恩原湖畔に雪中キャンプに行ってきた

キャンプ仲間と本当に楽しみにしていた、恩原湖畔での雪中キャンプ、行ってきました!

参加者は8名、ほぼ全員がアラフォーの中年男性たち。この日のために連日、LINEグループでワイワイガヤガヤと語り合い、あれが必要だ? これを買うべきか? などと質問と意見を交換し、合計4回の下見を行い、遂に、ようやく、この日を迎えたわけです(ちょっと大げさですね)。

結果を最初にお伝えすると、僕史上最高のキャンプとなりました。

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恩原高原

今回、雪中キャンプの場となったのは、岡山県鏡野町は恩原湖の湖畔。近くには恩原高原スキー場や、この時期は閉鎖されていますが恩原高原オートキャンプ場などもあります。

冬季は積雪が1メートルをゆうに超える豪雪地帯ですが、ここまでの道路はかなり丁寧に除雪されていて、アクセスも容易です。

さすがにこの時期にキャンプしている人は僕たちだけでしたが、壮大な雪景色を写真に収めようとやってきている写真愛好家は一人や二人ではありませんでした。それほど、景色の綺麗な場所です。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-美しい景色
快晴となった、2日目の恩原湖畔の景色

今回は、その雪中キャンプ(僕らの中では、Bonfire “COLD” Camp 2017 #01という名称)の様子を、写真を添えつつ簡単にシェアします。

Bonfire “COLD” Camp 2017 #01

恩原湖畔に全員集合したのは午後3時前。細かい雪が少し強めの風で吹き付けられる中、テントの設営を開始。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-テント設営中

Bonfire Campは、参加者それぞれが自分のテントを設営してそこで各自が眠る、食事も自分で準備というスタイル。ゆえに、参加者の数だけテントが立つことになりますが、冬場は寒いので宴会場を兼ねる大きなテントも設営し、食事もみんなで同じものをいただきます。手前から4つ目の大きな三角テント(Nordisk Alfheim)がそれです。

ちなみに、写真左側に人が集まって何かを見ていますが、、、

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-仮設トイレ

MYOG CamperのKさんが設営してくれた、仮設トイレ!

ちなみに、MYOG Camper Kさんはテントではなく、雪洞で寝てました(写真は翌朝のもの)。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-鎌谷さんの寝床

奥行きは2メートルほどあり、ちゃんと横になって休むことができます。風や雪が吹き込まないようにタープを入り口にかけてましたが、これがなければ野生動物の巣穴ですね(笑)。

宴会テントの中は、まだ準備中ですがこんな感じ。宴会のメイン料理は、味噌バターちゃんこ鍋です。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-宴前

みんなの設営が終わった頃、雪が舞うなか太陽が顔を出し、幻想的な雰囲気に。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-幻想的なキャンプサイト

美しくも人里離れた山奥に来ている、しかもこんな真冬に、という少し特殊な状況が高揚感、興奮を与えるのか、常にみんなのテンションは高め。あまりの楽しさに半袖Tシャツで意味なく外に飛び出して「さびー!」と連呼する仲間もいるほど(笑)。

そりゃ寒いヨ、まだ2月、雪深い山奥に来てるんだから……、いや、その気持ちも行動も、ものすごくよく分かりますけどね。

ビールで乾杯し、ちゃんこ鍋を食べてお腹も膨れ、興奮も少し落ち着いてきた頃、風も雪も止んで、雲間から見事な星空が。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-全容2

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-全容1
奥に見えるのが、恩原高原スキー場(撮影:2枚とも亀井和也氏)

写真には雲が写っていますが、このあと雲ひとつない、完璧な星空になっていました。いやー、本当に美しかった!

