スイスに行ってきた話 その5 その他もろもろ編
スイス旅行の最後の記事は、いろいろなアレコレについて書いてみたいと思います。
スイスフランの両替、どこでやる?
スイスでは現金を使うことがほぼなかったのですが、いちおう入国する際は2万円ほど現金化しました。
EUに加盟していないスイスの通貨はスイス・フラン(CHF)です。関西国際空港(KIX)や羽田国際空港(HND)の両替所では取り扱いがありますが、今回僕たちが使った米子鬼太郎空港(YGJ)では取り扱いがないので両替えできません。
YGJでの両替は両替機です。僕たちがYGJを利用した3/14は使用停止中でした
で、結局、チューリヒ・クローテン国際空港(ZRH)到着地に、到着ロビー付近の両替所(Travelex)を利用することにしました。
本来、1CHFがいくらの円と交換できるのか、両替前にしっかりレートを確認する必要があります(不満があっても、そこで両替せざるを得ないのですが)。しかし、エフちゃんたちが出口付近で待ってくれていたので急いで両替え。実際のレートがいくらだったのか確認しませんでした。
確認したのはエフちゃん宅に着き、荷物を解いて食事と風呂を済ませ、さあ寝るかとなった時。「レートいくらだったんだろう」と財布からレシートを取り出して、驚愕。
日本円で2万円を渡し、口頭でも「日本円からスイスフランに」と伝えたのに、なぜか2万 Mauritian Rupee(モーリシャス・ルピー)をスイスフランに両替えしたことになっていたのです。
2万円をスイスフランに両替えすると約120CHFになりますが、モーリシャス・ルピー(Rs)は円に対しておよそ2倍の価値(1円≒2Rs)があるので、306.73CHF、日本円にして約5万1000円にもなります。
ブラジルに行く時は往路と復路、2度の両替で持っていた日本円が約半分になりましたが……こんなこともあるんですねぇ。
スイスの物価
エフちゃんが留学生として我が家に滞在していた時、よく言ってたのがスイスの物価の高さ。
飲食店は確かに高かったですが、COOPやMIGROS(ミグロス)といったスーパーマーケット※1は思ったほどの高さではありませんでした。いや、もちろん高いのですが、僕たちは観光客として短い期間滞在しているだけということもあり「オーッ!マジで高ェ!」と、ある種のエンタメになっていた気がします。実際にそこで暮らすとなると、なかなか厳しいものがありますね。
食料品店内にあるチーズコーナーが本格的過ぎる
海外の食料品店はどの国に行っても果物の種類が多いですね
帰国する日、ZRHのスターバックスでエフちゃんとエフちゃんのママ、アンお母さん、僕たち3人の合計5人でお茶をしたのですが、支払いはおよそ9000円。日本の倍くらいの感覚ですかね。
これでは気軽に「お茶しよう」とはなりませんよねぇ。
スイス航空
韓国からスイスに渡る際に利用したスイス航空。
ANAと同じスターアライアンス(SA)メンバーであるルフトハンザ(Lufthansa)のWEBサイトから予約したら、同じくSAメンバーであり、ルフトハンザグループのスイス航空の便が提案され、予約したという流れです。
若い頃スキューバダイビングでフィリピンなど近場には何度か行き、昨年は海外出張が続きましたが、基本的にはそれほど頻繁に海外へ行く生活をしているわけではなく、よって色々な航空会社を比較して論評できるような経験はありません。
のうえでの感想としては、スイス航空、良かったです。
何が良かったかと言いますと、食事です。
僕たちはエコノミークラスの利用でしたが、搭乗後しばらくしてドリンクとスナックの提供があり、
このビールが気に入ったので、スイスでも飲んでました。ワインも美味でした
その後、チキンとパスタ(菜食主義者用)から選べる食事、軽食(サンドイッチ)、アイスクリーム(ハーゲンダッツ)、2度目の食事という感じ。
2度の食事はいずれもおいしくて、これまで僕が経験してきた国際線の機内食の中では一番美味しいと感じました。サンドイッチは食べていませんが、近くの人が食べているのを見て、美味しそうに見えました(サンドイッチ好きとしては、満腹だろうがなんだろうが食べておくべきでしたね……)。ハーゲンダッツは安定のお味。
