テストキャンプに行ってきた
三連休となったこの週末、トム(妻)と、1歳8か月になったばかりの子どもの3人で、テストキャンプに行ってきました。
テストキャンプとは何ぞや?
まあ、言ってしまえばふつうのキャンプと同じなのですが、子どもが小さいこともあり、彼女のふだんの生活リズムを大きく崩すことのないように注意を払いつつ、野外で一晩過ごしてみようというものです。
それゆえ、食事の時間や内容、入浴(子どものみ)、就寝時間は、基本的に日常生活と同じです。
キャンプの前日、「慣らし」のために寝室にテントを張って寝てみることに。
どん。
畳敷きの和室にTHE NORTH FACEのMountain35、違和感しかありませんが、子どもは大はしゃぎ。そしていつもの時間に就寝し、翌朝までぐっすり。なんとかいけそう!
グリーンフィールドでテストキャンプ
いよいよ、テストキャンプ当日です。
テストキャンプの場として選んだのは、自宅から車で15分ほどの近場にあるグリーンフィールド。鳥取市が誇る日本最大の「池」、湖山池のほとりにある芝生が美しい多目的広場です。
あまりに多目的過ぎて(=何をしてもいい)ふだんほとんど人がいないという、とてももったいない場所なのですが、果たして、テストキャンプ当日もほぼ貸切状態でした。
そんなわけで、好きなところにトムと子どもの寝るテントと僕の寝るタープを設営。
それにしても、子どもはすぐになんでも遊び道具にしてしまいますね。テントが設営されるやいなや、上部のベンチレーションから何度も顔を出して遊んでいました。
食事用のテーブルと椅子をテントから少し離れたところに設置(*)して、キャンプサイト完成。
サイトが完成し、コンビニで食料品を調達したら、テストキャンプの宴を開始。
グリーンフィールドが湖畔にあるからか、つねに気持ちのいいそよ風が吹いていて、さらにテントスペースが日陰になっていたこともあり、コンディションは良好。
そんななか、僕はビールをガン飲みしていましたが、何かあった時のためにトムはノンアルビールで我慢(感謝)。子どもも、自宅ではほとんど手がかからなくなっていますが、テーブルと椅子の高さなど、いつもと勝手が違うためか自分で食べるのが難しいようで、結局トムがほとんど手助けすることに(感謝)。
そんなわけで、景色を眺めながらのんびり食事というわけにはなかなかいきませんでしたが、それでも、夕日が沈んで空や周囲の様子が刻一刻と変わるこの美しい時間を、家族みんなで、その自然の中で過ごすことができる幸せは、簡単に言葉にできないものがあります。
晩ごはんを食べてから眠るまでずっと外で過ごすという、いつもとは全く違う過ごし方をしているわけですが、子どもは特に違和感を持ったりする様子もなく、ふだんどおりに過ごしていた印象。
晴れた日は食後に自宅のウッドデッキや庭に出て遊んだりすることが多いので、屋外で過ごすことが日常になっているのかも知れません。あとは、やはりすぐそばに大好きなお母さんがいるというのは、彼女にとって安心につながる大きな要素なんでしょうね。
8時半くらいに風呂(たらいにお湯を入れて、水遊びするようなかたちで汗を流す程度)に入ると、疲れてしまったのか9時前にはトムの手を引っ張ってテントに入っていき、そのまま寝てしまいました。前日のリハーサルが功を奏したかな?
その後、夜は夜でいろいろありましたが(後述)、子どもはしっかり眠り、大人もなんとか無事に朝を迎えることができました。
翌朝、近くの木に、脱皮したばかりの蝉が止まっているのをトムが発見。
子どもはまだ関心がないようでしたが、こうした自然の神秘に触れられるのも、キャンプの素晴らしさですよね。
テストキャンプ ポストモーテム
さて、テストキャンプのポストモーテム(事後検証)を簡単にしておきたいと思います。
場所の選定
場所は前述のとおり、自宅から車で15分の近場にある湖畔の広場、グリーンフィールド。
夜間、キャンプ場として利用する人はほとんどいないので、子どもが夜中に大声で泣いたりしても迷惑をかけることがないですし、万が一ケガしたり、熱が出たり、グズって全然寝ないなどの事態になった場合でも、すぐに帰宅できるというメリットを重視して、選びました。
ただ、問題だったのは暑さ。
テントの外にいる時はそよ風が心地良かったのですが、テントの中は無風状態。開口部をメッシュにしていても中では風をあまり感じられず、蒸し暑さを感じる状態でした。子どもはぐっすり寝てましたが。
開口部を全開放すれば多少改善できたと思われます。しかし、蚊の対策が十分でなかったこともあってそれができず。
僕はひとり、そよ風を感じながら快適に眠れるはずのタープ泊でした。が、蚊の襲撃を受けて夜中に目が覚め、トムたちの寝るテントの中へ緊急避難。それほど大きくない、しかも通気の弱いテントに3人で寝るのですから、そりゃ暑いわけです。
