CRAFT&HIKE in 剣山に参加してきた

先日、友人でアウトドアの達人である寒川さんに、ブログ記事執筆のためにスウェーデンの自然享受権について質問した際に、「こんなイベントあるので参加しませんか?」と誘ってもらったのがキッカケで、UPIさん主催のイベント「CRAFT&HIKE in 剣山」に、友人ファミリーと参加してきました。

日本百名山の一つ、徳島県の最高峰(標高1955メートル)で県のシンボルとされている剣山(つるぎさん)の登山、ファイヤークラフト(焚き火)やウッドクラフト、ブッシュクラフトなどのワークショップを中心とした2泊3日のイベントは、間もなく4才になる娘には少し早い気もしましたが(もともと小学生以上が対象)、娘がいつも仲良くしてもらっている友人ファミリーやその娘さんと一緒であれば長時間のドライブやアクティビティも楽しめるはず! と、ほぼノリと勢いで参加を決めました。

結論を述べますと、心の底から言いますが、めちゃ楽しかった!

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CRAFT&HIKE in 剣山

さて、CRAFT&HIKE in 剣山がどんなイベントだったかと言いますと、概要はこんな感じ。

日本三大秘境の一つとして、海外ツーリストにも注目されている徳島県祖谷(いや)、つるぎエリアのシンボル的な剣山(1955m)を舞台に、クラフト(ファイヤークラフト、ウッドクラフト、ブッシュクラフト)とハイキング(ネイチャーハイク)のワークショップを楽しむ3日間。
お一人様での参加もファミリーでの参加も大歓迎です。(*ワークショップにてナイフ使用、軽登山も含まれる内容のため、小学生以上のお子様対象とさせていただきます。また、剣山の山頂へは登山口の駐車場からリフトにて約15分程で中腹に到着、そこから3時間弱の軽登山を予定しております。)
また、UPI OUTDOORから体験ワークショップとして、WoolPowerのウェアーモニタリング(大人限定)など、色々な商品を体験していただける特典付き!
CRAFT&HIKE in 剣山HPより引用

個々のワークショップやハイク、イベントの詳細について、このあと紹介していきます。

鳥取〜徳島県つるぎ町

宿泊先は、徳島県美馬郡つるぎ町にあるホテル「ラ・フォーレつるぎ山」、ワークショップの会場はホテル周辺の自然と剣山です。

僕たちが暮らす鳥取市からつるぎ町までは車で約5時間。瀬戸大橋を渡って香川県から四国入り。ナビが提案したとおり国道438号線をひたすら南下していくのですが、道幅が激しく狭く、且つウネウネ!

道沿いを眼下に流れる貞光川の美しい清流をうっとり眺める余裕はなく、また、子どもが車酔いしてリバースする可能性に怯えながらの(途中から眠ってくれたので一安心でしたが)、なかなかにスリリングな行程でした。


帰路は気持ちに少し余裕が生まれたので撮影してみました

ファイヤークラフト

ホテルに到着しチェックインして一息つく暇もなく、最初のワークショップ「ファイヤークラフト」に参加。講師は、このイベントに招待してくれた、焚き火マイスターでレンメルコーヒーのアンバサダー、寒川氏です。

ワークショップの会場に移動中、近くの池で鹿の親子が水を飲んでいるところに出くわし、一気にネイチャー、アウトドアの世界に引き込まれました。

さて、ファイヤークラフトのワークショップは、ナイフの基本的な扱い方、ナイフを使ったフェザースティックづくり、ファイヤースターターと天然の着火剤(乾燥したコケや油分を多く含んだ木の皮など)を使った火の起こし方のレクチャー。