椅子に座っているだけでもこれだけ提供されるのですが、もっと食べたい人は、機内後部のギャレー付近にあるフードカウンター的なところから、パンやカップ麺、ビールなどを自由に利用できました。前の記事にも書きましたが、韓国発ということで辛ラーメンを食べている人が多いのが印象的でした。
映画等のエンタメ系コンテンツは利用しなかったのですが、日本語で利用できる作品はほとんどない(というか全くない)ようでした。韓国発のフライトですから、致し方ないですね。
長時間のフライトとなる国際線に何を求めるかは人それぞれだと思いますので、人によっては評価が全く異なることもあるでしょう。多くの利用者によるスイス航空に対する評価が、旅行ログサイト「フォートラベル」にまとめられていますので、気になる方は覗いてみてください。
また航空会社を安全性の観点から評価し、一般人も利用者としてレビューを投稿できるAirlineRaitings.comでは、英語圏での評価を見ることができます。スイス航空に安全性に懸念はないとの評価ながら、サービスやトラブル対応に対する評価は高くありません。いくつか低評価のレビューを読んでみましたが、特にトラブルがあった時の対応が評価を下げる大きな要因となっているようです。2024年1月に起きた「羽田空港地上衝突事故※2」ような生死に関わるような事故が起きた時は、しっかり対応してもらえるはずだと信じておりますが。
航空機内で使ったアイテム
さて、機内で快適に過ごすためのアイテム準備に余念のない僕ですが、今回はトム(妻)と娘が一緒ということで、アイテムリストをイチから見直しました。とはいえ、ここ数年で何度かの旅行を経てブラッシュアップされており、僕個人としてはほぼ完成しているリスト。
そこに新たに追加したのが、吊り下げ式の足置きです。
出典:Amazon
以前、インフレータブルの足置きを機内に持ち込んだものの、客室乗務員から即座に使用NGを喰らって以降、足置きの導入は見合わせていたのですが、娘に少しでも足を伸ばして眠れる環境を提供したく、使い勝手が分からぬまま購入に踏み切りました。
結果としては、満足。かなり良い仕事をしてくれました。
前席の背面についているテーブルに吊り下げるかたちで設置するのでやや安定性に欠けますが、一度足を乗せてしまえばその重みで、大きく足を動かしたりしなければズレたり外れたりはしません。
3列シートの中央に吊るせば、両サイドから2人が足を置くこともでき、アイディア次第でいろいろと使い道は広がりそうな気がします。
eSIM
この度のスイス旅行では、時間の長短はありますが、韓国、スイス、ドイツの3か国に滞在。どの国にいてもスマホが使えるように、海外旅行ではいつも使っているeSIMサービス「airalo」を利用しました(旅系YouTuber「おさだ」のイチオシアプリです)。
道中で万が一、娘とはぐれてしまったりなど不測の事態が起きた時のために、娘にもスマホを持たせていましたので、僕とトム、娘のスマホ全員にairaloをインストールしておきました。
airaloは旅先の国ごとにデータ容量と期間でeSIMを選び購入するのが基本。今回の旅だと、主たる滞在地であるスイスで使えるeSIMを購入するのが一般的ですが、先にも書いたとおり、滞在先は3か国。不測の事態はどこで起きるか分からないので、スイスでだけスマホが繋がる状況では不安が残ります。
airaloはアジアやアフリカ、北米といった地域別のeSIMも用意していますので、「ヨーロッパ」を購入すれば、スイスとドイツの2か国はカバーできます。しかしアジアに属す韓国では使えないことになります。
そこで、価格は割高になりますが、全世界を網羅するグローバル(Discover)を選びました。
どの国にいても、airaloが提携しているその国のキャリアと自動的に繋がるので非常に楽ちんです。
airalo以外にもeSIMアプリはたくさんありますが、本当に便利なサービスですよね。レンタルのWiFi機器を持ち歩いてた時代が嘘のようです。
9歳の娘との海外旅行
このスイス旅行が、家族3人で行く初めての海外旅行となりましたが、本当に楽しかったですね。娘も「またスイス行きたい」と言ってますし、彼女なりに楽しんだようで、親としてはホッとしています。
ただ、大人と子供の旅の楽しみ方、楽しいポイントはまるっきり違います。壮大で美しい景色をただ眺めていたり、食べたことのない地元料理に挑戦することが、子供にとって楽しいことであるとは限りません。むしろ、苦行となる場合があります。