やはり、夏のキャンプは高地に限る、と痛感させられた一夜となりました。
アイテムの準備
今回、新たに買ったアイテムとしてはソファベンチとクーラーボックスの2つでした。このうち、特にソファベンチについてはいい活躍をしてくれましたので、のちほど1セクション設けます。
今回、唯一「足りなかったなー」と後悔したのが、先にも書いた蚊対策でした。
もちろん、全く準備していなかったわけではなく、蚊避けのミストスプレーや、刺された場合のかゆみ止めやパッチなど、ある程度は準備していました。ですが、蚊よけのミストを何度も噴霧していると、体もベトベトしてくるし、露出している肌のすべてをカバーできるわけではありません。耳の周りで「ぷーん」という音がすると、やはり気になって眠れないものです。
やはりテントの内部全体から忌避するようなアイテムが、タープ泊に関して言えばメッシュリッジ(*)が必要です。
自宅の寝室で使用しているコレなんかを持っていけば良かったなぁと後悔。
子どもにとってどうだったか
最後に「子どもにとってどうだったか」ですが、これは正直、分かりません。
最重視していた「寝る」という点は見事にクリアしてくれましたし、外での食事や時間の過ごし方などを見ていても、特に問題があるようには感じられませんでした。
では、彼女が楽しんでいたかどうか。
我が家よりも少し大きな子どもをよくキャンプに連れていく友人に話を聞いていて、彼が子どもたちを初めてキャンプに連れて行ったことを思い出しながら「当時1歳にもなってない子どもが楽しんでいたかどうかは分からない」と言っていたのが印象に強く残ったのですが、それは僕も同じことを考えていたからです。
2歳にもならない子どもをキャンプに連れていって、楽しませてやることができるかどうか。
これは最初に書いたとおり、分からないんですよね。
別の友人は「幼い子ども(当時5歳)を海外旅行に連れていったことがあるが、全く覚えていないらしい。幼い時にあちこち連れていっても覚えてないよ、きっと」と話していたんですが、確かに今回の初キャンプ、子どもの記憶には思い出せるかたちでは残らないだろうなと思います。
となると、楽しかろうがそうでなかろうが、あまり関係ないと考えればいいのか。いや、そもそも連れていく意味すらないのだろうか?
「三つ子の魂百まで」と言いますが、人格を形成するうえですごく大切な乳幼児の時期。でも僕たちはその頃のことをほとんど覚えていません。
大きくなったあとも覚えている経験だけが大切ではない。少し逆説的ではありますが、僕はそう考えてるんですよね。
大きくなった時に思い出せないかも知れませんが、キャンプという経験が「彼女の成長に何らかの糧になってくれたらいいな」と、連れていったあとに思うことは、もうそれしかありませんね。
子どもは今後も成長していきますし、その過程で得る彼女自身の感性や嗜好などが、キャンプというアクティビティをどう捉えるかは分かりませんが、もしキャンプに行きたいと言ってくれるなら、もっともっと楽しめるキャンプにしたいなーと考えている次第です。
Peregrine Furnitureのベンチ使用所感
さて、最後にちょっとだけベンチのことを書いておきます。
子どもとキャンプに行くために買った「Peregrine Furnitureのベンチ」ですが、実に、実によい働きをしてくれました。
まず、6kgとしっかりした重量があり、横幅もあって安定しているため、子どもが自分で上り下り(座ったり降りたり)できること。これだけで、ずいぶん親の手がかからなくなります。子どもって意味なく、降りてその辺を走って、また登って座ってなんてことをしますもんね(笑)。
そして、このポイントは、子どもが一人で座っていられる、ということも意味します。ある程度慣れてきたら、このベンチに子どもだけ座らせて、自宅での食事と同じように、みんなでテーブルを囲んで食事したりできるようになるかも知れません。
次に、子どもの世話がしやすいこと。横幅が1メートル以上あるので、多少の隙間を持って子どもを隣りに座らせることができ、子どもの飲み食いをサポートする体勢がとりやすいと感じました。
最後は、常に親と触れ合っていられるので、子どもに安心感を与えられるという点です。
ダイニングテーブルをオットマンがわりに使う我が子…(笑)
眠る時に使う枕を大きめのクッションとして子どもの背中に置いたところ、非常にリラックスして座っていました。
もちろん、ベンチの上で立ったり座ったり、母親の背中を回って逆側に移動したり(意図不明)、飛んだり跳ねたりすることも。
これができるのは、しっかりと頑丈に作られたベンチだったからこそ。
トムも「これはいい買い物だったなぁ!」と満足している様子でした。
幼いお子さんのアウトドア用の椅子をお探しの方、ベンチタイプのチェアは実にいい働きをしてくれますよ。オススメです!
