シュラフについて調べてみた
このところ、鳥取はめっちゃ暑いです。僕たちが暮らしているアパートは窓を少し開けておくだけでビル風がガンガン吹き込んでくるので、エアコン要らずで助かっていますが、ぼちぼち梅雨も明けてそろそろ夏かなあという今日この頃。そんな時期、今日は「シュラフ」についてのエントリーです。
夏に行う、キャンプの冬支度
このブログのアクセスログ(閲覧に関する記録)を見ていると、最近、「フジカ」というストーブの名前や、「冬キャンプ」というキーワード検索の結果、訪問くださっている方が以前よりも増えていることに気づきました。
もしかすると、世のキャンパーは夏が始まる前のこの時期に、冬の支度を始めるの?(多分そうではない) 僕も冬支度(=情報収集)を始めることにしました。
僕の場合、まず検討すべきは、冬用のシュラフ。なんせ冬用のシュラフを持っていないのですから。
僕が使用を想定する冬季の環境や条件に適していると考えたモデルを6つのメーカーから8つのシュラフをピックアップしました。
ちなみにその環境・条件とは、以下のような内容です。
- 使用は主に鳥取の平野部の冬。テント外の気温は0度前後
- ドーム型テント内、コットの上で就寝
- 持ち運びは主にクルマ
- 寝相がめちゃくちゃ悪いので、伸縮性があれば幸い
8製品のスペックがなるべく比較しやすいよう、記載する項目を統一しました。そのため、製品によっては歯抜けの項目もあります。
- 使用可能温度
*使用可能限界温度ではなく、快適に使用できる温度 - ダウンの品質
- ダウンの量(重さ)
- 表面の生地
- 使用時のサイズ
- 収納時のサイズ
- 重量(スタッフバッグ込)
- 価格(税込)
それでは、見ていきましょう!
- 今回チェックしたシュラフはこちら
- [ マミー型 ]
- WESTERN MOUNTAINEERING
- Nanga
- Valandre
- MOUNTAIN EQUIPMENT
- モンベル
- snow peak
- [ 封筒型 ]
- モンベル
- snow peak
マミー型
まずはマミー(ミイラ)型をチェック。このタイプの特徴をまとめておくと、
- コンパクトに収納できる製品が多い
- 軽量な製品が多い
- 体のかたちに近いかたちなので内部に余計な空間が生まれづらく、また頭まですっぽり覆われるデザインなので保温性が高い
- 封筒型に比べたくさんの製品が販売されていて、選択肢が多い
といった感じでしょうか。
ではまず、最初の製品。
WESTERN MOUNTAINEERING
数年前、地元の小さなアウトドアショップの奥にひっそりと掛けてあったダウンジャケットを見ていたら、「それ、いいでしょ」と店主が声をかけてきた、それが「WESTERN MOUNTAINEERING(ウエスタン マウンテニアリング。以下、WM)」でした。
「書きにくそうな名前だなあ」とやたら記憶に残っていましたのですが、その後、キャンプ友達がWMのシュラフを使っているのを知り、調べてみたらこだわりがスゴイ…。
冬季に使用するシュラフは、寝具というだけでなく寒さから命を守るための道具でもあります。暖かくなかったら死ぬんです。そんな重大な使命を果たす力が、丁寧に選ばれた素材と練りこまれたアイディアが高い技術によって、シュラフという小さな袋に与えられているわけですね。
とはいえ、僕はそこまで生死のかかった場所で眠るわけではなく、上に書いたような地味な環境下ですので、WMのラインアップからは次の製品をチョイスしました。
モデル名:アンテロープMF(WM80071)
- 使用可能温度:-15度
- ダウンの品質:850+ FP グースダウン
- ダウンの量:735g
- 表面の生地:1.3ozマイクロライトXP
- 使用時のサイズ:長さ 180cm(内部:肩=157cm、腰=135cm、足=99cm)
- 収納時のサイズ:20×43cm
- 重量:1,105g
- 価格:85,320円
まず、1105gの重量に対してダウンが735gと、約67%も使用されていることに驚きます。
収納時のサイズはやや大きいように見えますが、スタッフバッグは一生懸命詰め込まなくても入るサイズにしてあるそう。もっとコンパクトにする必要がある場合は、コンプレッサーを使用すると半分以下の大きさになります。
ふんだんに使用されている高品質ダウンと、寒さから命を守るために考え抜かれた構造。製品としての魅力がすごいですね。
» WESTERN MOUTAINEERINGのシュラフを全て見る
NANGA
(ちょっとWMで語りすぎましたので、圧縮気味に行きます!)