余韻を残しつつ、午後11時にはみんな名残惜しそうに、それぞれ自分のテントに戻って就寝しました。

一夜明けて、朝。

夜のうちに、20センチほどの雪が降り積もっていました。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-新雪に包まれたテントたち

恩原高原は標高700メートルほどあり、気温も氷点下だったため、ふわふわの非常に細かい、カキ氷のような雪です。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-SORELに付着したパウダースノー

着雪っぷりもすごい。

道路も完全に凍結していて、僕たちが乗ってきた車にもしっかり雪が積もっていました。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-2日目の車たち
早朝から除雪車が通って、雪をかいてくれてました

朝ごはんは各自、食べたいものを。

持参したおにぎりに味噌汁の人、炊きたてのごはんに納豆、ハムエッグに味噌汁という本格派の人、焚き火で温めたおでんの人、コーヒーだけの人……朝ごはんはいろいろです。

僕はいつものように、ホットサンド(超定番のチョコレートとバナナ)にコーヒー。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-朝食は定番のホットチョコレートホットサンド
食べかけの写真でゴメンナサイ……

食事のあとは、正午頃の解散に向けてゆっくりと撤収を開始。そのうち雲がとれてきて、すごい青空が広がりました。

(快晴の下、時間に追われることなく、のんびり丁寧に道具が撤収できるのって、料理が美味しい、夜ぐっすり眠れたといった要素と同じくらいキャンプにとって重要な気がします。満足度のうち30%くらいは撤収時の天気が関係していると個人的には考えているんですが、どうでしょうかね? 余談でした)

夕方までゆっくりする仲間のテント一つをおいて撤収が完了し、最後にみんなでコーヒーを飲みながらのんびり談笑。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-最後のコーヒー

ロケーションよし、天気よし、料理も酒も美味し、仲間も最高。雪中キャンプに付きものの「やばい、ポールが埋まってきた!」みたいな小さなトラブルはたくさんありましたが、それもまたキャンプを思い出深くするためのスパイス。

ここには書き切れませんが、本当に楽しいキャンプになりました。

準備した内容と結果を点検してみる

さて、これまでの記事で何度か、雪中キャンプの準備について書きました。

そのうち特に力を入れていた「就寝環境」を中心に振り返り、今後の雪中キャンプに活かせるよう、点検してみたいと思います。

就寝環境

就寝時(午後11時頃)のテント内の温度は、約1℃でした。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-テントの中は1度

当日の恩原高原の気象データは気象庁のWEBサイトで見ることができず、一番近い上長田という地点のデータを参考にして算出すると、最低気温はおよそマイナス2.5℃(*)。

今回の雪中キャンプでの就寝環境をイラスト化すると、以下のような感じになります。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-就寝環境

実は、出かける直前に「やっぱりもう少し防寒対策を強化しておこう」と思い立ち、アイテムを増やしました(詳細リストは、文末に掲載しています)。

一番下にあるイエローの線はテントのグランド(本当はテントと一体ですが、分かりやすいように底部だけハイライトしています)。その上の薄いグレーの線は銀マット、ブルーの線はラグです。出かける直前に増やした、というアイテムはこの銀マットとラグです。氷化した0℃の雪と自分が横たわるコットの間に、ペラペラのナイロン生地であるテントのグランド(イエローの線)しかないというのはいかにも心細いな、と思ったからです。

そして、ラグの上にコットスリーピングマット(グリーンの線)、シュラフの上にあるブラックの線がシュラフカバーとして使用したタフタ製のグランドシートです。

ちなみにシュラフの中には湯たんぽ、ブランケットを入れています。自分自身は、肌着の他にインナーダウンとダウンパンツ、ウール製の靴下、バラクラバを着用して寝ました。

テント内は体感温度を下げる風も無く、外部よりも3℃ほど気温が高いですが、とはいえ1℃という寒さ。ダウンを着ている部分は暖かいのですが、足先や、折り曲げた膝がシュラフのロフト(嵩高)を下げてしまうためかその部分が寒くなったりして、夜中に一度、目が覚めました。

採点基準は自分でも曖昧ですが、自宅の布団で眠る暖かさを100点だとすれば、70点といったところでしょうか。ギリギリ合格です。

さて、ではこの30点をどう埋めていくか。

改善できるのではないかと思える点が、2つあります。

一つ目はシュラフカバーとして使ったタフタ製のグランドシート。

夜、目が覚めた時に触ってみると結露でビチョビチョになっていて、当然、シュラフも濡れていました。濡れはそれほどひどくなかったので事なきを得ましたが、もっと湿っていたらダウンの保温力が落ちていたでしょう。

