最初に買うキャンプ道具は何にすべきか検討してみた
先日、友人に「ファミリーキャンプをはじめようと思うんだけど、まず何を買ったらいいだろうか」と相談されました。
キャンプをはじめようとする人が必ずする、そしてとても難しい質問ですよね。
「まず何を買ったらいいだろうか」と質問した友人は、実はすでにキャンプ道具を買っていました。
飯盒(はんごう)です。
写真は友人が購入した飯盒ではなく、イメージです。画像出典:Amazon
当然のことながら「え、最初に買った道具が飯盒? なぜ??」と思わず質問を返してしまいましたが、僕のキャンプ仲間に、初めて買った道具が焚き火用の手袋というツワモノ(変人)がおり、免疫ができていたのか、腰は抜かさずにすみました(笑)。
今でこそ、道具がばっちり揃っている人でも、一番最初に買った道具を聞いてみると、意外と「えー、なにそれ!」という答えが返ってくるのかも知れません。今度、みんなに聞いてみよう。
ちなみに僕にとっての最初のキャンプ道具は、一泊で沢登りするために買ったテント、シュラフ、スリーピングマットなどがそうでした(*)。
キャンプに必要な道具たち
さて、また誰かから同じ質問があった場合、何度も同じことを話したり説明するのはアレなので、「この記事を読んでみて!」と言えるように、自分の考えをあらためて整理しつつ、記事にまとめておこうと思います。
まず、何を買うべきかを考える前に、キャンプに必要な道具は何か? をまとめておきましょう。
ここにあるのは全て必須アイテムというわけではありませんが、仮に半分でも買い揃えるのは、かなりのお金がかかりますよね。
だからこそ、限られた予算の中で「何を最初に買うべきか」と、みんな悩むわけです。
何を買うかより、どんなキャンプがしたいか
一方で、アドバイスをする側も悩みます。
その人が、どんなキャンプがしたいのか、当の本人も分かっていない場合が多いからです。
同じファミリーキャンプでも、グランピングのようなラグジュアリーなキャンプをイメージしている人もいれば、テントの設営や薪拾い、料理までがっつり自分たちでやり、自然の中での営みを体感したい人もいます。
グランピング。さすがに個人でここまでの規模は無理ですね(写真出典:Circus Outdoor)
ただし、家族のキャンプ計画の中心人物(大抵はお父さんですよね)だけの考えを反映させると「家族が誰も一緒に来てくれない」といった悲しい結末になりがちです。
特に「お母さん(妻)がインドア派」の場合、何の事前情報もなくキャンプに誘っても、前向きに参加してもらうのは難しいかも知れません。
でも対策があって、例えば、NORDISKのアスガルドのようなテントにガーランドを飾れば、子どもだけでなくお母さんも「わー!」と盛り上がること間違いなしでしょう。
なぜキャンプ道具を買うかと言えば、楽しいキャンプを実現するためなわけで、となると、家族(特にお母さん)のアウトドアへの嗜好性も検討すべきポイントになってくるわけです(ちなみにこの記事は、誰かを留守番させることなく家族みんなでキャンプする!という前提で書いています)。
しかし、こうした大掛かりなテントを毎回お父さん一人で設営し、その他の用意も中心になってこなすことが求められてしまうと、お父さんはまるでグランピング施設のスタッフみたいになってしまうし、そうなると、疲れて楽しめないかも知れません(ホストになるのが好きな人は別です、僕のように)。
このように、キャンプ道具はスタイルやデザインだけでなく、性能やスペック、設営や撤収の簡便性はもちろんのこと、家族の嗜好性、キャンプの年間実施予定回数、予算など、いろいろな要素を踏まえて、どんなキャンプをするか方向性を決めてから、具体的に考えるのが良いのかなと。
最初に何を買うべきか
が、キャンプをやったことのない人に、そこまで具体的にイメージを膨らませてから検討してみてよと言っても、難しいのもまた事実。
イメージを膨らませるほどの材料がないなら、やはり一度キャンプに行って、体験してみるしかありません。
そこで、その初キャンプの記念になるようなものを選び、それを最初のキャンプ道具とするのはどうでしょうか。
できるだけ小さくて、機能性を要求せず、のちにテントやタープや椅子を買い揃えていっても全体の統一感に影響を与えることのない、そんな何か。
僕のオススメは、カップです。
例えばこんなウッディーなカップはどうでしょうか(写真出典:Jin Akihiro Woodworks)
(え? カップ? 何それ? という声が聞こえてきそうですが……)
