントは水苔をケチらないこと。たっぷり使って全体にしっかり巻いていきます。水苔が少ないとすぐに乾いて、根が出るのが遅くなるようです。
それから、水苔は若干湿らせておいたほうが、この作業はしやすいような気がします。
水苔を巻いたらビニール袋を被せ、崩れてしまわないようにします。
この状態で、水苔に水をたっぷりと注いでやります。
ビニール袋の下側に水が溜まってしまったら、小さな抜き穴を開けてやると良いです。
水苔の水分補給が終わったら、ビニール袋の上部も針金で留めてやりましょう。
水苔への水分補給は、ウンベラータへの水やり時に毎回、ということなので、ビニール袋の上部は結構な頻度で開閉することになりそうです。ふつうの紐ではなく、針金を使ったのはこの開閉が楽そうだから。
準備は以上。
こんな感じになりました。
まるでスズメバチの巣があるみたいですね。
あとは毎日水やりをしながら、皮を剥いだところから根が出てくることを祈りながら、約1か月ほど待ちます。
続きはまた後日!
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先日、同僚が退社し、独立就農すると言って鳥取を旅立っていきました。彼に記念の品として贈ったのがこちら。マルチツールもいいですが、やっぱりちゃんとした剪定バサミが欲しいですねぇ。