雪中キャンプで使うテントは、ドーム型かティピ型か

キャンプイベントの中でも、一年を通じて僕がもっとも楽しみにしている、雪中キャンプの季節がやってきました!

スポンサー広告




昨年、かなり入念に検討・準備したこともあって、雪中キャンプ用のアイテムリストはベースはできています。

ただ、今年は昨年に比べて3名ほど参加者が増えたため、これまでのようにひとつのテントの中で過ごすことができなくなったため、以前検討した宴会用洞穴「Party Cave」を本当に(!)掘ることになりそうです。

雪中キャンプ宴会用の洞穴について検討してみた

つまりほぼすべての時間を外で過ごすことになるので、より確かな防寒対策が必要になります。このテーマは、同じ恩原高原での実施となった晩秋キャンプ時に検討しましたが、これについてはまた後日、さらに検討してみたいと思います。

今日は、使うテントについて。

ドーム型かティピ型か

初参戦者の中には、昨年から本格的にキャンプをはじめたため、気温0度、積雪数メートルという過酷な環境でソロキャンプできる装備のない人も含まれています。

彼は僕の親友ということもあり、今回は僕のテントで眠ることになりました。彼をH氏と呼ぶことにします。

雪中キャンプでは、ドーム型テント「THE NORTH FACE /Mountain35」が僕の定番になっているんですが、H氏の装備に関する事情で、昨年末に購入したティピ型テント「tent-Mark DEISGNS/CIRCUS TC」にするべきか、悩んでいます。

そこで、この記事を通じて、雪中キャンプにおけるドーム型テントとティピ型テントのメリット・デメリットを見ていきながら、そこに僕たちの事情を反映させて、どちらを使うかを考えてみたいと思います。

THE NORTH FACE/Mountain35

まずはドーム型のTHE NORTH FACE /Mountain35(以下、Mountain35)から見ていきます。


画像出展:REI

  • メリット
    • 自立式なので、雪上での設営に安心感(なんらかの理由でペグが効かなくなっても、倒壊する可能性が低い)
    • 積雪や強風に強い(特にMountain35は極地遠征のためのテント「SUMMIT SERIES」)
    • ダブルウォールなので、結露しにくい
  • デメリット
    • 2名がコットで眠るにはかなり窮屈
    • 2名が横になると荷物を置くスペースがほとんどない
    • 室内が狭いため、石油ストーブなどで暖をとることができない

上記のメリット・デメリットは、Mountain35だけでなく、一般的なドーム型テントにも当てはまるものだと思います。

さて、昨年の雪中キャンプでは、一晩で20センチほどの積雪がありました。

20センチ程度の積雪でも、これだけテントが埋まります。

雪中キャンプ候補地の恩原高原を除雪車で雪かきされていた方によると、「このあたりは一晩で1メートルくらい雪が積もることもある」そうで、もしそんなことがあれば、ふつうのテントは雪で潰れてしまいます。

もちろん、Moutain35にとっても厳しい条件ですが、一般のテントより頑丈なので、避難する時間は稼げます。冬の高原でキャンプ、その環境下での安全性を考えればMountain35一択です。

しかし、H氏が真冬用の装備を揃えきれていないため、安全性だけでなく、「それほど重装備でなくても暖かく眠ることができる」という条件がテント選びに加えられたわけです。

昨年の雪中キャンプでは、Mountain35の内部は摂氏1度。モンベルのもっとも暖かいダウンシュラフコット等を組み合わせても、ぽかぽかで暖かいとは言い難い。

H氏の装備では、シュラフ+マットでのグランド直寝はNG。コットの使用が前提で、さらにテントの内部を石油ストーブで暖めないと、寒すぎて眠ることはまず不可能と思われます。

しかし、下の図のとおり、Mountain35にコットを2つ並べると、小さな石油ストーブであるフジカはおろか、他の荷物も満足に収容できなくなってしまうんです。

それで、内部空間に余裕のあるtent-Mark DESIGNS/CIRCUS TC(以下、SIRCUS)がリスト入りしてきたわけです。

tent-Mark DESIGNS/CIRCUS TC

それでは、CIRCUSのメリット、デメリットを見ていきます。


晩秋の恩原高原にて

  • メリット
    • 2名がコットで眠るのに十分な広さ
    • ポリコットン製なので、結露しにくい(と思われる)
    • ポリコットン製で、且つ内部空間が広いので、石油ストーブが使いやすい
  • デメリット
    • 自立しない
    • 中央のポールが沈むと倒壊する危険がある
    • 強風、積雪に対する強度が未知数
    • 強風や積雪に対して最大のパフォーマンスを出すためには、張綱なども含めてしっかりペグダウンする必要があるが、雪上ではペグダウンが大変なので、全体としてMountain35よりも設営が大変になりそう

