初めての土地探し
もう辺りは暗くなっていたけれど、初めての打ち合わせのあと、売りに出ていた土地を一つだけ見てみることに。
これまでも旅行なんかで国内外問わずいろいろな街に行ったし、東京に暮らしている時は何度か引越しを経験しましたが、よく考えてみると、「買う」という目的でどこかを訪れるという経験をしたことがない。そのせいか、少し高揚している自分がいました。
僕たちが見に行った住宅地は、海にとても近く、新しい(と言っても造成されてから四半世紀くらいは経っている)住宅街。なぜその売地に興味を持ったのかと言うと、
- トム(妻)の職場に近いから
- 坪単価が3万円前後ととても安かった
といった理由でした。
その住宅街は、できて20年ほどと若いこともあり、建っている家は比較的新しく、ほぼ全ての区画が埋まっていました。小さな子どものいる家も多いようで、小さな自転車や遊び道具などが家の前に置いてあります。
しかし、直感的に「ここはないな」と感じました。それをトムに伝えると、彼女も同意。通勤を考えた立地は大切な条件だし、土地も安いに越したことはない。けれども「ここだ!ここに家を建てて住みたい!」とは、なぜか、全然思えなかったのです。
この先「ここに住みたい!」と思える土地に、僕たちは出会うことができるんだろうか。みんな「ここに住みたい!」とビビビッと来て土地を購入しているんだろうか? そんな疑問を胸に抱きながら帰路についたわけです。