一点、注意したいのはサイズ。折りたたんでも結構大きいので、お使いの車のトランクに載るかどうかは事前にご確認を。
* ランタンの光や食料品に集まってきた虫がテント内に入るのを避けるため。
* HILLEBERG Tarp10 XPの専用メッシュシェルター
初めまして、キャンプの様子や道具の情報いつも参考にさせていただいてます。グリーンフィールドでキャンプなんて想像もつきませんでした!素敵な写真ばかりですね!
akiさん、コメントありがとうございます!
また、いつも当ブログを読んでくださっているとのこと、ありがとうございます!
グリーンフィールドをご存知ということは、鳥取市内にお住まいですか? 僕もまだキャンプ自体は2度ほどしか経験がないのですが、春や秋など、涼しい季節にはとても良いと思いますよ。トイレはありますが、ただし水場がなく、食後の後片付け(食器や鍋を洗ったりなど)ができないので、キャンプに適した場所かと言われれば「?」なのですが、今回のようにコンビニごはんで済ませたり、後片付け不要な状態で食事をすれば問題ないと思います。
グリーンフィールドでのキャンプ、ぜひ試してみてください!
道具の選び方など、良し悪しなど、とても参考にさせていただいてます。
鳥取市内です!なかなか、キャンプに行けず、道具だけ増えるだけの、素人キャンパーですが、、、。
akiさん、コメントありがとうございます! 参考になっているとのこと、嬉しいです。
僕もキャンプにはなかなか行けていません。特に子どもが生まれてからは数えるほどになってしまいました(涙)。この欲求不満は、新しいキャンプ道具が増えることで多少解消されますよね!(笑)
僕もこうしてブログを書いてはいますが、キャンパーとしては素人みたいなものですので、ともに切磋琢磨していきましょう!!
テストキャンプ無事に成功したようで何よりです。
そして、家からすぐの距離で手軽にキャンプできる環境が羨ましい限りです。
秋頃だと、とても過ごしやすそうですね!
過去のキャンプ経験から子ども連れのキャンプでは、何よりも無事に終わる事が親としての務めかなぁ~と思ってます。
たかだかキャンプですが、何が起きるかわかりませんからね~。
でも呑んだくれの僕は、結局嫁におんぶに抱っこなのですがw
どんな経験が子どもの記憶に残るかどうかはわかりませんが、日常と少しだけ違うそとあそびでの体験はきっと脳や体に蓄積されていくものなのではと僕も考えています。
覚えている経験だけが大切ではないという意見もよく理解できます。
僕の場合、一番大切なことに関してだけ言えば、結局、どんなに理論的に考えてるよりも直感というかスピリチュアルな感覚が一番大切な気がしてます。
自分にとって一番大切にしている家族と簡単に言葉にできない幸せな時間を共有する。
キャンプってサイコーですね!何よりも、お父さんもまた明日から頑張ろうと思えますからねw
CISCOさん、いつもコメントありがとうございます!
そうですね、ここよりもちゃんとしたキャンプ場がもっと近くにあるのですが、夜は誰もいなくなるこちらをテストキャンプの場にしました。確かに近くにこうした環境があるというのはありがたいことですね。
「無事に終わる事が親としての務め」本当にそのとおりですね。うちの子はまだ小さいので、常に目の届く範囲にいますが、大きくなっていろんなことが自分でできるようになり、フィールドも山や海や川など、より自然に近い場所になると、楽しみが大きくなると同時に危険性も増してきますもんね。その「務め」心しておきます。
この記事を買いたあと、とある友人と「親と子が同じことで思い切り楽しむ、その時に抱く感情や経験が財産になる」みたいな話をしてました。これって定量的に説明することは不可能ですよね、絶対。CISCOさんの言う「スピリチュアルな感覚が一番大切」というのも、きっと同じなのかなーと。「安全に、一緒に楽しむこと」ですよね。この「一緒に」を失念して、僕もたいてい呑んだくれになってしまうので、注意が必要かも知れません(笑)
いつの日か「キャンプ行きたい!」と言ってくれる日が来れば、記憶にあるなし関係なく子どもの身体にはキャンプの良い経験が詰まってるんだろうなと思っています。
そう考えなければ「親のエゴ」の一言で済んでしまい兼ねませんしね。決して好きな道具に囲まれて旨いビールを飲みに行くのが一番の目的ではないですから!笑
Sayさん、コメントありがとうございます!
そうですね。キャンプに限らず、いろいろなことを一緒に楽しみ、経験していけたらいいなと思います。親が子どもに楽しみを提供することも大切だとは思うのですが、親自身が心から楽しんでいる姿を見せることも大切なのかなと思ったり(自分が子どもの頃を思い返すと、親が心底楽しそうにしている様子ってなんだかすごく印象深く記憶に残っているんですよね)。
うちの場合はまだまだ子どもも小さいので、無理のない範囲でキャンプを楽しんでいけたらなーと思ってます。