BESSの岡山展示場に行ってみた
取り寄せたBESSのカタログでは欲しい情報がほとんど得られなかったことに不満を募らせた僕たち。結局、展示場に行ってみることに。なんとなくBESSの策にハマってる感じがしますが…。
たぶん気温が35度以上はあった土曜日、Googleマップが提案してくれた「有料道路を使わない最短ルート」を使い、冷や汗をかきながらも(後述)3時間弱で目的地、BESS岡山展示場に到着!
BESS岡山展示場
全国におよそ43もあるBESSの展示場。鳥取から一番近い(早い)のは神戸の展示場ですが、僕がどうしても見てみたかったBESS DOME(ドーム)がない。岡山にはそれがあり、展示住宅数最多の長野の7種に次いで、6種の住宅が一度に見られるということで、岡山展示場に足を運んだわけです。
右手前が受付と展示を兼ねたログハウス(カントリーログハウス)です。U字型に6つの住宅が建ち、それらをウッドデッキが繋いでいます。
展示されている6つの住宅は、「カントリーログハウス」「ファインカットログハウス」「あきつログハウス」「ワンダーデバイス」「BESS DOME」「ハンドヒューンログハウス」(個々の詳しい情報はBESSのWEBサイトからどうぞ)。
僕たちが特にチェックしたかったのは、このうち「ワンダーデバイス」と「BESS DOME」でした。
ワンダーデバイス
ログハウスの良さを都市型住宅に思い切り持ち込んで大ヒットし、昨年の売り上げの6割を占めたというワンダーデバイス(BESS営業者談)。雑誌などの広告で見かけるモデルも、このタイプですね。
写真右側の濃いえんじ色の剛板で覆われている側が表側で、その奥に小さく見えるのが玄関。このように表側を閉じてしまうファントムタイプと、オープンにするフランクタイプの2通りがあります。
玄関を入ると、土間がどーんと広がっています(写真左側が玄関に通じてます)。床が灰色のコンクリートになっている部分が、土間ですね。棚などが設置されている奥の壁が、フランクタイプだと全開口の窓になります。
日本住宅の伝統的な機能である土間が現代的にアレンジされ、写真のようにリビングとして、あるいは趣味の空間として、汚れた道具や自転車などを置いたりなど一般的な土間としてなどなど、いろいろな使い方ができる空間として提案されています。
展示場のワンダーデバイスは、表側を閉じたファントムタイプ。そこから一歩、中に入るとこのような空間が広がっているので、「わーい!」となってしまいますね。僕のような40を過ぎたオジサンでも(笑)。
土間から見たキッチン、ダイニングはこんな感じ。
1階はこのLDKに、トイレと風呂、洗面所などの水まわりで構成されています。
2階に上がってみます。当然階段で上がれますが、上の写真でトム(妻)が持っている赤いポールを登って行くこともできます(笑)。
2階は主寝室(下の写真)に加え、小さな寝室がもう一つ(上の写真右側)。いずれの寝室にも大きな収納があります。それから、左手奥に見える吹き抜けと繋がった空間があります。ここでは書斎、勉強するスペースとしての使用が提案されていました。
さて価格ですが、このファントムタイプ(II)で延べ床面積32.2坪で1,650万円ほど。坪単価50万円くらいですね。
先に紹介したファントムとフランクの2パターンに加えて、土地の広さや予算に合わせて住宅の大きさを3つのタイプから選べるほか、一回りコンパクトにしたマッハタイプというのもあります。
詳しくはメーカーのWEBサイトで、と言いたいところですが、詳細情報WEBサイトにも、資料請求して取り寄せたものにも載っていません。電話で強くお願いすればもらえるかもですが、今のところ展示場に直接行って貰うしかないようです。
BESS DOME
お次は、僕が一番見たかったBESS DOME(ドーム)。アメリカの建築家バックミンスター・フラーが考案した、三角形を繋いで構成されるジオデシック・ドームの家です。
見た目インパクトあり過ぎですが、内部のインパクトはもっと凄い!(あらかじめ書いておきますが、僕たちの感動は写真では1/10も伝わらないでしょう…涙)。
玄関を入るとダイニングとリビング、大きな吹き抜けがどーんと目に飛び込んできます。ジオデシック・ドームの構造が見えて面白い!
