T町ハウスの改修 – 砂壁に漆喰を塗る(下塗り編)
T町ハウスのジャパニーズホラー映画のセットっぽい和室の雰囲気を変えるため、砂壁を漆喰に塗り替える作業を始め、先週末は養生(マスキング)まで実施しました。
次のステップは、下塗り材の塗装です。
翌週末はトム(妻)と子どもが不在だったので、届いた塗料を持ってひとりT町ハウスへ向かい、「よーし、下塗りを全面終わらせて驚かせてやる!」と意気込んで作業を開始しました。
下塗り材
PAJOLISさんから買った塗料は、この3つ。左からEF水性マルチシーラー(16kg)、EFヌーボーD12「白雪姫の肌」(4L)、EF漆喰easy(16kg)です。
このうち、EF水性マルチシーラーが下塗り材です。まずこれを砂壁に二度塗りしてから、EF漆喰easyを塗っていきます。
このEF水性マルチシーラーは「特殊カチオン変性アクリルエマルションでヤニ止め、アク止め、吸込み防止機能」を持っているとのこと。とにかく、下塗り材を十分に塗っておかないと、最後に漆喰を塗る際に、砂壁が漆喰を吸収してしまったり、ムラやアクが出て綺麗に仕上げられないみたいです。
やはり塗装も、仕事でもなんでも、見えないところのものほど重要ってわけですね。ちなみに、写真に写っている3つの中でも、EF水性マルチシーラーは一番値段も高いです。
下塗り1回目
まず、ローラーでは塗れない、柱や梁に近い隅の部分、いわゆるヘリの部分を刷毛で塗っていきます。
顔がコワイ……
ヘリという丁寧さが求められる箇所を塗るということで、刷毛は幅が5cmくらいのものを準備しました。結果として、このサイズで良かったと思います。
しかし、相手が砂壁なので下塗り材のノリが悪く、水を加えてやや粘度を下げてみても今度はどんどん吸収されてしまう…… 作業に慣れないこともあって思った以上に時間がかかり、結局この日は6時間ほど作業して、全体の10%もできませんでした(涙)。
「下塗り1回目、終わったで!」「えー! 早い!」という驚きの反応をトムから引き出す予定でしたが、完全に妄想に終わりました。
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翌日はトムやトムの妹たちにも参加してもらい、3人体制で実施!(そのうち一人は子どもの面倒を見ていて、実質2人体制でしたが)。
ヘリと大きな面を手分けして作業し、何とか1回目の下塗りを完了。
刷毛で塗ったヘリの部分が濃く、ローラーで塗った面の部分が薄くなってますね。
下塗り1回目の所要時間は、初日の僕のスタートダッシュの失敗もあり、2日間でした。
下塗り2回目
二度目の下塗りは、昼休憩にT町ハウスに弁当を持参して食べ、残った時間を作業に充てるかたちで、翌月曜日からの平日に実施。デスクワークの僕にとって、自宅からT町ハウスまでの往復10分弱の散歩や塗装という立ち仕事が、いいリフレッシュになりました。
短時間の作業でも、一度下塗り材を塗っていることで比較的塗りやすく、時間あたりの作業面積は1回目とは比較にならないほど広くなりました。
しかし、問題がなかったかと言えばそうではなく、意外と悩んだのが、「どれくらい塗ればいいのか?」ということでした。
作業工程から塗料の購入まで何かとお世話になっているPAJOLISさんのサイトを見る限り、それほど厚く塗っているようには見えません。
出典:PAJOLIS.com
が、この写真を見ると、PAJOLISさんとこの砂壁はT町ハウスのそれとは種類が若干違うよう。T町ハウスの砂壁は至近距離で見ると小さな凹凸がたくさんあり、黒や白や金や銀などいろんな色のゴマみたいなブツがたくさん付着しています。
下塗り材を結構厚く塗っているにもかかわらず、地肌がそのまま出てしまっているように見えるところが結構あるんですよね。
とりあえず僕たちは、下塗り材も多めに準備していたこともあり、全体がある程度均一に白っぽくなるまで塗ってみました。
ちょっと塗りムラのある部分もありますが、、、ひとまず、下塗りはこれで終了!