NANGA(ナンガ)は滋賀県米原市で製造されているシュラフ。日本の職人が手作業で製造していると聞くと、丁寧で細かな仕事を想像しますね。
そしてNANGAの特徴的なサービスが「永久保証」。送料を負担して送れば、基本的な破れの補修やファスナーの取り替えなど、修理・修繕が無料! すげぇ。
モデル名:AURORA light 450SPDX
- 使用可能温度:-13度
- ダウンの品質:860FP
- ダウンの量:450g
- 表面の生地:20dnオーロラテックス®
- 使用時のサイズ:最大長210cm×最大肩幅80cm(〜身長178cm)
- 収納時のサイズ:φ14×30cm
- 重量:865g
- 価格:65,800円
僕が今使用しているシュラフは、ファスナーが噛んで破れ、ダウンが抜けるなどの修理の必要な状態になっていますので(10年以上使ってるのでもう買い替えないとダメでしょうけど)「永久保証」は魅力的ですねぇ。
» NANGAのシュラフを全て見る
Valandre
このValandre(ヴァランドレ)ってメーカー、みなさん知ってます??
僕、今回シュラフのことを調べていて、初めてこの名前を知りました。ICI石井スポーツという会社が独占的に輸入販売しているメーカーのようで、ネット通販では同社の楽天ショップでしか買えなさそうです。
- 使用可能温度:-12.2度
- ダウンの品質:850+ FP
- ダウンの量:620g
- 表面の生地:100%ナイロン66 リップストップポリアミド生地
- 使用時のサイズ:長さ215cm(内部:185cm、肩=159cm、腰=141cm、足=99cm)
- 収納時のサイズ:(7L)
- 重量:1,180g
- 価格:11万円前後
その他の製品と比べてみると、スペックに対して価格がかなり高めな気がしますね。
MOUNTAIN EQUIPMENT
その名も「山道具」、MOUNTAIN EQUIPMENTはその他のメーカーと同じように、登山家が自分のために製品(しかもシュラフ)を作り始めたことからスタートしたイギリス発のメーカー。
モデル名:Xero 550 LZ(413610)
- 使用可能温度:- – –
- ダウンの品質:- – –
- ダウンの量:550g
- 表面の生地:ナイロン100%
- 使用時のサイズ:適応身長/185cm、肩幅/76cm
- 収納時のサイズ:- – –
- 重量:1,030g
- 価格:60,480円
ただ、残念ながら製品の基本情報が非常に乏しく、特徴的な機能や構造などの情報もないので、購入ということにはちょっとならないかもですね…。
» mountain equipmentの全てのシュラフを見る
モンベル
さて、大本命はこちら、モンベル。なぜかと申しますと、先に書いたように僕は非常に寝相が悪いので、マミー型のシュラフだと窮屈で寝苦しく、すぐに目が覚めてしまうということが多々ありました。
モンベルのシュラフの最大の特徴の一つが「ストレッチシステム」。寝てる間に多少暴れても、それに合わせてシュラフが伸縮してくれるのです。また、この伸縮性は体とシュラフの隙間を減らす効果もあるので、保温性が高まることも期待できるわけですね。
現在使っているのはモンベルのストレッチタイプなので、寝相の問題は比較的気にならないんですが、#3(使用可能温度5度)なので冬季には使えないんですよねぇ。
モデル名:ダウンハガー800 #0
- 使用可能温度:-10度
- ダウンの品質:800FP グースダウン
- ダウンの量:- – –
- 表面の生地:10dn バリスティック® エアライト
- 使用時のサイズ:適応身長/185cm、肩幅/76cm
- 収納時のサイズ:φ19×38cm(8.6L)
- 重量:1,218g
- 価格:60,480円
ダウンの品質は問題ありませんが、どれくらいの量が使用されているかが公開されていないのは×!
