ミシンの専門店に行ってみた
どう考えてみても、やはり必要だなと。そういう結論に達したわけです。
え? 何が? って、もちろんミシンです。
例えば、自分や子どものザック、サコッシュなど身につけるものを作ったり、タープやシェルターを作ったり、薪バッグを改良したりと、要するにもうちょっとMYOGを進めていきたいわけですが、そこでどうしても必要になるのがミシン。
最近、いろんなMYOGな人たちのブログを読むのが楽しいのですが(例えばこの方のブログとか。アガりますよ!)、やっぱりミシンが登場してくるわけなんです。
しかし、「ミシンの選び方 初心者」などで検索してみるも、SEO業者(*)が作ったと思しき情報サイトばかりが上位に表示されてしまい、しかもそれらはミラーサイトのごとく情報が似たり寄ったりで、さらに数年前から更新されてないような内容ばかり。
ネットでの検索がイマイチ使えないなら、お店に行くしかない!
ということで、商店街に暮らしているメリットを生かして、歩いて3分と近所のミシン専門店に行ってみました。
町のミシン屋さんに行ってみた
いや〜、楽しい時間でした。
キャリアの長そうな初老のスタッフが対応してくれたんですが、実際の製品を見ながらの説明は、専門的な内容でもずいぶんと分かりやすく、何よりネットショッピングでは不可能なFace to Faceのやりとりが本当に楽しかったですね。
思わず、即購入しそうになりましたが、やはりなかなかの出費になりそうなので、一晩、賢者タイムを設けるため、資料をもらって帰ってきました。
さて、お店で初老スタッフに僕が伝えた内容は以下のとおり。
- 予算は5万円
- 仕事用ではなく、個人的な楽しみのために使うが、ある程度は技術を高めていきたいと思っている
- まず作りたいと思っているものは、ナイロン製のポシェット(サコッシュ)やザックなど
- 帆布などの厚めの生地を縫う可能性あり
- 衣類の補修、カーテン、雑巾づくりなども
- ミシンの基本的な使い手が身近にいる(妻や義母)
これに対して、初老スタッフは、まず1万円強の超エントリーモデルの製品を前に説明を始めました。10数種類の縫い方がボタン一つで選べ、一連の操作もとても簡単にできる。大抵のモノも縫えると。
そして「持ち上げてみてください」と言うので、上部に付いていたハンドルを掴んで持ち上げてみました。
「すごく軽いですね」
僕が言うと、
「そうなんです。軽さは最近のお客さんが求めるポイントの一つですが、それによって失ってしまうものもあるわけですよ」
そう言って、この商品の前に誘導されました。JUKIの業務用マシン「SL-300EX」です。
「これ、持ってみてください」
と初老のスタッフ。持ってみると、
「うわ、すごく重いですね!」
感覚値としては10倍以上、ズッシリと重く感じて、思わず大きな声が出てしまいました。
「重いでしょう。駆動させるためのモーターも大きいし、それぞれのパーツも金属製で頑丈にできてるんですよ。ところが、さっき持ってもらった軽い商品は、頑丈さよりも軽さを優先させたわけなんですよ」
初老のスタッフは僕を奥のオフィスまで連れていきました。職員用のデスクの上に置いてあった修理中の内部装置を手に取って、
「このギア部分はプラスチックです。こっちの部品もそう。本来ならここは金属がいい。でも重いのは嫌だという声が多いのも確かなので、できるだけ軽くするために、プラスチックで代用できる部分についてはそうしてるんですよ」
「なるほど。さっき見たSL-300EXは重いけれどもモーターも大きいし、部品も金属製でしっかりしてるから頑丈なんですね。ちなみに、修理中というのはこの割れた部分ですか?」
半分に割れてしまっている小さなパーツを指差して尋ねると、
「そうです。これも軽量化のためにプラスチックにしてありますね。このミシンは1万円ちょっとの商品ですが、この修理には2万円もかかるんですよ。この壊れたパーツを交換するために、これ全部バラして組み直さなきゃいけないもんですからね」
と教えてくれました。
「ミシン選びの重要なポイントとして、軽さか、頑丈さか、みたいなところがあるわけですね。それがそのまま安い、高いだと。僕はできるだけ長く使いたいので、やっぱり頑丈で、しっかり縫える製品がいいですね」
そう僕が言うと、初老のスタッフは、
「実は、業務用の良い出物(中古品)もあるんですよ。でもお客さんにはコレがいいんじゃないかな〜」
と、1枚の製品チラシをくれました。
「このHZL-310は家庭用モデルだけどとても頑丈だし、基本的な性能はもちろん、糸調子(*)も自動でやってくれるし、お客さんの条件はだいたいカバーしていて、いいと思いますよ。値段も半額は無理だけど、(メーカー希望小売価格)12万円を7万まで値引きできますよ!」
「ほっほー!」
と、即購入しそうになったところを踏み止まり(そもそも財布を持って行ってなかったのですが)、チラシをもらって帰宅した次第。
業務用のSL-300EXほど無骨なかっこよさはありませんが、まあ、それなりにシンプルで、確かに機能も十分そう。
さて、今夜、食後あたりにトム(妻)に相談してみようと思っています。
* SEO業者:SEO(Search Engine Optimization)業者とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、検索結果上位に表示させるための施策を請負う事業者のこと。
* 糸調子:ミシンは布の上下両方から針を通し、上糸と下糸で交差するように塗っていくが、上下それぞれの糸を抜く力のバランスが合わないと上と下で縫い目がガタガタになってしまう。このバランスをとることを糸調子といい、自動でない場合は、試し縫いをしながらバランスをとって縫い目をきれいにする作業が必要となる(結構、面倒な作業なのです)。