この中で特に懸念されるのが、デメリットの2点目、風と雪に対する強さが未知数であるという点です。

この点について、テントの「形状」と「角度」、2つの視点から検討してみたいと思います。

まずは、テントの形状から。

昨年の雪中キャンプでは、ティピ型テントが4名、ドーム型テントが2名、雪洞が1名だったんですが、ティピ型4つのうち2つが積雪によって倒壊しかけていました。

写真はLOCUS GEARのKhafra Sil(カフラ・シル)で、四角錐のティピ型(モノポール)テントです。倒壊しかけていたティピ型テントは、いずれもKhafra Sil、つまり四角錐でした。

残りの2つは、Nordisk Alfheim(ノルディスク・アルフェイム)が10角錐、Tentipi Onyx5cp(テンティピ・オニキス)が8角錐で、角錐とはいえ円錐に近い形状。いずれも雪をものともしていませんでした。

CIRCUSはこれらとは異なる五角形で、倒壊しかけた四角錐と、雪をものともしなかった円錐との中間にあたる形状。角が多くなればなるほどひとつの面にかかる雪の重さは分散されるので、雪に強くなることが想像できます。

続いては、「角度」。

テントの生地がペグで留められている部分から中央のポールの頂点にかけての角度、つまりテントのシルエットが生み出す二等辺三角形の底角の角度が大きくなればなるほど、テントの生地は垂直に近くなり、雪はテントに積もることなく滑り落ちていきやすくなるので、雪に対する強さが増すと思われます。

そこで、ここで登場した4つのティピ型テントの底角の角度を比較してみました。

CIRCUSの角度は、Tentipi Onyx5cpよりも4°ほど大きく、ほぼNordisk Alfheim 19.6と同じであることが分かります。

この2つの視点から検討した結論としては、角度的にはまずまず、しかし五角形という形状が雪に対してどれほどの強度を見せるかは分からない、つまり「分からない」という結果となりました(涙)。

LOCUS GEAR Khafra SilとTentipi Onyx5cpが同じ50°であることを考えると、倒壊しかけ/ものともしないという異なる結果になったのは、テントの形状、角錐か円錐かという点に加えて、前者が軽量化を重視した製品である(30デニールという薄いナイロン生地や細いポールが使用されている)のに対して、後者は厚手のポリコットン製+剛性の高い太いポールで、軽量性よりも堅牢性を重視したつくりである、といった違いが大きな要因となっていそうです。

つまり、頑丈なテントだと雪に強い!(なんだそりゃ笑)

まあ、実際のところ、去年の20センチよりも多く雪が降れば、この検証はさほど意味を持たなくなりますし、結局のところ、やってみないと分からないんですよね……。

で、困った時のインスタグラム、で調べてみたところ、ものすごい積雪量の環境でCIRCUSでキャンプされている方を発見!

積もり具合から言えば、こちらの方のほうが近いかな?

階元聖司さん(@syouziiiii)がシェアした投稿


(関係ないですけど、CIRCUSでアラジン、はかなり寒かったでしょうね…)

結論:ティピ型テントでいきます

日が近づいてきたら、天気予報等を参考に最終決定したいと思いますが、ひとまずティピ型テント=CIRCUSで、今年の雪中キャンプは臨みたいと思います。

そのために準備すべきアイテムが2つ。

インナーテント

上に掲載した内部の広さ比較の図にも描かれているんですが(破線)、CIRCUS専用のインナーテントを導入しようと考えています。

理由としては、大きく2つ。

ひとつ目は、いずれ必要になるから。虫の出る時期、初夏や秋にかけてCIRCUSを使う時、また子どもを連れてのキャンプの時は必須のアイテムですし。

ふたつ目は、テントの内部を完全に「内部」にしたいから。

雪の上に直接コット、ではなく、グランドシートの上に置きたいし、シュラフに入る直前に靴を脱ぐのではなく、テントの中では靴を脱いでリラックスしたいなと。グランドシートの上に断熱マットやラグを敷いても当然キンキンに冷たいので、サンダルは必須になりますが、氷のように冷たくなった雪の上に直接寝るのと、薄くても何枚か布切れがあるのでは、気分的な暖かさが違う気がします。

ポール留め

さきほど、雪中キャンプ時のティピ型テントのデメリットを4つ挙げましたが、うち2つは検証または対策が可能です。

「強風、積雪に対する強度が未知数」については上記で(いい加減な)検証をしました。

残るひとつ、「中央のポールが沈むと倒壊する危険がある」は対策が可能そうです。

これまでの雪中キャンプで、宴会テントとして設営していたNordisk Alfheimのポールを、何度みんなで「ヨイショ! ヨイショ!」と持ち上げて、木片などを噛ませて沈み込みを防ぐ作業をしたことか……。

人がぎゅうぎゅう詰めで入り、ストーブを何台も稼働しているためにテントの中の温度が上がり、底面の雪が緩くなって、何十kgもの荷重がかかっているポールが少しずつ雪に沈み込んでいく、というのは当然のことなのかも知れません。

