スイスに行ってきた話 その3 交通手段
スイス旅行に関する3つ目の記事は、ちょっと趣向を変えて、スイス国内での移動手段について書いてみたいと思います。
スイス旅行のうちチューリヒに滞在している間は、エフちゃんのお父さんお母さんが運転する車に乗って移動することが多かったので、ふつうの旅行者が使うような交通手段・移動手段の利用は多くありませんでした。ゆえに網羅的且つ詳しく説明することはできませんが、自分たちが経験した範囲の中でもまあまあ役に立ちそうなものがあったので、そのことを中心に書いてみます。
SBB Mobile
スイスの主要交通手段の一つが鉄道、スイス連邦鉄道、通称SBB※1です。
車体や内部のデザインも近代的で、時間も正確。
二階建て列車の内部の様子。テーブル付きベンチシート、滑り台のあるキッズスペースも
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そしてSBBの利便性を高めているのが、専用アプリ「SBB Mobile」です。
日本語では使用できませんが、デザインがいいので直感的に使え、検索などの基本機能はもちろん経由地の追加設定なども簡単。自分や同行者のプロフィールを登録しておけば一度に全員分のチケット(ちゃんと大人/子供料金が反映)も買うことができます。またチケットを買うと自分の「旅」が登録され、「1時間後に電車が出ますよ」みたいな通知もしてくれて、なかなか気が利いているのです。
出典:SBB CFF FFS
SBBが制作したSBB Mobileアプリの利便性をアピールする、ドラマ仕立て?の映像がありますのでご覧ください。
超便利機能 EasyRide
チューリヒからルツェルンにSBB(スイス連邦鉄道)で移動する日の前夜、とあるnoteを読んでアプリの使い方をチェックしていたら、EasyRideなる驚きの便利機能があることを知ります。
A駅からB駅に行くとしますよね。どの電車でもいいので、とにかくA駅で自分たちが乗りたい電車に乗ります。で、SBBアプリのEasyRideの画面を開き「スタート」をスワイプ。無事にB駅に着いたら「終了」をスワイプする、これだけ。この操作だけで、僕たちがどこからどこに移動したかをアプリがGPSで確認し、出発地点と到着地点、時間などの情報からどの便を使って移動したかを割り出し、運賃を計算してくれるわけです。複数のルートがある場合、最安値のルートで計算してくれるという親切設計。利用した鉄道の運賃はその日の最後に合算して請求、クレカ決済されるという流れです。
出典:SBB CFF FFS
これは便利過ぎる! ルツェルン行きはSBB Mobileのこの機能を使って行ってみよう!
興奮した僕を待っていたのは、SBB職員の詰問でした……。
EasyRideを使う時はココに要注意
チューリヒ中央駅から電車に乗り、ルツェルンへと移動を開始した我ら。
これまでのスイス旅行記事でも少し触れましたが、スイスの駅には改札がありません。駅で切符を買うこともできますが、アプリを使えば、電車に乗ってから買うということもSBB MobileのEasyRideでできちゃうわけです(同アプリを使って便を指定して買う場合は、おそらく該当する便の出発自時刻を過ぎてしまうと購入できないので、乗ってから買えいなのではないかと思います)。
さっそくSBB Mobileアプリを起動し、EasyRideの「スタート」をスワイプ! これでチケット購入完了。きちんと切符を買って乗っているかどうかSBB職員が車内を巡回して確認しているので、それに備えてアプリの「Tickets & Travelcards」を開きます。チケット(QRコード)がばっちり表示されています。完璧!