みんなでつくったフェザースティックを一箇所に集めて着火し、焚き火をつくります

みんながつくったフェザースティックに、みんなを代表して小学生の男の子がファイヤースターターで着火します。

そうしてできた焚き火でお湯を沸かしてのレンメルコーヒー(*1)。


レンメルコーヒーをつくる工程の一つで、コーヒーの粉が泡立つところ

料理したりコーヒーを淹れたり焚き火をしたり。キャンプで火を使う場面は多いんですが、ついつい横着してライターやストーブを使ってしまいがち。

ですが、火をつくる、つくった火でお湯を沸かすといった工程でも、やり方を選んで丁寧に行えば一つのイベントになるし、子どもたちとも一緒に楽しむことができるんですよね。

今までの自分のキャンプ、何か勿体無いことをしていたのかなぁと思っちゃいましたね。

ウッドクラフト

2つ目のワークショップは、ネイチャークラフト作家、長野修平氏による木工ワークショップ。講師の長野さんは、木工作家として活動するかたわら、本や雑誌の連載などの執筆活動や、僕も愛用するテントのメーカー、tent-Mark DESIGNSとコラボレーションされたりと幅広く活躍されている方です。

太陽も登り切ってない朝の時間、ホテルのすぐ目の前にある夫婦池のほとりで、ノコギリやカービングナイフ、ハンドアックスやフックナイフなど様々なアイテムを使いながら、カトラリー(主にスプーン)をつくる手法、考え方を学びました。


ロケーションが最高!

およそ1時間という短い創作時間でも、参加者のみなさん、驚くほど素敵なスプーンをつくられていてビックリ。

僕の作品はといえば、もう目も当てられないものになってしまったので、ここでのご紹介は遠慮させていただきますが(笑)、トム(妻)や一緒に行った友人、隣りに座っていた参加者たちに大いなる笑いを提供することができたので、ひとまず良しとします。

道具を揃えて練習し、上達すれば、こんな素敵な作品がつくれるそうです。

子どもがもう少し大きくなったら、クラフトワークを楽しむのも、キャンプのコンテンツとしては最高ですよね。

それまでに上達しておかねば。

ネイチャーハイク

徳島在住の案内人、「Trip 四国の川の案内人」のユニット牛尾健氏、牛尾愛子氏ガイドによる剣山ハイキング(登山)が3つ目のワークショップ。

剣山は標高1955メートル。中国地方の最高峰、大山(1729メートル)より高いんです。

とはいえ、ロープウェイで標高1500メートルまで上がってから、山肌をトラバースする傾斜のゆるやかな山道を1時間ほど歩き、尾根に出てからはやや傾斜のある稜線を30分ほど登って登頂、というコース。登山としては比較的やさしい部類かもしれません。

しかし今回は、僕の娘(3才)と友人の娘(4才)も一緒に登ります。僕は最悪、ベビーキャリアに乗せて歩けばいいんですが、友人はふつうのバックパックだったので、できれば(いや、絶対に)娘に歩いてもらいたい(子どもを抱っこしての山登りは想像するだけで辛いし危険)。

で、いざ歩き始めると、道幅が狭いうえにところどころ道が小さく崩落していて、踏み外したりバランスを崩して落ちてしまうとそのまま数百メートルは落下するような急傾斜と、なかなかハードな登山道。子どもたちが絶対に落ちないようにと気を配りながら歩いたので、神経をすり減らしました(汗)。

しかし子どもたちも登山道を踏み外せば大変なことになることは本能的に感じていたと思いますし、彼女たちなりに真剣に、慎重に歩いていたようです。

最終的に、僕の娘は全行程の70%くらい、友人の娘さんはなんと全行程、自分の足で歩き切ることができました

二人とも頑張った! 素晴らしい!


