「ネイチャーエデュケーション」を読んでみた
最近、Kindleを紛失してしまい、溜め込んでいた電子書籍が読めずに落胆していたんですが、わけあって購入したChromeブックにKindleアプリを入れて復活しました。
今までラップトップPCはMacbook Airを使っていましたが、いやー、Chromeブックいいですね、とにかく早い。
あ、いや、今日は違う話題です。
いつも購入する本は、電子書籍7:通常の書籍3といった割合。しかし前述の事情でこの割合が逆転、というよりも通常の書籍一択になっていたわけですが、そんな時に書店で目にしたのがこちらの本。
ネイチャーエデュケーション
書籍名はもとより、「身近な公園で子どもを夢中にさせる自然教育」という副題が、より興味を沸きたてました。
子どもと自然の中で過ごす、自然に触れさせたいという目的でキャンプに行く家族は多いと思います。僕たちもそうです。
加えて僕たちの場合は、子どもがより自然を身近に感じられる環境で暮らしたいと考えて、庭のあるT町ハウスに引っ越してきました。
この本は、キャンプなどの大がかりなイベントでなくても、マンションのように庭のない環境でも、近所にある公園で、子どもたちと一緒に楽しみながら自然を通じて十分に学ぶことができるよ、が主たるメッセージ。
これ自体がユニークな考え方であり「わあ、斬新だなあ!」と思ったわけではありません。立ち読みで知った、ここに至る著者の経歴、というか経験が面白く、「ほー、読んでみよう」となったわけです。
著者が子どもとの接点を持った経緯
著者は、長谷部雅一さんという方で、アウトドアイベントの企画や運営、研修、応急処置講習、自然ガイドなどを事業とする有限会社ビーネイチャーという会社を経営されています。
長谷部さんは2000年頃、いわゆるバックパッカーとして世界中を旅した経歴をお持ちですが、この旅の中での情報収集の方法がとてもユニーク。
2000年と言えば、日本法人が設立されて間もないAmazonに僕が入社した時期です。当時はインターネット通販もまだそれほど利用されてなく、「アマゾン? 新しい動物園ですか?」と真顔で言われた経験もあるほど。当然、SNSやブログも広まってなく、ふつうの個人がインターネットを通じて世界に情報を発信する、という行為がまだ一般的でない頃でした。
ですから当時、アフリカや中東などの小さな村の情報をインターネットで得ることはできず、旅行ガイド本に載っていない地域の情報は、行ってから現地で収集せざるをえないわけです。
しかし、現地の言葉は分からない、英語も通じない、そんな状況で現地の大人たちに何かを聞こうと思ってもコミュニケーションがとれないばかりか、むしろぼったくりにあったりと酷い目にあってしまう。
そこで長谷部さんが考えたのは、コミュニケーションに言葉を必要としない子どもたちと仲良くなり、彼らから必要最低限の言葉や、現地の事情を教えてもらう、というものでした。
村から村へと旅をし、都度、現地の子どもたちとコミュニケーションをとっていくうちに、子どもたちが何を喜ぶのか、何に関心を示すのか、何に心を開くのかを学んでいった長谷部さん。
それが、帰国後、子どもと一緒に自然の中で楽しむことで学んだり、またそのノウハウを保育士にレクチャーするという事業を営むことに繋がったようです。
共感した点
言われるまでもなく、自然の中で楽しむ方法は、大人よりも子どもの方が100倍は知っています。
見守ったり、遊ぶキッカケを与えたり、危険な方向に進みかけたら安全なほうへと誘導するといったことが大人の仕事になります。これは以前書いた「森のようちえん」のポリシーにも通じるものです。
その仕事をきちんと頭の片隅に置きながら、しかし一番大切なのは、大人たちも子どもと一緒に楽しむこと。
このことが、一冊を通じて丁寧に説明されています。
これは決して難しいことではなく、どんな子どもと一緒に遊ぶのであれ、彼らと同じ目線になり、歩調を合わせればいいだけなんです。
いま、毎日のように子どもと近所の土手や公園、街なかを散歩しているんですが、彼女が何に興味を持つのかをじっくり見ていると、非常に面白いんですよね。大人は見過ごしている小さな世界に着目して、そこを覗き込もうとしている。一緒にしゃがみ込んでみると、同じように関心を持ったり、少し興奮している自分に気づくんです。
ただの葉っぱ1枚にしても、色や形、大きさ、厚み、枯れ具合などをじっくり見て、自分の好き嫌いを判断したりしています。先日も両手に何かを持ってしきりに見比べているので、近寄ってみると、石を一つずつ持って眺めたり、石同士をぶつけて音を出したりして笑っていました。
僕の娘はまだ2歳なので、大人がイメージするような自然の中での遊び……木登りや川遊び、秘密基地をつくったり昆虫をつかまえたり……そんなことはまだできませんが、でも彼女なりにしっかりと自然とふれあい、そこからたくさんのことを学んでいるように見えます。
ふだん、そんなことを感じ、考えていたので、長谷部さんがこの本を通じて伝えたいことに、とても共感できたわけです。
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これからますます寒くなり、自然から遠のく時期となりますが、暖かい家のなかでこの本をじっくりと読んで、また来年、暖かい季節がやってきたら、家のすぐそばにある自然の中で子どもと遊んでみてはいかがでしょうか。