» montbellの全てのシュラフを見る
snow peak
堂々の東京証券取引所上場(マザーズ)を果たしたsnow peakのシュラフは、他のメーカーの製品とは一線を画すデザイン。
モデル名:BACOO 550
- 使用可能温度:-7度
- ダウンの品質:800FP ダックダウン(ダウン90%、フェザー10%)
- ダウンの量:550g
- 表面の生地:20Dナイロンリップストップ防水透湿PU、20Dナイロンリップストップ
- 使用時のサイズ:- – –
- 収納時のサイズ:φ21×34cm
- 重量:1,120g(本体のみ)
- 価格:42,984円
他メーカーが、3000メートル級の寒冷高地での山行を想定したエクストリームモデルを製品群の頂点に置き、その下にスペックを下げたモデルを配したマップを描くのとは異なり、snow peakはあくまで「自然志向のライフスタイルを提案」という方向性。もちろん、この製品のページに書いてあるとおり、山行にも携行できるスペックに仕上げられています。
価格は魅力ですが、個人的には見た目がどうも…。ダウンとフェザーの含有率を表示しているのは、羽毛ふとん好きの僕としてはグッドですね。
» snow peakの全てのシュラフを見る
封筒型
続いては封筒型。このタイプはトム(妻)が愛用していて、僕もマミー型よりも封筒型の方が好きです。
- 内部がゆったりしている
- 掛けたり、敷いたり、本当の布団のような使い方ができる
- 比較的、安価な製品が多い
ゆっくりゆったり眠るには、圧倒的に封筒型なのです。特に僕のような寝相が悪い人には。
モンベル
トムが使っているのがこのタイプ。僕もソロキャンプの時は、自分のマミー型ではなくこちらを使っています。
モデル名:ファミリーバッグ #0
- 使用可能温度:-1度
- ダウンの品質:- – -(ホローファイバー)
- ダウンの量:- – –
- 表面の生地:75デニール・ポリエステル・タフタ
- 使用時のサイズ:最大長190×最大幅75cm
- 収納時のサイズ:45×28×28cm(35.3L)
- 重量:1,690g(本体のみ)
- 価格:6,372円
使用可能温度が-1度なので、これ一枚では冬季には使用ができませんね。あと、やっぱり収納サイズがバカでかい!笑 まあ、どうせ車で行くんですから問題ないんですけどね〜。
» モンベルの全ての封筒型シュラフを見る
Snowpeak
snow peakの封筒型シュラフは、コンセプトが「日本のふとん」。
上下が完全に分離するので、掛けふとん、敷きふとんと別々に、かなり多目的・多用途に使えます(詳しくはこちらをどうぞ)。
モデル名:セパレートオフトンワイド1400
- 使用可能温度:-8度
- ダウンの品質:ウォッシャブルダウン
- ダウンの量:1,400g(ダックダウン80%、フェザー20%)
- 表面の生地:40Dナイロンリップストップ
- 使用時のサイズ:- – –
- 収納時のサイズ:φ28×50cm
- 重量:3,100g(本体のみ)
- 価格:50,544円
ダウンの量、1400g! ダブルの羽毛ふとん並みです。重さも3kgオーバーとヘビー級です。
» snow peakの全ての封筒型シュラフを見る
まとめ
長々と(ダラダラと)書いてきましたが、最後に各製品の長所・短所を、僕目線でまとめてみたいと思います。
マミー型
マミー型については、使用可能温度-10度前後で製品をピックアップしたこともあり、概ねスペックが似たような感じになりました。WESTERN MOUNTAINEERINGが品質的に(価格的にも)頭一つ飛び出している感がありますね。
製品名 | 良いところ | もう少しなところ |
---|---|---|
WESTERN MOUTAINEERING アンテロープMF(WM80071) |
・最高品質のダウンを、全重量2/3超の量を使用 ・暖かさを追求した独自の構造 |
・価格がやや高い |
NANGA AURORA light 450SPDX |
・収納サイズがコンパクト ・メーカー永久保証 |
・デザインがやぼったい |
Valandre ブラッディーメアリー Mサイズ(EN13537) |
– – – | ・メーカーや製品の情報がやや少ない ・スペックに対して価格が高い |
MOUNTAIN EQUIPMENT Xero 550 LZ(413610) |
– – – | ・メーカーや製品の情報が非常に少ない |
モンベル ダウンハガー800 #0 |
・伸縮性がある | ・ダウンの使用量表記がない |
snow peak BACOO 550 |
・手頃な価格 ・撥水と透湿にこだわった機能性 |
・見た目がダサイ |
封筒型
封筒型はつくっているメーカーが少ないものの、より個性が明確な製品が多い気がします。と言っても2アイテムしか取り上げていませんけど。
製品名 | 良いところ | もう少しなところ |
---|---|---|
モンベル ファミリーバッグ #0 |
・比較的軽量 ・安価 |
・使用可能温度が高い(冬に使えない) |
snow peak セパレートオフトンワイド1400 |
・用途が幅広い ・丸ごと洗える |
・重い ・価格が高い |
ここに挙げた製品の中から、今年の冬に使用するシュラフを決めようと思っています。そしてそれはもう、僕の中ではほぼ決まっていますが、詳細は次回(購入後)で!