写真では分かりづらいですが、右側が崖のように落ち込んでいます


奇岩や葉を落とした白い木、熊笹など様々な表情を見せる剣山の山肌


急傾斜をサクサク登っていく友人の娘さん。アメージングとしか言えない


娘を背負って急登。実際大変だけど、ここまでの娘の頑張りに比べればなんてことなし


次郎笈(じろうぎゅう・1930メートル)への美しい稜線


次郎笈への美しい稜線を背景に家族でパチリ

ちなみに、剣山山頂にあるトイレ、山の中にあるとは思えないほど、驚くほど綺麗でした。

さて、剣山ですが、個人的にはとても好みの山でした。稜線に出てから、そして山頂からの全方位に抜けた高度感のある景観がとにかく素晴らしい。「あー、山に登ってるなぁ」と実感できるし、こうして家族と一緒に登ることができる難易度であることも良いと思います。


下山してからのアイスクリームも美味しかった〜

ブッシュクラフト

4つ目のワークショップは、モーラナイフジャパン公認インストラクター、越山哲老氏によるサバイバルワークショップでした。

自然の中でサバイブするための優先順位は、1.シェルター(風雨から体を守る=体を冷まさない) 2.炎(体を温める) 3.水を確保する 4.食料を確保、だそうです。

ワークショップの中心はその4つのうちの2番目となる火起こしで、1つ目のワークショップと少し内容が重複していましたが(つまり、それほど重要な要素であると理解しましたが)、あらためて、少ない道具で火を起こす技術やその意味、着火剤の作り方について学びました。

越山さんは若い頃にネイティブアメリカンと交流を持ち、自然への接し方や態度について大きな影響を受けられたそう。

僕の記憶に残っている彼の面白いエピソードを紹介すると、越山さんはかつて自然の中にある石を無造作に扱ったことで(*2)ネイティブアメリカンの亡霊に囲まれ、強制的に娘の名前を与えられたことがあるとか(!)。

ジョークが随所に散りばめられたトークが非常に面白い方で、とても楽しい時間でした(亡霊の話はジョークではないそうです)。

正直、僕はブッシュクラフト(*3)という分野、スタイルにはあまり興味がなかったのですが、越山さんのワークショップに参加して、俄然興味が湧いてきました。

それは以前このブログでも紹介した、石川直樹君の「全ての装備を知恵に置き換えること」にも通じるところがあって、自然に関する知識や理解を深めることで最小限の装備で済むだけでなく、安全性が高まり、楽しみが増すのがブッシュクラフトだということが分かったからです。

これまでの僕は、あまり調べもせず理解しようともせず、ブッシュクラフト=ハードさを競うアウトドア、みたいな感じで捉えていたフシがあるんですが、全く違いますね。いかに自然と調和するかがテーマなのかなと、今回のワークショップで理解しました。

を読んで理解を深めてみたいと思います。

.

4つのワークショップに参加して感じたことは、「安全」が一番大切という点が共通しているということでした。

ナイフを扱うにしろ、火を使うにしろ、山を登るにしろ、少し間違えれば危険な行為となるし、自分だけでなく他人にも危害を加える可能性があります。

理解を深め、技術を高めることはすなわち、安全性を高めるということ。これはキャンプでも、ふだんの生活にも通じる考えです。

ワークショップは本当に楽しい経験でしたが、その大切さを改めて教えられる時間ともなりました。

そのほかのコンテンツ

阿波踊り

初日の夕方、ファイヤークラフトのあとにウェルカムパーティがあり、solo stoveで燻製+ローストした地元のジビエ(鹿)やラムクラウン、サラダ仕立ての半田そうめん、田楽など、実に贅沢なディナーが振舞われたんですが、僕がもっとも感動したのはウェルカム阿波踊り

僕、時々YouTubeで動画を見ている阿波踊りファン(?)なのです。

総勢20名以上の踊り子さんによるパフォーマンス、圧巻でした。

このあと、生演奏によるお囃子で踊り子さんたちと一緒に阿波踊りを踊れて感無量だったわけですが、この日は男踊りのみでしたので、贅沢を言えば女踊りも見たかったです。

いつか本場、紺屋町演舞場で総踊りを見たいですねぇ…。

ラ・フォーレつるぎ山

さて、今回宿泊した施設、「ラ・フォーレつるぎ山」についても少しご紹介しておきたいと思います。

詳細についてはHPを見ていただくとして、ここでは僕が体験したことと感じたことを簡単に。

今回は主催者側から事前に通知がありましたが、友人ファミリーと相部屋でした。小さな子どもがいることもあって、角部屋の大きな畳部屋(多分、12〜15畳くらい)を用意してくださっていました。荷物を解いて広げた状態に、さらに2家族6人分の布団を敷いても余裕があるくらいの広さで、とてもリラックスできましたね。

