綿花を栽培してみた
この春、小学校に進学した娘が課題の一環で植物を育てることになり、彼女が選んだのは「綿花」。
僕もトム(妻)も、綿花を育てたこともなければ、綿を収穫した経験もなかったので、娘以上にワクワクしながら綿花の栽培を楽しみました。
栽培したと書きはしましたが、実際に面倒を見てくれたのは祖父(僕にとっては実父)。
理由としては、我が家の庭の日当たりが悪いというのが一番大きいのですが、孫から育てて欲しいと託された植物だったら心血注いで栽培してくれるだろうというゲスい考えが僕の中にあったのも確か(笑)。
播種や途中経過の観察、収穫など、栽培におけるイベントには僕たちも顔を出して手を動かしたものの、日々の世話をしてくれた祖父に感謝。
綿花の播種から収穫まで
5月中旬、50×30センチくらいのサイズのプランターに13粒のタネを播種しました。
播種の様子
およそ10日後に発芽。
撮影: 祖父
発芽率70%くらいと聞いていたので、8〜9ほど発芽してくれたらいいなと思っていたら、なんと13のタネが全て芽を出してくれました。
ある程度の大きさに育つのを待ち、同じサイズのプランターに半分を移植しました(祖父が)。
水やりはもちろん、芯留や施肥、日差しが強い日が続いたので寒冷紗を掛けるなど、(祖父が)丁寧に栽培したおかげでグングン育ってくれました。
7月中旬に花が咲き、
8月に入ると蒴(さく)が付きます。
この中に綿と、それに包まれたタネが入っているはずですが、乾燥して開くまでしばらく待つ必要があります。
たくさんの蒴が付いています
ちょうどお盆の頃、蒴が乾燥して開き、中から綿が顔を出しました※1。
タネが綿に包まれることで、綿花にとってどういうメリットがあるんでしょうねぇ
綿花という植物が存在することは栽培する前から知っていましたが、こうして実際に、植物が綿を生み出しているのを見ると、感動と言ってもいいくらい、とても不思議な感覚を覚えます。
かわいいです
それは僕の人生の中で、綿が、怪我した時にアカチン塗るために使う脱脂綿とか、最近見なくなった綿布団のような製品化された状態でしか登場してこなかったから、それらの原料としての綿、植物としての綿を認識、体験してこなかったがゆえなのですが、大人になってからもこうした感覚を体験できるのも幸せなことだと思うし、これを娘のように幼い時期に体験するのもいいなあ(おそらく彼女は将来、綿花が綿を付けているのを見ても、僕と同じ感覚を抱くことはないでしょう、それはそれで勿体ない気もする)とか、いろいろなことを思いました。
さて、綿花が付けた綿をほぼ全て収穫。蒴を取り外して乾燥させたのが次の写真です。
思ったよりもたくさん採れました。
これを紡いで系にするといったアイデアもありましたが、必要な道具が幾つもあり、値段も結構するので※2、綿を綿のまま利用する方法を検討中。
娘の中にはすでにあるアイデアがあるようですが、それが形になるのはもう少し先になります。続きはまたその時に。
- 蒴から取り出し、タネを取り除いたものをはじめて綿と言い、それ以前の状態のものを棉(めん)というようです。
- SAPO-TRICOT 「コットンの糸を一から作る!【綿花の紡ぎ方】」