……と思いきや、チケットが1枚、つまり一人分しか表示されてなく、Co-passenger(同乗者)のトム(妻)や娘のチケットが買えていないように見えます。あれこれ触ってみるもチケットが増えることもなく、すでに電車はルツェルンに向けて走り始めているので、いま乗っている便のチケットをアプリから購入することもできません。
(今さらながら)使い方がヘルプページに出てないかな〜と読んでみると……
Q. EasyRideを追加の乗客のために使えますか?
A. いいえ。現在EasyRideは、ログインした主ユーザーだけが使えます。(中略)お連れの方のチケットはこのアプリの通常の方法でご購入ください。
つまり、EasyRideは各自が自身のスマホにSBB Mobileを入れ、それぞれがログインしたうえで利用しないとチケットが購入できない、ということか……
Oh my…
結局、巡回してきたSBB職員に1名分しかチケットが購入できていないことを伝えることに。それを聞いて困惑するSBB職員。それもそのはず、適切なチケットを持っていない乗客は罰金の対象となるからです。
SBB職員たちは「ボスを読んでくるので待ってて」と言い残し、その場を離れていきました。
彼らがどこか別の場所に行っている間に目的地とは異なる駅に到着したので、「ここで降りちゃう?」なんて話してましたが、小心者の僕たちがそんな大胆な行動に出られるはずもなく、おとなしく座ってボスが来るのを待つ我々。
行き先がルツェルンだと伝えていたからでしょう、ずいぶん時間が経ち、もうすぐルツェルンだという頃にようやくボスが登場。
先方はこれは由々しき事態であることを僕たちに伝え、こちらは状況を再度説明。お互いにああだこうだと話をしましたが、最終的には、不足していた2名分のチケットをその場で購入して一件落着しました。
ふぅ。
これに懲り、チューリヒへの帰路では便を指定してチケットを購入。めちゃくちゃ簡単でした。ちなみに、便を確定させる(おそらく購入後の変更不可)ことで30%くらい割引になるsupersaverチケットにしたので、大人1名27CHF(約4500円)が19CHF(約3200円)とお得に買えました(嬉)。
トラベルパスなど
スイス国内を移動する場合、鉄道(SBB)はほぼ必須の移動手段になると思われますが、それ以外にもバスやトラム(路面電車)などがあり、こうした公共交通機関に使える様々なパスが用意されているようです。
一定期間、乗り放題になるスイストラベルパス、一定期間のうちいつ乗るかを指定できるスイストラベルパス・フレックス、一定期間の運賃が半額になるハーフ・フェア・カード、1か月間主要な交通機関が乗り放題になるGAトラベルカードなどなど。
冒頭にも書いたとおり、僕たちはチューリヒ滞在時はエフちゃん家族の自家用車で移動することが多く、自力移動もチューリヒとルツェルン間の移動くらいだったので、こうしたパス類は利用せず、前述のとおり利用した便の切符だけを買いました。
いろいろなところをガンガン回る!というスタイルの旅であれば、こうしたパスは非常に便利でお得なんでしょうね。ただし、まあまあのお値段ですので、「まあ、お得になりそうなら買っとくか」ではなく、しっかりとシミュレーションしてからの購入をオススメします。
最後に僕が読んだブログ記事などをまとめていますので、気になる方は読んでみてください(いつもの他力本願スタイル)。
その他の乗り物
チューリヒを観光した日、エフちゃんの家のあるヴァイニンゲンからチューリヒまで、バスと電車を利用しました。
路線バス
鳥取のような地方都市では、朝の通勤通学時間を除くと、路線バスは2〜3時間に1本という悲しさですが、エフちゃん宅の最寄りのバス停に停まるバスは朝の4時半から午前1時前まで、1日80本以上が運行。これは週末も祝日も変わりません。鉄道同様、時間も正確。
バスは2つの車両が連結されていて、日本のバスの2倍近い長さがあります。
昔からの建物が大切に守られた歴史を感じる街並みの中を、日本のそれよりも近代的に感じるデザインのバスが走る様子はなんだか不思議な感じがします。
電車
