焚き火台を自作してみた [制作編]
前回、自作の焚き火台の条件として、1) 軽くて、2) コンパクトに収納できて、3)できるだけ大きくて、4)低コストで、5)材料が簡単に入手できて、6)簡単につくれて、7)それなりに見栄えが良い焚き火台、という7つの条件を挙げました。
いや〜、無理でしょ。
と思いながらも、夜な夜なチラシの裏にスケッチを書いていたところ、ふと思いつきました。
世にあるウルトラライトな製品、例えばシェルターとかタープは設営に必要なポールを付属せずに軽量と謳っているじゃないか。実際、僕が所有しているSix Moon DesignsのLunar Soloもトレッキングポールなど、他の用途を持ったアイテムをポールとして使うわけで。
…… だったら焚き火台もキャンプに携行する他のアイテムを使う仕様にすればいいのでは?
と。
そこで、こんな感じのものをつくってみました。
awオリジナル焚き火台 プロトタイプI
じゃん!
「え? ナニコレ?」という感想が大半かと。HeHeHe…
これは近所のホームセンターで買った「工作ネット」(ステンレス繊網、線径0.34m/m・目合1.25m/m)、2000円ほどの品。このステンレス網の両端を三重に折り返し、四隅に穴を開けてハトメを付けました。
45cm×70cm、重さ330gです。
で、これをどう使って焚き火台にするかと言いますと、、、
そう!
ペグを脚として使用して、焚き火台にするわけです。
ペグにはsnow peakのソリステ40cmを使用しています。ちょうど輪っかになっている部分があるので、S字フックで網のハトメと繋ぐことができます。
4本のペグと四隅のハトメをS字フックで繋ぎ、テンションを調整しながらペグダウンして設置完成。
薪をちょっと置いたくらいではたわんだりしませんが、テンションを少し緩めて網をたわませることもできます。
下の写真は、少しだけテンションを緩め、薪の下に空間ができるようにしています。
ペグがダメージを受けるのではないか? と考える向きもあるでしょう。
網のサイズは45cm×70cm。中央部分の45cm四方を「燃え盛りエリア」とした場合、両端に13cm近くの余白ができるので、ペグやS字フックに直接火が当たる心配もありません。
また、ステンレスは金属の中でもかなり熱伝導率の低い素材*。薪が燃えているそばの網を直接触っても全く熱くありません。ペグやS字フックに熱が伝わって熱くなったりする心配ゼロです。沈下後もすぐに冷めるので、片付けもスムーズ。
* 0.16/m℃x10² 出典:ステンレス鋼(SUS)専門情報サイト susjis.info
では、耐久性はどうか?
下の写真は、薪をおよそ1時間燃やしたあとの網の状態。変色はしていますが、傷んでいるような感じはありません。どれくらい耐久性があるのかは、何度も使って試してみるしかありませんね。
灰捨て場に溜まった灰を捨てたり、大きく移動する必要のある場合は、こんな風に。まるでクラッチバッグのような感じで持つことができます。
便利でしょ?
改善ポイント
いろいろと良い点ばかりを挙げてきましたが、上の小見出しにも書いたとおり、これはプロトタイプに過ぎません。カッチョいいギアをたくさん持っている友人たちとのキャンプに持参するには、まだまだブラッシュアップが必要です。
awオリジナル焚き火台をつくるうえで考えた7つのポイントに沿って、改善点を考えてみます。
- 軽い:330gは、サイズの割には軽いと思う。が、ステンレス線網の線径を細くし、サイズもより吟味すれば半分くらいには抑えられるはず
- コンパクトに収納:くるくると巻けば、幅45cm、径5cm程度の大きさで収納できる
- できるだけ大きい:45cm×70cmはかなり大きく、薪を20本くらいは燃やすことができる。が、このタイプの焚き火台にそこまでの大容量を求めるのはどうか。「燃え盛りエリア」は30cm四方とし、両端にプラス10cmずつで30cm×50cm程度でも良いかも
- 低コスト:今回購入したステンレス網は45cm×100cmで2000円ほど。ハトメは数十円。個人的に使用する分には十分に安いが、仮に製品の原材料費として考えると非常に高い
- 材料が容易に入手可能:ステンレス網自体はホームセンターで買うことができるので、この条件はクリアしているかと
- 製作が容易:製作に要した時間はおよそ15分。ハトメを留めるためのパンチ(1000円弱)が必要だが、製作自体はとても簡単
- 見栄えがいい:とても見栄えがいいとは言えない……涙
以上の7点以外にも、こんなことを感じました。
- ペグを選ぶ。今回は40cmのソリステを使用したが、これくらいの長さと強さがないと高さとテンションを確保しづらい。またS字フックを取り付ける輪っかが必要
- 切りっぱなしのステンレスの網を使用しているため、折り返していない箇所はステンレスの断面がモロにむき出しで危なく、ちょっとしたはずみで手を切ったりする危険性がある。とはいえ、四方を折り返すとくるくると巻いての収納が困難になるため、末端処理は別の方法を検討する必要がある
- 網やS字フックをまとめるスタッフバッグがあるほうがいいのでは
これらを整理して、プロトタイプIIの製作を進めてまいります!
続きます〜。
はじめまして。アウトドアメディア「CAMP HACK」のライターです。「焚き火台 自作」特集記事にてこちらの魅力的なお写真と記事内容の一部を是非使用させていただければと思います。ご都合悪い場合は削除いたしますのでご連絡いただければ幸いです。info@spacekey.co.jp