やはり、シュラフカバーは高い防水透湿性生地を使ったものでないとダメですね。eVent(イーヴェント)のような高性能素材でシュラフカバーを作れば、より暖かい就寝環境をつくることができるかも知れません。

二つ目は眠るポジションです。

次のイラストをご覧ください。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-就寝環境2

テントを設営する際、出入り口を風下にしたまでは良かったのですが、コットを上から見て右側にレイアウトしたのがミスだったのではないかと。

なぜそうしたかと言うと、出入り口を入ってすぐにコットがあると出入りの邪魔になること、荷物を置くためのスペースをつくるにはコットを右か左のどちらかに寄せたほうがそうしやすいこと、といった理由があります。

そのコットを置いたテントの右側ですが、イラストのとおり、下側も含めて雪がたまりやすくなるポイントだったのです。

下の写真は、僕が寝たテント(The North Face Mountain35)の朝の様子です。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-雪に埋もれたThe North Face Mountain35

撮る方向が悪く、この写真では分かりづらいですが、テントの出入り口は左側にあります。つまり手前は積雪が少ない側で、テントの向こうが多い側です。感覚値では、向こうの雪は手前の倍は積もっていました。

要するに、雪の壁ができやすい側で眠っていた、ということです。

ほぼ0℃の雪の塊が寝ているすぐそばにあれば、体感温度はかなり下がるような気がします(氷点下の外気が直接当たらないだけマシという考え方もありますが)。

また、積雪はテントの外側にあるシート(フライシート)を圧迫するので、テント本体とフライシートの隙間(空気の層)が少なくなります。場所によっては隙間がなくなっていたと思われ、そうなると当然、3.5℃の温度差を生んでくれている防寒の機能が低下します。

最悪の場合は雪がテント本体を圧迫して、内部空間を狭くし、シュラフがテント壁面に接してしまう、といった状況になりえます。

これらの影響をできる限り就寝環境から排除するためには、テントの真ん中で眠る、ということになると思います。誰でも思いつくようなシンプルな解決方法ですが(笑)、寝る場所を選ばないドームタイプのテントならではの解決策かと。

少し話が変わりますが、今回の雪中キャンプで設営されたテント6つのうち、4つがモノポール(ワンポール)テントで、そのうち2つが四角錐、残り2つが円錐(*)でした。

次の写真は一夜明けた朝の様子ですが、ご覧のとおり、2つの円錐形テント(写真中央の茶色の2つ。Nordisk AlfheimとTentipi Onyx5cp)は積雪をものともしていませんが、

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-翌朝は快晴!

2つの四角錐(いずれもLocus Gear Khafra Sil)は大きな影響を受けていました。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-雪に埋もれたローカスギアカフラシル

一辺が280cm、高さ170cmあるテントには見えません……。しかもこの中で人が眠っているようにも見えません……。

倒壊こそしていませんでしたが、テント壁面をすべり落ちた雪が周囲に溜まり、それが横からテントを圧迫して、内部空間をかなり狭めていました。

ナイロン製のシングルウォールですから結露もかなりしていたようで、シュラフやその他荷物が濡れてしまったとのことでした。

面がたくさんある円錐と、面が4つしかない角錐では、積雪の影響の仕方が大きく異なるようですね。

実際にやってみて、経験してみないと、分からないことっていろいろありますね。

Helinox Chair One雪埋もれ防止

最後は、雪中キャンプでHelinox Chair Oneを使う場合の、雪に埋もれさせないためのツールですが、同じくHelinox Chair Oneを使う友人が「こんなの作ろうと思います」とLINEで共有してくれたので、「あ!僕もそれ使いたい!」と挙手したのが、こちら。

CAMP HOUSE/恩原高原での雪中キャンプ-Helinox Chair Oneの雪埋没対策

木材に穴を掘り、Chair Oneの脚部をはめ込むだけの簡単オプションですが、バッチリ沈み込みを防止することができました。オイルを塗布すれば雪や雨の環境下での使用が続いても問題ないですし、石ころの多いガレ場や砂地でも使えそうです。