何度か書きましたが、鉄道の駅には改札がありません。ゆえに、バスから降りて、道路から直接ホームへとエレベーターや階段でアプローチすることもできます。
道路から駅のホームに直接降りてくる利用者(Schlieren=シュリーレン駅)
これ、かなり新鮮な体験でした。
駅を介さずに列車に乗れるので、通勤通学で混雑しがちな時間帯でも駅に人が集中しにくい仕組みだと思います。全ての駅がこうなっているのかどうかは不明ですが。
そしてこれも、全てがそうなのかは分かりませんが、たいていの列車が2階建てになっているように思いました。2階席に座るだけで、観光客である僕らには楽しく感じられます。
透明の衝立に書かれている2という数字は、二等車両を意味します。設備が良くそのぶん運賃の高い一等車両もあるようですが、二等車両で全く問題なく快適でした。
シュリーレンから電車に乗り、チューリヒ中央駅に到着(その後、国立博物館やフラウミュンスター聖母聖堂に行きました)。
シンプルでシックな雰囲気の駅舎に、真っ赤な列車が映えます
スイスの駅に必ずある時計、Mondaine(モンディーン)のstop2go。上の写真のような駅舎と列車の色の関係性を時計の盤面に落とし込んだかのような、シンプルで、だけどどこかしらかわいらしさのあるデザインです。
そのシンプルな外観とは裏腹に非常に面白い仕掛けがあって、実はこのstop2go、秒針が58秒で1周し、12時位置で2秒間停止。その間に長針が1つ進み、再び秒針が動き始めるのです。これは、全国にある約3000の駅の時計とマスターウォッチを同期させるためのものだそうです。
Stop2goは土産物屋でも売っていて、買うか否か、本気で悩みました(笑)。物欲に打ち勝って無事に帰国したのですが、腕時計版もあって普通に日本でも買えるんですよねぇ(笑)。
チューリヒ駅にある巨大な女神像「守護天使」も目を引きました。
フランス人女性彫刻家ニキ・ド・サンファルの作品。1997年、駅の150周年記念で贈呈された※2
トラム(路面電車)
スイス国立博物館からランチのお店に移動する際、トラムも利用。
電車やバスと比べて、トラムの内装や椅子はやや質素な印象。長い距離を乗ることが想定されていないのか、椅子もプライウッド製です。
街のド真ん中を走るので、電車と違う窓景は眺めていて楽しいです。電車に乗ってバスの窓景を眺めている感覚と言いますか。
チューリヒで乗った電車、バス、トラムの運賃は全て、エフちゃんのママ、アンお母さんが事前に購入してくれていたので、僕らは購入していないのですが、この記事で紹介したSBB Mobileでチケット入手可能です。
・・・
という感じで(いつもどおり)中途半端感が否めない記事となりましたが、いつかどなたかの参考になれば幸いです。
- 正式にはSBB CFF FFS。スイスの4つの公用語のうちドイツ後、フランス後、イタリア後の頭文字(ドイツ語/SBB-Schweizerische Bundesbahnen、フランス語/CFF-Chemins de fer fédéraux suisses、イタリア語/FFS-Ferrovie Federali Svizzere)が必ず併記されています。が、本記事で扱うアプリはなぜかSBBのみ。
- 出典:swissinfo.ch「チューリヒの守護天使がお色直し」
参考記事
- あおい@英国ポスドク生活「スイスの鉄道旅行に必須のSBB mobileの使い方」
- 鉄道と自転車でプチ冒険に出よう「スイスの個人旅行に超便利なSBBアプリとハーフフェアカード」
- なる子とマーナル☆「あんまり役に立たないスイス鉄道の旅info・スイスパス」
- IrohaQuest 〜世界絶景巡り「【’23スイス旅行記①】SBB Mobileアプリを活用したスイス鉄道チケットの買い方・鉄道の乗り方」
- 再びの旅「SBBモバイルアプリでの切符の買い方」
- QUARTIER PLUS「Kennen Sie SBB EasyRide?」
本記事に掲載しているスイス・フランCHFと日本円JPYは、2025年3月23日(UTC)の1CHF=168円で算出したものです。