角のない球体に近い空間の住宅というのは、多くの人があまり経験がないんじゃないでしょうか? 住宅としての在り方はかなりトンガってるんですが、実際は限りなく丸いという矛盾。
キッチンから見たダイニングとリビング。トムが自宅のように寛いでいます(笑)。
下の写真のように、大きな吹き抜けで2階と繋がっているので、キッチンにいても2階にいる人と十分会話できそうです。
そして、こういう壁を見ると、クライミング用のホールドを付けたい、と思うのは僕だけではないでしょう。
僕とトムがかなり気に入ったのが寝室。半円形に近い形状は独特ですが、不思議と落ち着く感じ。壁が少し深いターコイズブルーに塗られているのも素敵ポイントでした。
BESS DOMEには、この寝室に限らずお風呂やトイレ、2階の寝室などにも、一般的な住宅には必ずある四角い空間が一切ありません。ですが、鋭角に切り取られている箇所はほとんどなくゆるやかなカーブを描いているので、家具をレイアウトする時に苦労しそうな感じはありません。全体的に柔らかい雰囲気に包まれている、不思議な空間です。
さてさて価格ですが、こちらはドーム直径がおよそ8.2メートル、高さ7.1メートルのφ8.2mという一番小さなタイプで約3,000万円とワンダーデバイスと比べて高額。
しかも構造が特殊であるためにエアコンなどの設置もやや複雑になり、修理する際に多額の費用がかかる可能性があることや、建築確認申請に時間がかかる可能性があることなど、いろいろな負のリスクがあるとのこと。
お金と時間に余裕のある人だけが選べる、ということですね。
いや〜、でもこのDOME、本当に素敵な空間だったな〜。
提案したいことが伝わってくる提案
僕の持論は「空間体験の質は半分は、家具とインテリアで決まる」というもの。人は直接触れるもの、近くで見るものに影響を受けやすい、と思うからです。それに、どれだけ素晴らしい構造体でも、パイプ椅子に座って3時間も4時間もゆったり寛ぐことはできません。
BESSの住宅展示場で使用されている家具やインテリアは、一般的な住宅展示場にあるような無難なものではなく、ターゲットされた顧客層からしっかり吟味され選定されたものであることが分かります。
それらが住宅と凄いシナジーを生み出しています。空っぽの住宅を見せられるより何十倍何百倍もの魅力を、僕たちは感じたはずです。
木の魅力を再認識
一通り回って受付に戻ると、ログハウスの良いところ(木材が水分を吸収するので湿気がこもらない、冬でも暖かいなど)、悪いところ(維持に手間がかかるなど)をスタッフの方が色々と話を聞かせてくれました。
僕たちが何より魅力に感じたのは、単に古びてしまう家ではないこと。受付のあるカントリーログハウスは築19年。当然のことながら新しさは感じないものの、年月の積み重ねを感じさせるものであり、傷みや老朽ではありませんでした。
「冬は薪ストーブを焚いてますので、また遊びに来てください」とのことなので、また遊びに行ってみたいと思います。
(受付横にあった広いデッキテラス。大きなタープが張られていましたが、あまりの猛暑にとてもここにいたいと思えず。気候の良い時であれば、ここでビール飲んだら最高に幸せ感じるでしょうね)
家を建てるつもりのない人もある人も、キャンプ好き、アウトドア好きの人なら、楽しく時間を過ごせる場所じゃないかな〜と思います。オススメ!
余談1:土地について
スタッフの方といろいろ話をしている時に「新たに土地を取得することは、空き家の問題や固定資産税の観点から、避けようと思っている」と話したところ、「それは絶対的に正解ですね」と断言されていました。
新築の住宅を販売されている会社の方としては、少し珍しい発言かも知れませんが、これが勢いのある会社のなせる技(態度)なのかと妙に納得してしまいました。
余談2:Googleマップで冷や汗
Googleマップをナビ代わりに使っている人も多いと思いますが、鳥取市からBESS岡山展示場のある岡山市北区までのルートを検索したところ、高速道路を使用せずとも2時間50分で行けるよ!とGoogleマップがかなり直線的なルートを提案するもので試してみたところ。
幹線道路は渋滞すると読んだのか、小さな集落の中や農道など、対向車が来たらすれ違うのも厳しい細い道をバンバン走らされ…。結果的に確かに早く到着したのですが、あまりにアグレッシブなルート設定にオジサンは冷や汗タラタラでした。
冬に行く際には、もう少し優しめなルートでお願いします<(_ _)>
* BESS岡山展示場は、2016年12月25日で運営終了となりました。