冬(雪中)キャンプの装備について考えてみた
センター試験が実施されているこの週末、今冬一番の寒波が日本中を襲っていて、鳥取もかなりの積雪。近年は雪が積もらない冬が当たり前になっていましたが、この様子だと今年はがっつり積もりそうです。
受験生や仕事の方をはじめ、止むを得ず外出しなくてはいけないみなさんが無事でありますように。
さて、降り積もる雪を窓から眺めていて、そういえば昨年末、久しぶりに集まったキャンプ仲間と焚き火にあたりながら、「今シーズンは雪が積もったら、雪中キャンプしたいねー」と熱く語っていたことを思い出しました。
雪中キャンプ、2年前にやったきり、全然できてないのです。
雪中キャンプしてきた2月28日(土)から3月1日(日)にかけて、鳥取県智頭町の芦津渓谷にてキャンプ仲間と雪中キャンプしてきました。芦津渓谷は鳥取市街地から車で約1時間。「本当にこの先に何かあるの?」という道を……
雪の降る中でキャンプすると言うと、大抵「この人、オカシイんじゃ…」みたいな目で見られるのですが、きちんと装備を整えれば、雪の上に設営したテントの中で過ごす、あのなんとも言えない不思議な、非日常的な感覚を楽しむことができるんです。
また、冬のキャンプには、熊との遭遇の確率が低くなる、というメリットもあります。
鳥取の南に位置する中国山地はツキノワグマの生息地です。最近は市街地にかなり近い住宅地でも目撃されたりと、人間の行動範囲内での出没率がかなり高まっています。いくら涼しいとはいえ、彼らのテリトリーである山間部での夏場のキャンプは、やはり、ちと怖い。
雪が積もるような季節ならば、たいていの熊は冬眠に入ってしまうので、山間部でのキャンプでも少し安心できるかなと。
一方で、厳しい寒さに対処する必要があるため、気軽にいつもの装備で、というわけにはいきません。とはいえ、電気カーペットとかファンヒーター、コタツなどを持ち込んで、屋内と同じ手段で暖かい環境をつくるのも何か違うかなと。
そもそも、AC電源の整備されたキャンプ場ではなく、こんな環境でのキャンプを求めているので、使えないんですよね(笑)。
昨年末にダム湖のほとりでソロキャンプした友人の写真を拝借
ある程度、装備が増えるのは仕方ないとしても、持ち運びなども考えて、可能な限りの軽装備(できればザック一つに入るボリューム)に抑えて冬キャンプの環境を実現したい!
というわけで、点検も兼ねて、雪中キャンプのための装備について考えてみることにしました。
雪中キャンプに必要な装備
(ちなみに僕は、雪中キャンプに関する情報を、ブログ「キャンプあーだこーだ」さんから得ています。暴風雪の中で、はたまた地面がアイスバーンになっているマイナス20度の極寒地で、考えるだけでも寒そうなキャンプの記事は必読!)
いつも雪中キャンプする時は、安全のことも考えて、複数の仲間たちと行くのですが、今回は一人で行く場合で考えてみます。みんなでキャンプしたとしても、眠る時は自分のテントで寝るわけですし、最低限の装備は、何人のキャンプになっても変わらないだろうなと。
想定(妄想)するキャンプのイメージは、こんな感じ。
気温はちょうど0度くらい。山中に少し開けた場所があり、雪が1メートルくらい積もっていて、ちらちらと雪が舞っている。そんな中、何をするでもなく、テントの外で雪の上に座って雪景色を眺めたり、降ってくる雪に埋もれてみたり、テントの中でシュラフに潜り込んでカップラーメンすすったり、本を読んだり。
そんな風に過ごす雪中キャンプのための装備をリストアップし、並べて見ました。
テント | |
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ドームテント(ダブルウォール) | スノーペグ / ペグハンマー |
就寝用の装備 | |
冬用シュラフ | スリーピングマット |
グランドシート | (コット) | 着るもの |
シェルジャケット | ダウンジャケット |
ダウンパンツ | インナー類 |
ネックウォーマー | ニットキャップ |
スノーブーツ | グローブ |
調理道具 | |
ガスストーブ | ガス缶 |
その他の装備 | |
卓上LEDライト | ヘッドライト |
耳栓 | 洗面具・トイレットペーパー |
使い捨てカイロ or 湯たんぽ | モバイルバッテリー |
先ほど「できればザック一つに入るボリュームに抑えて」と書きましたが、テント(The North Face Mountain 35)を入れてしまうと、他のものはもう何も入らなくなるので、目標がすでに破綻していますね。
このリストについて、いくつか補足を。
「ダウンパンツ」、本当はコレが欲しいのですが、
今は、U社製の暖かいパンツで我慢中。
「耳栓」は、吹雪になってテントがはためく音がうるさ過ぎて眠れない時などに重宝するアイテム。ちなみに、普段のキャンプでも必ず持参します。隣のテントの方が、なかなかのイビキ野郎でも安眠できる(笑)。