室内の壁を塗装する際に、あって良かったもの
壁の塗装は僕たちにとって初めての経験だったので、やってみてから気づくこともたくさんありました。そんなアレコレを備忘録的に書いておきたいと思います。
軍手
何を今更、と言われそうですが(笑)、そう「軍手」です。
ヘリに塗料を塗っていると、マスキングテープで養生しているとはいえ、どうしてもそれを越えて塗料がはみ出してしまうことがあります。僕のように不器用だと、かなりの頻度ではみ出してしまうんですよね。
そんな時に、軍手をはめた指先でピッとぬぐうと、柱や梁に着いた塗料を綺麗にぬぐうことができます。で、これを繰り返していると、1日の作業が終わる頃には軍手が塗料まみれになっているわけです。
下塗り材は白いので分かりづらいですが、実は結構しっとりしています(笑)。
そんなわけで、軍手はいくらあっても困りません!
大と小、2サイズの脚立
壁塗りは高い位置で作業することもあります。これもまた「何を今更」というところですが、お次の便利アイテムは脚立。ですが、大と小の2サイズあると便利、というところがポイントです。
低いところを塗る場合は小さな脚立に塗料を置いて塗り、高いところを塗る場合は大きな脚立に塗料を置き、小さな脚立に乗って塗ると、実に作業がしやすかったです。
T町ハウスにたまたまこの2つの脚立があったので助かりましたが、もしなかったら、作業がかなり大変になっていたと思われます。
ヘッドライト
古い家の照明ってあまり明るくないことが多いように思うのですが、T町ハウスもやはりそうで、天井の四隅あたりの壁を塗ろうとすると、自分の影も重なって薄暗くなってしまい、ヘリの部分など、細かい部分が非常に見づらくなります。
そんな時は、アウトドア用のヘッドライトです。
夕暮れ時での特に部屋が薄暗くなる時間帯での作業を、かなり助けてくれましたよ!
急ぐと楽しくない
始める前は、2〜3日で終わるんじゃないかと思っていた下塗り作業も始めてみれば、ベッタリではないものの1週間。
なかなか作業が進まなかった初日、「結構時間かかるなぁ」と少し後ろ向きに考えてしまったことがありました。
ふとそんな時に気づいたわけです。「あぁ、早く仕上げたいと急ぐから、この作業が楽しくなくなっちゃってるんだな」と。
それに気づいてからは、どうすれば早く終わるかではなく、どうすればこの作業が楽しくなるかを考えるようになりました。基本的には同じことをやってるんですが、ちょっとしたことを工夫してみたり、どうせ時間がかかるならと丁寧に作業してみたり。
考え方を変えるだけで随分変わるものなんだなと、あらためて気付かされた次第。実際のところ、特に急ぐ理由もなかったわけで、最初からのんびりゆっくりやれば良かったんですよね。
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さて、次はいよいよ、漆喰(EF漆喰easy)を塗って仕上げます!
いつも楽しみに見させて頂いています!
僕も新築で漆喰を自分で塗っているのですが、ロハスウォールという、天然素材の漆喰を使用しています。
漆喰そのものの効果(シックハウス症候群の原因となる科学物質を分解する)をそれほどお求めにならない場合は気にしないで頂きたいのですが、
お使いの材料を調べてみたところ、
漆喰塗料という分類で、8科学物質放出基準クリアと記載がありました。
科学物質の放出があるということだと思われます。
基準をクリアされてきるので、僕がキニシスギ+ロハスウォールさんの受け売りが含まれているので、お使いの材料が悪いと言いたいのではなく、本当にこちらのブロックにはいつも自分の方向性に合った情報を頂いているので、何か少しでも返すことがでにればとデシャバッタ次第です。
漆喰塗りの苦労を分かっていながら、水をさすようなコメント失礼しました。
これからも楽しみにしています!
なかむらりょうさん、コメントありがとうございます!
そして、いつもブログをお読みくださっているとのこと、ありがとうございます 🙂
新築のご自宅に漆喰を塗られたんですね、すごい! しかもこのロハスウォールというのは練ってはあるもののコテで塗る本格的なタイプの漆喰ですね。ますますスゴイです!
僕たちは比較的容易に漆喰壁にできるということで、EF漆喰easyを選びましたが、他店での価格を調べている最中に、日本漆喰協会の化学物質放散自主認定制度というのがあるのを知りました。なかむらさんがコメントされているとおり、基準値以下であるということは、ゼロではないということになるんだと思いますが、僕たちは絶対的安全を求めるタイプではないので、基本的には「基準値以下であれば問題ないね」ということで、購入しました。幼い子どもがいますし、もしアレルギー体質であればもっと重視していたポイントかも知れませんね。
貴重なご意見をありがとうございます! またお気付きの点があればコメントくださいませ。