コロナ時代のグループソロキャンプについて考えてみた
新型コロナウィルス感染症(COVID-19、以下コロナ)の感染拡大に対して、ことし1月8日に首都圏(その後、北関東や関西府県も追加)に緊急事態宣言が発出されてから約1か月。検査陽性者数は増減を繰り返しながらも減少傾向を見せていますが(*1)、栃木県を除いて緊急事態宣言の発出延長が決まりました。
僕が暮らす鳥取県はそもそも人口が少ないこともあって、検査陽性者数は全国の都道府県中最も少ないですし(*1)、緊急事態宣言の発出もありません。しかし、日常生活の中には高い緊張感が漂っています。
こうした中、キャンプ参加可否の決定にこうした世情を強く反映させる仲間もいます(今の僕たちの決定にコロナが影響を与えないということがほとんどないのですが)。
多くの人との接触を持つ仕事をしていて、仮に感染してしまうと周囲に与える影響は大きくなるであろう、そのことを考えるとリスクの低い野外でのアクティビティとはいえ、それでもキャンプへの参加を躊躇ってしまうというわけです。
僕たちの生活に対するコロナの影響が小さくなるのはまだ先になるでしょう。
それがどの程度の期間になるのか想像もつきませんが、経済をできるだけ停滞させないというだけでなく、自分たちの暮らしの質やウェルビーイングについて考えると、国や地域が出す指示の意味を理解したうえでそれに従いつつも、自分でしっかり考えて判断し行動していく必要もあるのかなと思います。
「県外で」「友だちと」「キャンプする」という字面だけを見て非難する人が一定数、出てくるのは仕方ありませんが、それぞれの文字に含まれる、あるいは文字からは見えてこない実際の危険性について考え、それを排除したうえで行動することも必要になってくるのではないかと思うのです。
では、このコロナ時代に安全にキャンプを楽しむためにどのようなことができるのか。
一般的なキャンプにおけるコロナ対策
まず、キャンプにおける一般的な対策を見てみましょう。
以下は一般社団法人 日本オートキャンプ協会が公開している「オートキャンプを楽しむための新型コロナウイルス対応ガイドライン」です。
- 県境をまたぐ移動については、キャンプ場のある自治体の指示に従う。
- 食材や消耗品などの購入は、できるだけ自宅周辺で済ませる。
- 出発前に検温などを行い健康状態をチェックする。
- キャンプ場に到着する途中(サービスエリア、観光施設など)でも3密状態(密閉・密集・密接)を避けるようにする。
- キャンプ場では運営者の指示に従い、感染防止に積極的に協力する。
- 管理棟、炊事場、トイレなど屋内施設では3密状態を避けるようにする。
- マスクを持参し、他人との距離を十分取れない恐れがある場合に着用する。マスク着用時は熱中症リスクに注意する。
- 消毒用アルコールは引火の危険があるので、特に子供は消毒直後に火に近づかないよう注意する。高温になる車内には保管しない。
ごくごくふつうの内容ですね。
これが掲載されたのはコロナが日本に現出してまだ半年も経たない2020年の6月で、マスクを着用する、3密を避ける、手洗いや手指消毒を徹底するといった、今の僕たちの暮らしではもはや当たり前になったことも、当時はまだそれほど定着していなかったのだと思います。
ふだん僕たちが生活の中で実践している感染対策を、うかれてハメを外しがちなキャンプでもしっかり実施することが慣用というわけですね。
個人的に、このガイドラインの中で特に重要で難しいと感じるのが、3番目の「出発前に検温などを行い健康状態をチェックする」ですね。他の注意点はキャンプを実施するうえでの注意点なのですが、これはキャンプ可否の判断に直結するものだからです。
「なんとなく体がダルい気がする」「少し咳が出る」のように自分に生じた小さな変化を理由に、キャンプの参加可否を判断するのはなかなか難しいことだと思います。楽しいイベントが待っている状態では、特に正常性バイアスが強く働くでしょうしね。
雪中キャンプにおけるコロナ対策
さて、ここからは、僕たちの雪中キャンプにおける対策を考えてみたいと思います。
僕たちのキャンプは、いわゆる「グループソロキャンプ」と呼ばれる、どっちやねん!という感じのスタイルで、つまり、ソロキャンプのスタイルで複数人集まってやるキャンプのことです。
各自がテントや調理道具を含むキャンプ道具、食材も全て自前で準備します。
みなそれぞれが好きなものを食べ、飲み、自分の寝たい時間に寝て、帰りたい時間に帰っていく。要するに、自分以外の仲間がキャンプに参加できなくても、一人で実行できるわけです。
接触も最小限に抑えられるし、距離もとりやすく、かなり感染リスクの低いキャンプスタイルだと思います。
ですが、悪天候時は別です。
悪天候時のテントレイアウト
なぜなら昨年までは、暴風雪などでテント外やタープ下で過ごせない時は、大きなテントを宴会用として設営しその中で食事や懇談を楽しんでいたからです。
大きなワンポールテントが宴会用テントです
テント内はそれほど空間的に余裕がなく、各自の料理スペースを確保することができないため、みなが一緒に食べられる料理(大抵は鍋)になることが多くなっていました。
テント内は明らかな3密です。多人数で鍋をつつくのはそれほど感染リスクがないとされてはいますが(*2)、避けるのがベターでしょう。
しかし、せっかくみなで集まっているのに、各自がテントに引きこもってLINEやclubhouseで会話するというのも残念な話(スマホが圏外になっている場合も多いですし)。
そこで! こんなレイアウトはどうでしょう。
そう、各自のテントを円状に、入り口を中心に向けて設営するのです。
これなら、一定の距離を保ってみんなの顔を見ながら食事できますし、猛吹雪でもなければ会話もなんとかできそう。
木々が立つ林の中でのキャンプなので、これができるスペースが確保できるかという問題もありますが、状況が許せばぜひやってみたい(提案してみたい)と思っています。
・・・
キャンプで万が一にもクラスターが発生したら、安全に配慮しながらキャンプを楽しんでいる全国のキャンパーたちに要らぬ風評被害を与えてしまうことにもなりかねないので、できる対策はしっかり実施していきます!
*1 東洋経済ONLINE 新型コロナウィルス国内感染の状況
*2 福島新聞 「鍋料理で直箸、コロナ感染リスクは」
○参考記事: るるぶKidsバーベキュー・キャンプwithコロナ、リスクや安全対策は?人数など気をつけるべきこと