テント内でストーブを使って一酸化炭素濃度が危険水位に達するまでの時間を調べてみた(失敗編)
5月も終盤で、日中は汗をかくくらい暖かくなってきました。散歩行こう! って声かけたら家から飛び出してきていたマシューも、ノロノロと「しょうがねぇなぁ」みたいな感じで出てきます(いや、あなたの散歩だからね!笑)。
こんな気候なので、時期的にはずいぶんと外れた内容になってしまうのですが、日中ちょっと時間がとれたので、以前から気になっていたテストをしてみました。
そう、「テント内でストーブを使って一酸化炭素濃度が危険水位に達するまでの時間って実際どれくらい?」という疑問に答えるテスト(長い)です。
もちろん、石油ストーブなどをテントの中で使うのは基本的にはNGですが、よんどころない理由で使わざるをえないこともあります。
そんな時のための基本的な情報として、調べておきたいと思います。
空気中のCOと中毒症状
テント中の空気に占められるCOの割合が高くなると、「ヤバイ」とか「最悪、死ぬ」みたいなイメージは、キャンパーだけでなく多くの人が持っています。
僕もそうですが、しかし、実際にどれくらいの濃度になるとヤバイのか、もっといえば濃度の違いで生じる症状にはどんな違いがあるのか、よく分かっていません。
調べてみると、詳しい情報をLPガス安全委員会がHPで公開してくれていました。
CO濃度 | ppm | 呼吸時間および症状 |
---|---|---|
0.02% | 200 ppm | 2~3時間内に軽い頭痛 |
0.04% | 400 ppm | 1~2時間で前頭痛 2.5~3.5時間で後頭痛 |
0.08% | 800 ppm | 45分で頭痛、めまい、吐気 2時間で失神 |
0.16% | 1600 ppm | 20分で頭痛、めまい 2時間で致死 |
0.32% | 3200 ppm | 5~10分で頭痛、めまい 30分で致死 |
0.64% | 6400 ppm | 1~2分で頭痛、めまい 10~15分で致死 |
1.28% | 12800 ppm | 1~3分で死亡 |
出典:LPガス安全委員会
CO濃度=0.02%の症状に「軽い頭痛」とあるので、おそらく同0.04%の前頭痛、後頭痛は軽くないんでしょうね。0.08%になると失神、その倍の0.16%で致死とあります。
濃度として0.16%ってかなり低いという印象がありますが、現れる症状としてはかなりショッキングです。
今回、テストに使ったDODの「CARBON MONOXIDE CHECKER 2」の場合、CO濃度に対して以下のように振る舞うよう設定されています。
CO濃度 | ppm | 呼吸時間および症状 |
---|---|---|
0.02〜0.03% | 200〜299ppm | 点滅 |
0.03〜0.04% | 300〜399ppm | 点滅+アラーム遅 |
0.04%〜 | 400ppm〜 | 点滅+アラーム早 |
出典:DOD
頭痛が出る(症状が出る)前に知らせてくれるようになってるわけですね。
このチェッカーの良いところは、CO濃度を数値で表示してくれるところ。
一般的なチェッカー、警報機は、設定された危険濃度になると警報を出す(アラームを鳴らす)だけなので、「いつ鳴る? いつ鳴る?」と不安なのですが、実際に数字で見ることができれば安心感もありますし、対処を早めることができます。
サーカスTCでテストしてみた
僕がテント内で石油ストーブを使う可能性があるのはファミリーキャンプ。
例えば、春や秋など、朝晩の冷え込みが心配される時期に、眠る前に少しテント室内を暖めておきたい時などですね。また、雨に濡れて体が冷えてしまった時なども想定できるかも知れません。
そんなわけで、我が家の御用達ファミキャン用テントであるサーカスTCでテストしてみました。
この日は日中の気温が30度もあり、石油ストーブを使うどころか、テントの中にいるだけで汗が出てくるような暑さだったのですが(笑)、時間がとれるのがこの日だけだったので強行。
センターポールに、先ほどのDODのものを含めた3つの警報機をぶら下げ、テントを締め切って石油ストーブに火をつけます。
まさに蒸し風呂。
さすがに内部にはとどまれなかったので、テントの外で待機。アラームが鳴らなくても、15分ごとにテントに入り、CO濃度をチェックしました。
1時間以上待ちましたが、結局CO濃度はこれくらいしか上がりませんでした。
つまり、どのチェッカー、警報機も反応しませんでした。
実際の環境を正確に再現しないとダメ
この結果を受けて、
「な〜んだ、テント閉め切って石油ストーブ使っても安心じゃないか」
とは思いませんでした。
理由としては、以下の2点が挙げられます。
- ファミキャンの場合、インナーセット(ふた回りくらい小さいメッシュテント)を内部に吊るし、その中で石油ストーブを使うので、テント内に何もない状態でのCO濃度と、インナーセットがある状態でのそれは違うんじゃないかという疑問
- 石油ストーブを使うほど気温が低い場合、スカートに石や砂を乗せて固定し密閉度を上げるが、今回はそうしなかった(テストしたグリーンフィールドには石ころが一つも落ちていないという事実!)
うーん、awお得意の「最初に考えれば分かること」ですね(汗)。
ただ、もし事前に考えて分かっていたとしても、あの炎天下ではテント本体に加えてインナーセットの設営は、とてもヤル気が起きなかったでしょうけど……(笑)。
というわけで、秋になってもう少し涼しくなってから、上記をクリアした状態で再度テストしてみたいと思います。
しかし、もう少し段取り上手になりたいもんです、ホント(涙)。
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参考記事
・モモンハン日記 「Tepoinn 一酸化炭素警報機 レビュー」
・魅惑のキャンプ 「一酸化炭素警報機のおすすめ商品と、信頼性向上のテクニックをご紹介」
はじめまして。
実際のところ、どの程度テント内でCO濃度が上がるか分からないので、とても興味深い記事でした♪
TC素材で通気性が良い(と言われている)ことも濃度が上がりにくかった原因かもしれませんね。
秋の検証を楽しみにしています!
びっくぼさん、コメントありがとうございます!
このたびの記事を書くにあたり、また一酸化炭素警報器についての情報を得るにあたり、びっくぼさんのブログを参考にさせてもらいました。めちゃくちゃ詳しい記事で、すごく参考になりました。ありがとうございます!
なるほど、テント素材も関係あるとしたら、いくつかの種類のテントで実施してみても面白いかも知れませんね。こちらのご指摘も次回に生かしたいと思います。
秋の検証記事、楽しみにお待ちください〜 🙂