窓からは剣山山頂が望めました。

お料理は、朝食はごはんに味噌汁、魚が二種類(フライと焼き魚)、サラダにフルーツなど。夕食は豚しゃぶ鍋で、いずれも食べきれないほどのボリュームで、もちろんとても美味でした。

お風呂は大人5〜6人くらいがゆったりと入れるくらいの広さ。大きな窓から自然光が入る開放的なお風呂でした。多分、温泉ではなかったと思います。

支配人の方も、お料理を運んでくださった方々も非常にフレンドリーで、地元の言葉で接してくださって、とてもアットホームな暖かい空気感でした。

剣山へのアクセスも車で10分ほどと近いし、日本三大秘境とされている祖谷(いや)(*2)にも比較的近いので、このあたりで遊ぶ時は「ラ・フォーレつるぎ山」を拠点にするといいんじゃないかなぁ。

オススメです。

たくさんの試供品!

今回のイベントは、なんだか恐縮してしまうくらいの試供品をいただいてしまいました。

イベントから帰ったら使わなくなってしまうようなモノではなく、「え、コレ、いただいていいんですか?」と思わずスタッフの方に確認してしまうようなものばかり。

なので、今後一つひとつ記事にしてご紹介したいと思っています。

ちなみにそのうち一つを着用して、この記事を書いております(笑)。

UPIの方々

最後にこのイベントを主催されていたUPI(アンプラージュインターナショナル)の方々についても触れておきたいと思います。

ナイフを多用するファイヤークラフトやハンドクラフト、剣山登山など、3才や4才の子どもが参加したり、集中するのが難しいコンテンツが多いなか、子どもと一緒に遊んでくれたり、トイレにまで連れてってくれたり、登山中もへこたれそうになった娘にたくさん声をかけてくれたりと、子どもたちの安全確保はもちろん、僕たち親がイベントを楽しめるようにものすごく配慮してくださいました。これは本当にありがたかったです。

ワークショップ以外のいろいろな場面でも、子どもたちの名前を覚えてたくさん声をかけてくれて、子どもたちも暖かさと安らぎを感じながら過ごせたのではないかと思います。子どもたちが笑顔で、昨日まで知らなかった人たちとの触れ合いを楽しんでいる様子を見て、胸が熱くなることが何度もありました。

二日目の夜にワークショップの講師やUPIの社長が挨拶されていましたが、なんとも心温まるものばかりで、本当に素敵な方々だなあと思いましたし、彼らが企画し実行したイベントだからこそ、こんなに楽しくて心温まるものになったんだなあと。

加えて、彼らUPIさんが取り扱う製品も、一貫したポリシーで丁寧にセレクトされたモノばかり。

イベントのコンテンツやクオリティ、スタッフの方々のふるまい、彼らの提案する製品。そこには何の矛盾も違和感もなく、素敵だなぁ、嬉しいなぁ、いいなぁと心底思いましたね。

一気に彼らのファンになってしまいました。

またこんなイベントがあれば、遠くで開催されても参加したいですね。海外での開催だと最高(笑)。

(2019年11月5日追記)

UPIさんのvimeoに、イベントの様子をまとめた素敵な動画がアップされていましたので掲載しておきます!

*1 レンメルコーヒー 北欧ラップランド地方に伝わる、お湯に粉を直接入れて煮出す淹れ方のコーヒー。
*2 ネイティブアメリカンの考え方によると、自然界にある石を無造作に移動(ポケットに入れて持ち帰る等)させることはご法度だそうです。何かを「引く」時は自分が何かをそこに「足す」ことが必要だとか。
*3 SETOUCHI Finder 「日本三大秘境!徳島県『祖谷』がスゴすぎる!ワイルドな田舎体験と吊り橋効果で恋も実る!?

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Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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