田舎で楽しく暮らすには”何でも屋”になろう
昨年暮れのことですが、とある友人に「ブールというパンを売ってる店を知らないか」と尋ねられました。鳥取には少なくない数のパン屋がありますが、調べたり問い合わせてみたところ、どこも売ってないと。僕の知っているパン屋を幾つか紹介しましたが、やはり売ってなかったそうで。
ブールはこういうパンです(画像出典:パンの図鑑)
さんざん探し回った挙句、目的のものが見つからなかった徒労感からか、友人は「鳥取に引っ越してきたことを初めて後悔した」と話していました(笑)。
地方にはいろんなものがない
ネット通販、ヤフオクやメルカリのようなP2P(*)サービスの隆盛によって、鳥取のような地方ではこれまで入手が困難だったモノでも購入できるようになりました。
が、取り扱っているお店が鳥取にない以上、購入する前に実際にモノを見たり手にとったりすることは依然として難しく、また今回友人が直面したような「今すぐ必要!(そして明日はいらない)」となった場合は、ネット通販は役に立ちません。
自分でつくってみる
冒頭の「パンを探し回ったけど見つからなかった問題」は、なんやかんやあって、僕がパンを焼くという解決策へと至りました。
友人のためにパンを焼く、しかも「ちょっと焼いたから食べてみて」というちょっとしたプレゼント的パターンではなく、オーダーお願いされてのことだったので、ちょっとした緊張感とワクワク感とで、いつもとは一味違う、なかなか楽しいパンづくりになりました(上出来とは言い難い仕上がりでしたが……)。
僕もそうですが、長いこと東京のような大都市に暮らしていると、ないものがない状態に慣れてしまうので、地方のなにもないっぷりに時折、面食らうことがあります。
が、鳥取に帰ってきて10年目。
これを嘆いたところでどうしようもないので、逆手に取って、楽しむ手段に変えばいいことに気付きました。
パンのように売っていないものを自分でつくるだけでなく、お金を払えばプロにお願いすればできるものも、可能な範囲で自分でやってみる。その範囲は自分で決定し、技術や道具など環境が整ってくれば少しずつ広げていけばいいわけです。
当然プロが作ったものとは品質、仕上がりは違います。下手するとプロに依頼する方が安くあがる場合さえあります。
でも、いいんです。楽しむ手段なのですから。
どんなものをつくるかで頭を悩ませたり、ホームセンターに行って工具や材料を買い揃えたり、実際につくる作業したり(その中で数えきれないくらい失敗したり)、完成品を見て「下手だなぁ〜、ははは!」と笑いながら小さな満足感を感じたり……プロに依頼して、素晴らしい仕上がりの仕事を納めてもらうのとはまた違った楽しさや満足感があります。
ちょっと困るのは、あまり使用頻度の高くなさそうな道具が増えてくことですかね。
最近は、こんな道具を書いました。
で、何をつくったかと言えば、最近は、車庫に庇(ひさし)を取り付けました。
2月に納車された車が車庫を20センチほどはみ出してしまい、ちょっとした小雨でも濡れてしまうので、小さな庇を付けたんですね。
よくよく見れば、ま〜、ヒドイ出来です(笑)。でも今のところ、その役割をきちんと果たしてくれています。
ヤッツケにならないよう注意
とはいえ、あまりにヒドイ仕上がりだと生活の質も下がってしまいますし、それを目にするたびに気持ちまで下がってしまうようだと、それはそれで問題。
我が家の場合は築50年以上と古く、手を加えてもこれ以上悪くなることないっしょ! くらいの気持ちでやってますが、「こりゃさすがにイイ加減過ぎたな」という場所がチラホラあり、最近少しずつ手直ししたりしています。
例えば、痩せた壁と柱の間に隙間ができてしまい、冬めっちゃ寒い、という部屋があったんですね。とにかく簡単に処理しようと、その隙間をアルミテープで覆っていたんです。
テープを貼るだけなのでもちろん簡単に作業は終わるんですが、見た目がめちゃくちゃ悪い。
というわけで、アルミテープを剥がし、前述のコーキングガンをつかってシリコンシーラントで隙間を埋めました。
Before
After
めちゃくちゃ見栄えが悪くかったのがちょっと改善された程度ではありますが、僕のなかではまあまあ満足です(笑)。
トム(妻)の祖父は、自分で家まで建ててしまうほどの達人DIYer。僕もいつかR町の土地に小さな家をセルフビルドできるようになってたいですね。今の僕には、果てしなく遠い道のりですが。
*1 P2P Peer 2(to) Peer(本来はシステムの連携を意味するIT用語ですが)人と人が個々に対等に繋がっている状態を意味します。