分かっていたことではありましたが、あえて娘だけに合わせたイベントを旅程に入れることはせず、エフちゃんたちとの交流を中心に、移動を極力抑えたシンプルな観光旅行にしました。
アンお母さんと娘。ドイツ コンスタンツの古着屋さんで
ただし食事は、食べられないとなると楽しめる楽しめない以前の問題になってしまうので、レストランはほぼ利用せず、スーパーマーケットで娘でも食べられるものを選んでホテルで食べるようにしました(地元の人たちがふだん利用している店での買い物や、そこで買った品を食べるだけでも、大人にとっては十分な娯楽にはなりますが)。日本から持参したパックごはんやインスタント味噌汁は、娘にとって強い味方になってくれました。次回も必携ですね。
心配していた時差ボケは、往路では少し見られましたが、復路はドイツから韓国、韓国から日本の2フライト中ぐっすり眠り、さらには夕方帰宅後、翌朝までしっかり眠った娘には時差ボケなど微塵もなかったようです。むしろ僕の方が、帰国後1週間近く苦しんでました(笑)。
出発前はいろいろと心配もしましたが、案ずるより産むが易し。実際にスイスを旅行し、僕たち親も娘もたくさんのことを感じて、たくさんのものを得られたと思います。
飛行機で14時間も空を飛ぶことで、世界はとてつもなく広く、しかし、たった14時間でこんな遠くまで来られるんだということを体験を通じて学ぶことができたと思います。この旅で、娘の世界が少しでも広がったのなら、親としてはそれ以上のお土産はありません。
エフちゃん家族と
この旅では、本当に本当にエフちゃんとエフちゃん家族にお世話になりっぱなしでした。
スイスに到着してから二晩、帰国する前夜の合計3日間、エフちゃんの家に泊めてもらいましたし、チューリヒではたくさんの場所を案内してくれ、朝から晩まで美味しいものを腹いっぱい食べさせてくれました。
エフちゃんが日本に留学していた時、素晴らしい時間を過ごせたのはあなたたちのおかげですと、エフちゃん家族、特にアンお母さんが心からの感謝を示してくれ、もてなしてくれたのです。
食後にみんなでジブリの映画を鑑賞
朝食や夕食をともにし、食後は居間でくつろいで雑談し、観光の計画を一緒に立てる。ふだんどおりではないとしても、エフちゃんたちの暮らしの一端を知ることができて嬉しかった反面、英語力不足で深い話ができないことに強いもどかしさを感じました。
食事中の会話では、やはりロシアのウクライナ侵攻やトランプ大統領就任に関する話題が出ましたが、彼らが話していることを理解するので精一杯で、自分の意見を伝えたり、そこから話題を広げることが全くできませんでした。女性大統領を擁し、世界で唯一の直接民主主義をとるスイスの政治※3や社会について、国際的に水準が高いとされる教育や子育て観についてじっくり話をしたかったし、日本でのエフちゃんとの思い出も話し、伝えたかった。残念ですが、これは英語を勉強するほかないですね。
エフちゃんたちへのお土産にした「桜井こけし」
というわけで、長々と5つも記事を書いてしまいましたが、スイス旅行記、これにて終了でございます。
- 35+歳から始める大学院留学ブログ「【物価&品揃えを解説!】スイスの主要スーパーマーケットの特徴と使い分けについて【豊富な画像でご紹介】」
- Wikipedia「羽田空港地上衝突事故」参照。スイス航空の安全性を語るうえで重要な出来事が、過去に生じた二度の墜落事故です。「スイス航空306便墜落事故」「スイス航空111便墜落事故」(いずれもWikipedia)
- スイスは2024年末に、カリン・ケラー=ズッター氏を連邦大統領に選出しました。スイスは連邦内閣の7人の閣僚が輪番制で大統領を務めるため、大統領になることではなく、閣僚になることが重要且つ困難とされていますが、ケラー=ズッター氏は史上9人目の女性閣僚として入閣し、大統領になったわけです。他にも直接民主主義で、国民発議(イニシアティヴ)と国民投票(レファレンダム)といった制度があること、連邦制ということで国全体の政治や政治家よりも各州のそれらに対して関心が強く、投票率も全く違うこと(後者の方が格段に高い)など、日本とはかなり異なる政治の仕組みについても話を聞きたかったのですが(涙)。
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