もし家族が4人なら4人分のカップを買い揃えてキャンプに出かけ、そのカップで淹れたてのコーヒーやスープ、ジュースや牛乳を飲んだりするわけです。
もし家族が増えたら、同じカップを買い足します。
カップは、自宅の居間など、くつろぎのスペースに飾るようにして置きます。それを見ることで「またキャンプ行きたいねー」といった会話が自然に生まれるかも知れません。
むしろ何を買わないかが重要
これまで「最初に何を買うべきか」というテーマでつらつらと書いてきましたが、結局のところ、逆に「(最初に焦って)何を買わないか」が大切ではないかと感じています。
「初めてのキャンプ!」ということでテンションが上がり、限定された予算のなかであれこれ揃えると、厳選したつもりでも後になって「あー、これは正直、失敗だったワー」というのはよく聞く話。
「これ」が比較的安いアイテムならまだしも、テントやタープ、シュラフやチェアなど、値の張る大物だったら、買い替えするのも大変です。最初に買うアイテムは比較的安価でも、「あれにしておけば良かったな」という製品は大抵ちょっとばかし高額になりがちですしね。
そうした大物、例えばテントやタープは、キャンプ経験の長い人であれば上記のような過程を経て幾つかの製品を所有しているでしょうから借りればいいし、借してくれる人が身近にいなければ、レンタルできるキャンプ場を選ぶのもテです。
暖かい季節であればシュラフなんて不要、自宅で使っているタオルケットか毛布で十分だし、チェアもなければグランドシート(レジャーシート)を敷いて座ればいいわけです。
そして、キャンプ場をみんなで散歩して、かっこいいなーと思うスタイルでキャンプしている人、サイトを探しましょう。よそのテントサイトをじろじろ見るのはマナー違反ですが、デザインや雰囲気だけでなく、使い勝手なども分かると思います。
きっと「僕ら家族にはこのキャンプスタイルが良さそうだ」というのが見えてくると思います。
その時にまた、身近なキャンプの達人である友人に聞いてみましょう。「こんな感じのキャンプしたいんだけど、何から買い揃えていったらいいかな」と。
質問した相手がベテランで情報通なキャンパーなら、きっと的確なアドバイスをもらえるでしょう。
「いやいや、そんなのんびりした話じゃないの! 来週のキャンプにむけてある程度自前でアイテム揃えたいから、ざっくりと初心者におすすめの製品を紹介してよ!」という方は、Amazonの「キャンプ初心者ストア」や(すごい名前ですね)、Googleなどで検索してみてください。素敵なオススメ記事がたくさん出てきますよ。
あ、僕の友人が出版した「新しいキャンプの教科書」ももちろん、かなり役立ちますので、ぜひチェックしてみてください。
基本的に、自分がこの質問を受けた場合は、「自分が持っているキャンプ道具から必要なものを貸すので、それを使って実際にキャンプしながら、いろいろ考えてみたら?」と話しています。どうしても何か買いたいという場合は、本文にも書いたように、小さなものを購入するようにおすすめしています。そういう意味では、飯盒や焚き火用グローブは、aw的に言えば正解ですね
* テントはThe North FaceのSlickrock、シュラフはモンベルの#4(現在は廃番)、スリーピングマットはU.L.コンフォートシステム アルパインパッドなど。その他、ストーブやコッヘルなども買いました。
私が最初に購入したのはテント・シュラフ・マットにチェア・ダッチオーブン・テーブルとカトラリー等々・・・ほぼ全部を最初に購入しました(笑
もはやキャンプを楽しむことより、キャンプ道具を選んでいる時が一番楽しかったという本末転倒の極みでしたね(T T)
だからこそ今は「どんなキャンプがしたいか」、そのために「何を買わないか」を考える大切さが身に染みています。すごく遠回りではありますが、一気に買い揃えていった道具を断捨離している最中です。(キャンプを始める前にこちらのブログに出会いたかったです)
「新しいキャンプの教科書」
もちろん愛読させていただいております♪
Sayさん、いつもコメントありがとうございます!
いやー、結局こういう記事が書けるというのは、僕も同じように失敗と後悔を繰り返してきたからなわけで、最初から計画的に買い揃えていくというのはなかなか難しいことですよね。道具選びは本当に楽しいですしね(笑)。
今年から子どもと一緒にキャンプするための道具が必要になったので、これについてはしっかりと計画的に準備できたらなーと思っているところです 🙂