キャンプ好きの陥りやすい罠
とある理由で、もう2か月以上もキャンプに行っていません。3月から5月にかけて、素敵な気候のこの時期に! そんなわけで、ラフロイグのオンザロックをチビりながら夜な夜なキャンプについて考えを巡らせていました。
なぜ僕は玄関を開けてキャンプに出かけるのか
まず、この基本中の基本の質問を自分に問うてみました。
いろいろ答えはあるけれど、一つに絞れと言われたら「家の中にいたくないから」、ではなく、「自然の中で時間を過ごしたいから」になるでしょう。
もちろん、雲一つない青空が広がった日には「あー、柳茶屋(キャンプ場)でビール飲みたい!」が一番の動機になるし、買ったばかりのテントが届いたその週末には「早く新しいテントを張りたい!」が最大の理由になります。が、やはり「自然の中で時間を過ごしたい」が大前提。いずれもその気になれば自宅の庭や室内で実施可能なのですが、それでは当然喜びが相当小さくなってしまうわけです。
であるはずなのに
気が付けばテントは巨大化し、椅子やテーブル、料理道具がやたらと増え、就寝環境は家でのそれにいかに近づけられるかに腐心している。僕にとってのキャンプは、自然と、その中での時間を最大限に楽しむためであるはずなのに、外で過ごす環境を家の中のそれに近づけようと努力し、いかに家の中のように快適にできるかに腐心していたわけです。
さらに悪いのは、大前提を忘れて、道具を揃えたり使ったりすることが目的化してるような気もすること。キャンプ道具を使うために、キャンプに行っていると。
やっぱり、それはなんか違うなあ、と。
本当はこんなのがいい
写真家で冒険家の知人、石川直樹君が書いた本、「全ての装備を知恵に置き換えること」のタイトルにもあるとおり、道具に頼ることなく、知恵(経験や知識)で補うような感じ。これが僕の理想です。
今は、キャンプに必要な環境は、全て道具を買い揃えることによって整えているわけですが、できる限りそれを変えていきたい。「あ、それなら、これを拾ってきてこんな風にやれば代用できるんだよ」みたいな知恵を身に付けたい。そしてそれを楽しめるような、そんなキャンプがしたいのです。
とはいえ、やはりキャンプ道具も先人の「知恵」がカタチになったものとも言えるわけですし、なにより大好きなので、本当に必要なものだけを手に入れて大切に使って行きたいとは思っていますが。
ちなみに、タイトルにもなっている「全ての装備を知恵に置き換えること」は、著者の石川君が有名アウトドアメーカーの創業者イヴォン・シュイナードにインタビューした際のもの。
世界中を旅することはもちろんのこと、7サミット登頂を最年少(当時)で達成したり、星だけを頼りに1か月あまり筏で航海したり(絶望して自殺未遂者が出るほど過酷な航海だった)、北極点から南極点まで人力だけで移動するプロジェクトに参加したり、太平洋を気球で横断しようとして墜落し文字通り地獄に落ちる経験をしたりと、若くしてとてつもない体験をしてきた石川君が考える、現代の僕たちの生活を埋め尽くすたくさんの道具に置き換わるはずの、生きるための「知恵」。
こんな低レベルのブログエントリーの中で紹介するような本ではなかったかもですが、けっこう僕の中にはいつもこの言葉があります。
ブログ読んで頂いたそうで有難うございます。余計な気を使わせてしまいすみません。
子育て年齢はもうすぐ6歳なので子育てのアドバイスであれば、唯一、awさんへレクチャー出来そうです
キャンプハウスとは?のコンセプトにとても共感してます。
私自身はなんだかんだ現実主義のところがありますのであくまでも理想になるのですが…
理想を現実に体現出来るawさんに憧れます!
そして、awさんの妄想系の考察記事が好きなのです。
今までの記事の中でもこの記事がとても好きです。
知らぬ間に不便を楽しめなくなるにはそれなりの理由(良くも悪くも経験)があるとは思いますが、不便を楽しむためのキャンプで生活しやすくするために物を買い込むって矛盾してますよね。
私的には道具に対する愛情も深いので、道具=趣味みたいなところもありますけどね。
極力、シンプルな生活が出来るように断捨離できれば良いですね~。
子供が大きくなる過程において子供のモノも溢れて…シンプルな生活は益々難しくなってる気がしてます。。。
CISCOさん、コメントありがとうございます 🙂
自然の中での楽しみ方、キャンプの楽しみ方は人それぞれですし、だからこそ面白いですよね。それで僕のような妄想ブログもあれば、他のキャンパーのブログなどがあり、いろんな考え、スタイルが楽しめるわけですし。
僕も今はこんなふうに考えていますが、CISCOさんのおっしゃるようなこれからの経験や、自分だけでなく、妻や子どものことを考えると、考え方や価値観は変わっていくかも知れません。でも、それを今から否定するつもりは全然ないですし、むしろ自然なことなのかなーと思っています。
そんな話も、いつかそうなった時は、自然体でこのブログに書けたらいいなと思います。