屋根のある屋外について考えてみた
先日のテント干しやら自家用車の冬用タイヤ交換やらで、最近なにかと、庭の奥にある古い物置小屋を使っています。この物置小屋は築50年以上、あまりに無駄な物が多いので少しずつ整理を進めていますが、半世紀の蓄積をスッキリさせるのはなかなか手強い作業です。
埃まみれになって作業していると、「ああ、キャンプハウスはこの体験を活かして、もっと機能的で使いやすくするぞ」と、妄想が広がっていきます。
今日はその妄想の一部、「屋根のある屋外」について。
雨の多い鳥取で必要なのは、屋根のある屋外
家を建てる時、屋根も壁もある場所、つまり屋内を中心に考えるし、そこをできるだけ広く、快適にしようとするのがふつうです。
しかし実際の暮らしでは、家の中だとできないこと不都合なことってちょいちょいあって、ストレスになってしまうんですよね。
例えば最初に書いた、テントを干したり、タイヤ交換したり(外したタイヤを洗って保管したり)はもちろんですが、外遊びして汚れた道具を水洗いする、汚れたブルーシートを洗って干す、石油ストーブを掃除する、大量の洗濯物を干す、スニーカーを洗う、網戸を取り外して洗う、DIYで大きめの家具などをつくる、BBQする、プール遊びする、植物の植え替えをする……季節や地域によって違いはあるでしょうが、どの家庭でも結構あるでしょう。
「庭や玄関先でやればいいのでは」とも思うのですが、晴れの多い太平洋側の地域と違って鳥取は雨が非常に多い地域。週末にやろうと思っていた作業が雨でできない、なんてことが往往にしてあるわけです。
ならば、雨が降っても困らない、つまり屋根がある、しかも屋内級に広い屋外スペースがあればいいのでは。
そんなふうに今回の妄想はスタートしました。
T町ハウスの物置小屋のように、ふだんあまり出入りせず、物を置くだけの場所になってしまうと、ふだん目に入らないのをいいことに廃棄すべきものを「とりあえず」と置いてそのままになってしまったり(実際そんなものが我が家の物置小屋には溢れています)、定期的に掃除しないので埃まみれになってしまったりしがちなのでNG。
ならば、屋根を大きく伸張させて屋根付きの屋外を設け、家の一部として毎日のように使う場所をつくればいいんじゃないか、と考えたわけです。
雑誌で見かけた素敵な部屋
先日、給油とタイヤのメンテナンスで立ち寄ったガソリンスタンドのカフェで見ていた雑誌、「日経おとなのOFF 2016年4月号」、ほぼ2年前の雑誌ですが、これにすごく素敵な小屋が乗っていました。
木工デザイナーの三谷龍二さんが20年間暮らしたという、8.2坪の小屋。
この記事から僕の妄想は一気に広がっていきました。
僕が将来暮らすキャンプハウスはトム(妻)と二人なので、これじゃちと狭い。それにこの間取りだと、脱衣所もないし、収納室がないからキャンプ道具はもちろん、なにも物が置けない(*)。
しかし、暮らせないわけではないし、考えてみると「屋内」ってこの程度で十分事足りるわけです。あとはこれに、広大な「屋根のある屋外」があればいい。
例えばこんな感じです。
黄色が住居部分、破線部分が屋根です。灰色はコンクリート打ち、薄い黄色はタイル貼りです。
(なお、住居部分は広さや間取りは変えず、ベッドをシングルからダブルに変えています)
コンクリート打ちの部分は、イラストのとおり駐車場としての使用がメイン。
一方、薄い黄色のタイル貼りエリアは、上記に書いたような「屋根のある屋外でしたい作業」をしたり、洗濯物や布団を干したり、棚をつくって屋外倉庫として使ったり、テーブルや椅子を出して食事をしたりと、観葉植物を置いたりと、いろいろな用途を想定しています。
タイル貼りにしているのは、水で流してすぐに洗えるし、コンクリートのような無味乾燥な仕上がりではなく、タイルの色や柄を工夫することで楽しい雰囲気を演出できるかなと。
玄関に向かって右側の屋根が高くなっている+少し短くなっているのは、1)居間や台所にできるだけたくさん光が入るように(屋根の大きな家の最大のデメリットは採光性が悪くなることだと考えています)、2)大型テントなどを干せるような高さをつくる、などが理由です。
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雑誌に載っていた一つの間取りから、思わずたくさんのスケッチまで描いてしまい、妄想がさらに膨らみ過ぎてしまいました。
この小屋の記事が読みたくて買った雑誌でしたが、介護や葬儀、相続など、自分の親が70歳を迎えようとする僕のような中年オヤジが読んでおくべき内容が盛りだくさんで、「日経おとなのOFF」、初めて読んだけどなかなか読み応えのある一冊でした。
* そもそもこの雑誌の特集が「持たない暮らし入門」なのです。