2人で静かに眠るだけのテントで同じことが起きる可能性は低いのかも知れませんが、もし起きたらエライことになる。

ポールが少しでも沈むとテントを固定している展張力が緩み、風や雪に脆い状態になり、最悪倒壊することになるからです。

そこで、下の図のようなものを作成してみようと考えています。

10ミリほどの厚さの木の板を2つ用意します。大きさは半径30cmくらいを想定。図は円形になっていますが、必ずしも円形である必要はありません。

2枚の木の板の一方にだけ、中央にポールと同じ太さの穴を開けます。CIRCUSのポールは30ミリなので、20%くらい余裕を持たせて35ミリくらいですかね(このあたりの精密さは、依頼するホームセンターの機材の機能に依存します 笑)。

で、2枚の木の板を木工用ボンドでべったりと接着させて完成です(何か所か、ビス留めするとさらに良い)。

これをグランドシートの下に置き、板中央の穴にポールをはめ込んで、ポールが雪の中に沈み込むのを防ぎます。

穴の深さはもう少し深いほうが安定しそうな気もしますが、テントの完成時の高さに影響を与えるほど深くすると、ペグダウンでのテンションが得られず、設営全体の完成度にネガティブな影響を与える気がして、10ミリ程度としました。

2枚合わせて20ミリの板をグランドシートの下に置くということで底面が凸凹しそうですが、この程度の厚さであれば、雪と同じレベルまで踏んで沈み込ませることができると思います。

ちなみに、この木の板は、テント設営前に圧雪する時も活躍してもらう予定です。

.

さて、こうしていろいろ考えて準備をしている段階が非常に楽しいわけですが、雪中キャンプで「あ、しまった、あれ忘れた!」は命取り。そこまでいかなくても、QOC(Quality of Camp)を大幅に下げてしまいます。

入念に準備し、忘れ物のないようにしたいと思います(ほんと、いくつになっても忘れ物するんですよねー)。

<アイテムリスト>

検討中につき、薄く表示しています(笑)。

テント(tent-Mark Designs CIRCUS TC) ペグ一式 ペグハンマー ガイライン
タトンカ 1TC タープ用ポール Helinox Chair One 焚き火台
solo stove フジカハイペット ターボライター ランタン(プレヒート用アルコール)
ランタンポール Camp Mania ウッドテーブル Helinox Table One シュラフ #0
スリーピングマット グランドシート Helinox Cot One 節電マット
ラグ ブランケット 湯たんぽ シェルジャケット
インナーダウンジャケット インナーダウンパンツ 温感肌着 フリースベスト
暖パン 腹巻き ももひき ネックウォーマー
バラクラバ 極厚靴下 グローブ ハンドタオル
SOREL マニトウ ガスストーブ ガス缶 ケトル
コッヘル シエラカップ カップ まな板
ナイフ カトラリー 割り箸 卓上LEDライト
ヘッドライト 耳栓 水(ペットボトル)2L×2本 歯ブラシ+歯磨き粉
簡易トイレ(万能トイレくん) トイレットペーパー 使い捨てカイロ スマホ充電ケーブル
モバイルバッテリー ジプロック ゴミ袋 新聞紙
マスク サングラス 保冷バッグ デジタル一眼レフカメラ
救急セット コーヒー豆(ジプロック)3杯分くらい コーヒーミル ペーパーフィルター(3枚以上)
バネット ホットサンドメーカー マルチツール

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

おすすめ

4件のフィードバック

  1. モト より:

    はじめまして〜〜
    いつも楽しみにブログ読み逃げさせて頂いてます(爆
    私も良く雪中キャンプへ行き、道中、恩原湖畔通りますが、湖畔キャンプ申請とか必要なのでしょうか??
    恩原まで1時間と近く、ガチ雪中キャンプ大好きなので、行こうかと思ってます。
    大変、厚かましいですが、宜しくお願い致しますm(__)m

    • aw より:

      モトさん、コメントありがとうございます! また、いつも読み逃げくださり、感謝です 🙂
      恩原湖の湖畔でのキャンプは特に申請はしていないですね。表立って禁止されているわけでもないと思います。去年初めて恩原湖で雪中キャンプした際に、ロケーションを検討してくれていた仲間がいろいろ調べてくれて、基本的に問題ないことを確認しています(いちおう、大人が集まってのキャンプなので、ルールに反することはしないほうがいいよね、ということで…)。参考になれば幸いです。

      モトさんのブログ、拝見しました。マルシャルのテント(バンガロー6ですかね)いいですねー。僕は実物を見たことがないのですが、個性的で素敵ですよね。また時間のある時にじっくり拝読させていただきますー 🙂

  2. モト より:

    awさん
    こんばんは〜〜
    早速ありがとうございます!(◎_◎;)
    ファミリーキャンプも終盤、ソロ三昧な感じで、今はブログ…放置気味…インスタメインなってきました(汗
    雪中変態キャンプシーズンもあと1カ月少々、楽しみましょう‼︎
    どこかでお会い出来るといいですね(笑
    ブログ楽しみにしてますよーーーーー

    • aw より:

      モトさん、コメントありがとうございます!

      キャンプ場でキャンプすることがあまりないので可能性は高くないかもですが、どこかでお会いできるといいですね! モトさんは個性的なテントをお使いですから、目立ちそうです 🙂

      ブログ、ぼちぼち更新していきますので、またお立ち寄りください〜

ご意見・ご感想をお聞かせください

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください