ソロキャンプの収納について久しぶりに熟考してみた(前)
今日はキャンプ、特に冬季ソロの収納にまつわる悩みについて考えてみました。書いてて自分が情けなくなりましたが、その理由はぜひお読みいただければと。
以前から僕は、自分のキャンプアイテムの収納に課題が多いと感じていました。
と書くと、対策を講じるべき課題を具体的に把握してはいるが時間がなくて実行できていない、という印象を与えてしまうかも知れませんが実際は全く異なります。
もっと漠然とした不満、不安です。
荷物が少なくなる春や秋はそのことをすっかり忘れてしまうんですが、雪中キャンプの時期がやってくると、その不安な気持ちが再燃するのです。
その不安を起点に、2年前はモンベルの80Lのバックパックを買い、
from: 山中の河原で雪中キャンプしてみた
昨年はソリを自作して、バックパックに入り切らない荷物(主に薪や食材)を載せて雪上を移動できるようにしました。
from: 恩原高原に雪中キャンプに行ってきた ’21
ちなみにこのただのプラ板に見えるソリは、荷物を載せて引いた途端に破損しましたが(笑)、今年もまた性懲りもなく新しいアイディアを温めているので、また別途共有したいと思っています。
さて、以上2つの例を見ていただくと分かるとおり、これまでの僕は収納に関する不安に対して大きなバッグやソリなど、収納力や運搬力を高めることで対処しようとしてきました。
実は僕が抱いている不安の原因は全然別のところにあったわけですが、「なぜ自分は不安を感じているのか」「何が本当の問題なのか」について考えることなく、今回も大きな容量の製品を選定するところから検討をスタートさせてしまいました(懲りない男です)。
ダッフルバッグを検討してみた
今回、僕が収納の改善策として最初に考えたのは、バックパックように背負うこともできる大容量のダッフルバッグ、例えばパタゴニア ブラックホールダッフル100Lのような製品の導入でした。
画像出典: Patagonia
キッカケの一つは、僕の友人がThe North Faceのダッフルバッグを使っていて(*)とにかく便利だと話していたことですが、僕も同じようなバッグを買えば不安は解消されると真面目に思ってしまったからです(…)。
さて、ダッフルバッグとバックパックの違い、かなりざっくり整理するとこんな感じ。
バックパック | ダッフルバッグ |
---|---|
開口部が最上部にしかない製品が多く、最下部にある内容物の取り出しが面倒 | 開口部が大きいので、内容物を収めたまま一覧できてアクセスも容易 |
背負った時のホールド感やバランスなどの機能性が高いので、長距離移動に向いている | 背負って長距離移動するという用途には向いていない |
確かに、ダッフルバッグの巨大な開口部は魅力的です。
画像出典: Patagonia
荷物の出し入れが容易なのはもちろん、内容物をひとめで見渡すことができるので、必要なアイテムだけを必要な時にサッと取り出すことができます。バックパックのように一番下にある荷物を取り出すためにいったん中身を全部出す、なんてことをする必要はありません。
何かと細かなアイテムを使うことの多い食事の場面などでは特に有用で、ダッフルバッグを傍に置いておく、これすなわち全アイテムが傍にあるということであり、しかもすぐにサッと取り出せるので「あ、そういえばアレもいるな」とテントに取りに戻るといった無駄な行動もなくなります。
また、ダッフルバッグはある程度の高さもあり、上面となる部分の面積も広いので、ちょっとしたものを置くテーブルの役割もしてくれそう(な気がします)。
うーむ、確かにこれは良さげ………。
ところが、多めの賢者タイムを設けてよくよく考えていくうちに、僕が感じている不満、不安の解決策はそこじゃないかも、と思えてきたんです(ようやく)。
バックパックによるパッキングの方法はアクティビティによって変わってきますが、僕の雪中キャンプのようにそれほど長い距離を移動しない場合は、背負った時のバランスよりも、何から先に取り出す必要があるかを重視してパッキングしても全く問題ないわけです。
パックパックの最上部にテントを入れておき、サイト到着時にテントだけ出して設営。その後、バックパックの中身をテント内に全て出してキレイに並べておけば、いつも傍に置いておくことはできないものの、それほど不便ではなさそうです(だっていつも全てのアイテムが必要なわけではないんですから)。
いや、思い返してみると普段からそうしていたのに、どうも上手くいかないと不満を感じてきたわけです。
そこをしっかり掘り下げて考えてみて、この不満/不安の原因が、テント内に広げたアイテムが用途や使用場面ごとに正しく分類されていないために求めているアイテムをすぐに見つけられない/携行しづらいから、食事中に「あ、アレがいるわ」と気づいて何度もテントに戻っていたから、であることに今回ようやく気づきまして(……)。
仮に、テントサイトに車を横付けできるとしても、荷物を分類収納せず車の中に個々に放り込んだ状態だとメチャ不便であることは簡単に想像できますが、車をバックパックに置き換えて考えてみたことがなかったわけなんです。
つまり、僕に必要なのは大容量のダッフルバッグではなく、アイテムを分類ごとにしっかり収納できるオーガナイザーであり、まずは、あらゆるアイテムがしっかり分類されそれぞれの収納具に収まっているという状況にすることが喫緊の課題であることが分かりました。
(ファミキャンだと道具の数が多いので、こんな感じのコンテナを複数使っていますが、雪中キャンプは徒歩移動のため一つのバッグに詰め込むのが基本ですから、こうしたハードケースは使えないですね)
本当になぜこんな当然のことに気付けないのか、いや、昔はしっかりそこにフォーカスして道具を準備していた気がするのに、なぜ最近はすっかり忘れてしまっていたのか。
その理由も今なら明確に分かりますが詳細は後述するとして、今回もまた検討のスタート地点を大型の収納具にしてしまった理由をまずお伝えしましょう。
ただ単にパタゴニアのブラックホールダッフルが欲しかったのです(笑)。
それで収納問題と物欲をごっちゃにして、買わねばならぬ状況をつくり出そうとしていたのだと思います。この欲求が根底にあることに、当初は全く気づいてませんでした……いや〜、ダメなヤツです、全く。
というわけで、本当の問題に向き合い、分類別にアイテムを収めるための小さめの収納具に対象を変えて検討を進めたいと思います。
続きはまた次回。
* 記事「林間キャンプの動画を公開した」内の動画をご覧いただくと、友人のダッフルバッグの有能さ(というか友人の有能さ、ですね)をご覧いただくことができます。