「モバイルバッテリー」は、寒いところだとバッテリーの消耗も早いので予備として。
悩みどころはコット
できるだけ快適に眠るためには、テント内の温度を下げ過ぎないことと、地面から伝わってくる冷温をいかに遮断するかの2点が特に重要なポイントになります。
前者は、テント室内を暖めるのではなく、ダブルウォールのテントをきっちりと設営して、外気温の影響を内部のテントに直接与えないようにすることを主対策として考えています。ドームテントは容積が小さく空気の出入りも少ないので、長時間室内にいれば室温は多少上がると思われます(*)。が、それでも一桁台でしょう。なので、室内にいる時は、コンフォート温度が-7度の冬用シュラフに潜り込んでいるのが基本になります。
後者については、地面の温度がいかに背中に伝わらないようにするかがポイント。コットがあれば、床の上(冷たさという意味では雪の上と同義)に直接眠るのと違って空間が生まれるので、地面に直接触れることなく眠れます。さらにコットの上にスリーピングマットを敷けば完璧、一番暖かく寝る方法だと思います。
絵にするとこんな感じ。
本音で言えば、コットなし、スリーピングマットのみで眠りたいんですよね。実際、キャンプ仲間のY氏が雪中キャンプ時に、そうして寝てましたし(Y氏は雪山で、雪洞で眠るような強者ですが…)
が、僕の愛用するスリーピングマット、EDELWEISS(エーデルワイス)は横幅が50cmしかなく、寝返りを打つとマットから外れて床に落ちてしまいます。自慢じゃありませんが、僕は非常に寝相が悪いので、ほぼ確実にスリーピングマットから外れ、床の冷たさで夜中に何度も起きてしまうのは目に見えています。
ひとまずコットは持参しておいて、スリーピングマットだけで試し、やはりダメならコットに登場してもらう(車から持ってくる)、という感じになりますかねぇ。
最後にひと工夫
これは吉と出るか凶と出るか分かりませんが、リストにある「グランドシート」を、シュラフカバーっぽく使ってみようかなと。
使う予定のテントは、ダブルウォールということもあって結露はほとんどしませんが、内部はかなり寒くなることが予想されます。
ダウンジャケットの記事でも書きましたが、ダウン製品のパフォーマンスを最大化するポイントは、温まった空気を外に逃さないこと。
そこで、シュラフの上にグランドシートを掛けて、できるだけ熱を逃さないようにしてみようかと。そう、羽毛の掛けふとんの上に薄手の毛布をかけて保温するのと同じ考え方です。
ただ、このシートの素材はタフタ(ポリエステル100%)なので、シートの下が結露してしまう可能性が高い。そうなると、結露でシュラフが濡れて保温性能が落ちたりするので、注意が必要です。気になって眠れないかも(笑)。
本当はこういうのを使うのが良いんでしょうけど、結露の心配は同じですね。
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そんなこんなで、ただいま仲間たちと2月中旬あたりでスケジュール調整中。2年ぶりの雪中キャンプ、楽しみだなぁ。
* 外気温とテント内の温度、実際に計ってみたいと思ってます。
こんにちわ。
熊、怖いですよね!
山登りしてるときによく熊を想像してどう戦うか妄想してますw
雪中ならマダニの心配もないので安心ですね。
そして、雪中キャンプ羨ましいです!
なかなか雪中キャンプが出来る猛者が周りにいないのでまだ未体験なんです。
友人同士なら、よりネイティブな環境で挑みたいですね!
「キャンプあーだこーだ」私も以前より参考にさせて頂いてます。ギアの紹介が本格的でとてもタメになりますよね。
雪中や登山等であればご存知かもしれませんが、「goatee outdoor」もスタイルの参考にしてますw
CISCOさん、コメントありがとうございます!
クマは怖いですね。特に最近は目撃情報をよく聞きますし。ツキノワグマなら命までとられることは少ないにしても、大怪我する可能性はやはり高いですから。とはいえ彼らのテリトリーにこちらから入って行ってスプレーなどで過剰に攻撃してしまうのも、なんだかなあという気もしますしね。
雪中キャンプ、最近はなかなか行かれてないですが、非日常感は最高に高まるので楽しいですよ! 近場のキャンプ場に積雪があればいいんですが、近年は温暖化のせいか山奥まで行かないと雪がなくて、田舎に住んでいるのになかなか気軽に雪中キャンプ、とはいかないんですよね。あ、今週末の寒波で、久しぶりに平野部にも雪積もりましたけど。妻からも「行ったらいいのに」と言われてたんですけど、風邪気味なのでまたまた行かれずでした(涙)。2月中旬の雪中キャンプに全てをかけます!(笑)
「goatee outdoor」、存じませんでした。すごく本格的にアウトドアされてる方なんですね、すごい。素敵なサイトをご紹介くださり、ありがとうございます! 🙂