以前、このブログにも登場したevrgrn Campfire Rockerに似ていますね。

ちなみに僕も、雪埋もれ防止アイテムを考えていたのですが、参加者の一人にそれを貸したところ、30分もしないうちに破損してしまい、耐久性に難があることが判明しました(あと、見た目も大変ヒドイものでした)。

そちらについては、もう少し検討と改良を加えてからご紹介したいと思います。

* 上長田の最低気温がマイナス1.1℃、標高は約430メートル。恩原高原は標高700メートルなので、高低差がおよそ270メートル。100メートルごとに0.6℃下がるとされているので、270÷100×0.6=1.62℃。マイナス1.1℃からさらに1.62℃下がってマイナス2.7℃前後が恩原高原の最低気温を想定。本文中ではマイナス2.5℃としています。
* 正確にはNordisk Alfheimは10角錐、Tentipi Onyx5cpは8角錐です。

最終のアイテムリスト

テント(TNF Mountain35) ペグ一式 ガイライン 割り箸(ペグとして使用)
除雪用スコップ Helinox Chair One 埋もれ止めシート フジカハイペット
ターボライター ランタン(プレヒート用アルコール) ランタンポール Camp Mania ウッドテーブル
Helinox Table One シュラフ #0 エーデルワイス グランドシート
Helinox Cot One ラグ 防温シート(銀マット) ブランケット
湯たんぽ(MUJI)カバー シェルジャケット(MH) インナーダウンジャケット インナーダウンパンツ
ピースフィット ネルシャツ 暖パン(予備) ももひき
ネックウォーマー(Patagonia) バラクラバ Tシャツ(着替え) 靴下(着替え)
グローブ ハンドタオル(MUJI) SORELカリブー カセットコンロ
カセットコンロ用ガス缶 ガスストーブ ガス缶 ケトル
コッヘル シエラカップ カップ まな板
ナイフ カトラリー 割り箸 卓上LEDライト
ヘッドライト 耳栓 水(ペットボトル)2L 歯ブラシ+歯磨き粉
簡易トイレ(万能トイレくん) トイレットペーパー 使い捨てカイロ スマホ充電ケーブル
モバイルバッテリー ジプロック ゴミ袋 新聞紙
マスク サングラス(黄色いやつ) 保冷バッグ デジタル一眼レフカメラ
救急セット コーヒー豆(ジプロック)3杯分くらい コーヒーミル ペーパーフィルター(3枚以上)
バネット チョコレート 食パン バナナ
マルチツール
テント(TNF Mountain35) ペグ一式
ガイライン 割り箸(ペグとして使用)
除雪用スコップ Helinox Chair One
埋もれ止めシート フジカハイペット
ターボライター ランタン(プレヒート用アルコール)
ランタンポール Camp Mania ウッドテーブル
Helinox Table One シュラフ #0
エーデルワイス グランドシート
Helinox Cot One ラグ
防温シート(銀マット) ブランケット
湯たんぽ(MUJI)カバー シェルジャケット(MH)
インナーダウンジャケット インナーダウンパンツ
ピースフィット ネルシャツ
暖パン(予備) ももひき
ネックウォーマー(Patagonia) バラクラバ
Tシャツ(着替え) 靴下(着替え)
グローブ ハンドタオル(MUJI)
SORELカリブー カセットコンロ
カセットコンロ用ガス缶 ガスストーブ
ガス缶 ケトル
コッヘル シエラカップ
カップ まな板
ナイフ カトラリー
割り箸 卓上LEDライト
ヘッドライト 耳栓
水(ペットボトル)2L 歯ブラシ+歯磨き粉
簡易トイレ(万能トイレくん) トイレットペーパー
使い捨てカイロ スマホ充電ケーブル
モバイルバッテリー ジプロック
ゴミ袋 新聞紙
マスク サングラス(黄色いやつ)
保冷バッグ デジタル一眼レフカメラ
救急セット コーヒー豆(ジプロック)3杯分くらい
コーヒーミル ペーパーフィルター(3枚以上)
バネット チョコレート
食パン バナナ
マルチツール

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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